普通のことしか言ってなくない? "鋭い人" になるための「自分の意見」の磨き方

自分だけのユニークな意見が思いつかない。他の人の意見の鋭さに驚いたり、考えの深さ、広さに圧倒される。自分はどうすれば、独創的で豊かな見識を持つことができるのだろう。

このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。

私たち人間の頭の中は、これまでに読んできた本でできていると言っても過言ではありません。なぜなら、まったくのゼロから自分の考えが生まれるということはないから。読んできた本に書かれていた情報をもとにしたり、組み合わせたりして、私たちは自分なりに物を考え、語っています。

そう考えると、他人と同じ本しか読まなければ、他人と同じ目線で同じことしか言えない人間になってしまいます。これでは、自分だけの価値を出すことができない状態に陥るのは当然のこと。持ち合わせている知識が、クリエイティブな発想はもとよりキャリアや人格の形成にまで影響してくることもありますから、ビジネスパーソンであれば何としても、自分にしかない見識の広さ、深さを兼ね備えたいものですよね。

そこで今回は、他人と違った本を読み、得た知識を自分だけの価値に転化させるための、戦略的な読書法を3つ紹介します。

ビジネス書と非ビジネス書を1:1の割合で読む

ビジネス書だけを読んでいても、他人と違う発想は生まれません。働く業界によって、ビジネスパーソンが読む本はある程度偏っていますし、書店で話題になるような本は、周囲も買っているものです。

そこでビジネス書以外の本も読むことで、他人との差別化をはかりましょう。もしも本屋でビジネス書を買った時には、ついでにもう1冊、非ビジネス書を買えばよいのです。忙しくてもう1冊選んでいる余裕がなかった時は、次に本屋によった際に非ビジネス書を1冊買うだけ。小説、マンガ、ハウツー本や伝記など、なんでも構いません。あなたの興味の赴くままに本を選んで大丈夫です。

非ビジネス書に書かれていることは、あなたの仕事に直接的な成果をもたらすものではない、雑学に過ぎないものかもしれません。しかし、「世の中にはこんな面白いモノやサービス、考えがあるんだ」と知ることや、「この偉人はどんな生き方をして成功したのか」と学ぶことは、必ずあなたの教養となり、いずれ見識の広さや深さ、ユニークさに貢献してくれます。

この方法を続ければ、あなたの本棚も考えも、あっという間にバラエティ豊かになるでしょう。

本を「読んだだけ」で終わらず、自分の中に取り入れる

たとえ本を読んでも、そこからの学びがなければ、あなただけのオリジナリティは増えません。内容がしっかり自分に還元される読書方法を取り入れましょう。

例えばビジネス書の場合は、ビジネススキルのノウハウ本か、ビジネス知識を学ぶためのフレームワーク本、企業について解説した本などにわかれると思います。それらの本の活かし方は、次の通りです。

ノウハウ本やフレームワーク本の場合は、本の中で1番気に入ったポイントを1つだけ覚えることをお勧めします。「20のポイント」「100のルール」などと贅沢に書かれていても、実際にすべて覚えることは困難です。覚えられてせいぜい1つか2つでしょう。だから「最も心に残った1つ」を決めて、それを必ず実践するように心がけましょう。

企業本の場合は、本で紹介されていた事例を、エピソードや重要人物の発言などとともに、記憶に残しましょう。先人の経験をしっかり記憶しておくことで、自分のこの先のビジネス人生において決断を迫られた際に、何が良くて何がダメなのかを判断する参考材料になるはずです。

非ビジネス書(小説や伝記などなんでも)の場合は、楽しんで読書を終えた後に、読んだ本の本質が何かを考えましょう

例えばイチローの伝記を読んだ時に、「成功の秘訣は何だったのか」とか「優れた練習とは何なのか」の答えを出してみる。あるいは小説『罪と罰』を読んだ後に、自分なりに「罪は償えるのか?」「罪と罰の関係性は何か?」などと考えてみましょう。

読んだ本から自分なりの学びを抽出することで、それはあなただけの考えになります。そしてその考えは、ビジネスでも人生でも、何か別の問題に出くわした際に活かすことができるでしょう。まさに読書からオリジナリティが生まれる瞬間です。

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古典を読む

古典とは、過去から受け継がれる思想や文化の柱。このことは、ビジネス書でも文学でも同じです。無数に存在する書籍の中から、現在にいたるまで読み続けられているということは、そこに学ぶべき何かがあるはずなのです。

ですが、古典というと堅苦しく難しいイメージがあり、実際に読んだことがある人はそう多くないでしょう。その点で、周囲に差をつけるという意味では、古典ゾーンを攻めてみるのは非常に有効な戦略的読書法と言えます

古典を読むことのメリットは、他の人と差別化できることだけではありません。たとえばひとつのテーマでも構いませんから、1~2冊熟読しておけば、現代のどのような本を読んだとしても、古典の延長線上に捉えることができます。古くから続く考えを知った上で、現代の本を読み新たな知見に触れれば、理解がぐっと深まるでしょう。

たとえばビジネスのジャンルでは、自己啓発作家デール・カーネギー(『人を動かす』『道は開ける』ほか)や、経営の父と称されるピーター・ドラッカー(『マネジメント』『経営者の条件』ほか)などの著作が古典として有名です。

1冊に5時間でも10時間でもかけてよいので、興味あるジャンルの古典に触れてみてはいかがでしょうか。読書好きの先輩がいたら、読むべき古典についてアドバイスをもらうのも良いかもしれませんね。

*** 読書はなんとなくしていても十分楽しいものですが、戦略的に行えば、楽しめるだけでなく、自分の個性をとがらせる武器にもなります。皆さんも今日から、自分の個性を出すために戦略的な読書に取り組んでみてはいかがでしょうか。

(参考) 三谷宏治著(2015),『戦略読書』,ダイヤモンド社. 茂木健一郎著(2015),『頭は「本の読み方」で磨かれる: 見えてくるものが変わる70冊』,三笠書房.

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