世界の億万長者たちが意外に倹約家なのはご存知ですか? 「成功者のスタイルをまねて、富を得たい」と考えるなら、まずは「節約」と「貯蓄」、そして「投資」に目を向けてみてはいかがでしょう。

世界の億万長者はみな倹約家?

Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏は、派手なものを好まず実用性を求めるため、だいたい価格が300万円ほどの車を所有しているそうです。それに、普段は徒歩か自転車通勤。広すぎる家を嫌い、基本的には賃貸住まいです。

また、資産9兆円ともいわれる(2015年時点)、世界最大の投資会社バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏は、マクドナルドとコーラをこよなく愛し、60年前に約3万ドルで買った自宅に今も住み続けているそう。

通信会社ブルームバーグ創業者で、第108代ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が仕事で使う靴は2足のみ。「片方を修繕しているときは、もう片方を履いて通勤できる」というミニマル志向で、なおかつ大切に、長くものを使っています。

そして特に2018年1月28日に亡くなった、スウェーデンの家具販売大手IKEAの創業者、イングバル・カンプラード氏の節約志向は並はずれていたといいます。カンプラード氏の個人資産は2017年に約5兆円になったと推定されていますが、衣類をほとんどフリーマーケットで買い、飛行機も常にエコノミー席だったそう。

でも、海外だけではありません。日本にもすごい倹約家の億万長者がいたのです。

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節約と投資の天才、本多静六氏とは

独自のルールで「節約」と「投資」

造園家として、また東京大学の教授として活躍した本多静六氏は、「節約」と「投資」によって巨万の富をつくりあげたといいます。同氏が、まず最初に行ったのは「4分の1天引き貯金法」。どんなに苦しくても、収入の4分の1を貯金に回したのだとか。そのため、ご飯のおかずは白ゴマのみだったそう。

そして、景気が悪いとき、ためた資金で企業内容のいい会社の株を安く買い、長期保有し続けました。留学時、鉄道でドイツが発展するのを目の当たりにした本多氏は、主に鉄道会社などへの投資から始めたそうです。

株価が上昇しても浮かれず節約と貯蓄に努め、次の投資タイミングを待ちながら資金を準備。利益が20%以上出たところで強制的に利益確定(含み益を決済して現金化すること)を行い、株価が倍以上になった時点で半分以上の株を売却するという、独自のルールも徹底しました。

株式投資には、「損切りはすばやく、利食いはゆっくり」という格言があります。買った値段より値下がりすると「いま売ると損だから、値段が戻るまで待とう」とし、売りどきを逃して損が拡大することがあるため、「損は忘れて早く見切りなさい」という意味です。

しかし本多氏は、値上がりするまでずっと持ち続ける手法をとったそう。これも独自のルールですね。

儲けても無駄遣いせず、格安の投資や預金に当て、同氏はどんどん資産を増やしていきました。現在の貨幣価値に換算すると数百億規模に膨れ上がったとのこと。

自らの哲学を貫き通した人生

一途に倹約して貯蓄を増やし、独自のルールで投資を続けた本多静六氏は巨万の富を得ましたが、それはゴールではありませんでした。60歳で退職した本多氏は、なんと、ほぼ全ての財産を公共機関に寄付したのだそう。

本多氏は、「人並み外れた財産や名誉は、幸福そのものではなく、有害無益である」と考えました。「手っ取り早く成功しようとする人は、手っ取り早く失敗する人だ」と辛抱強く地道に歩み続けた同氏は、ムダな消費や贅沢を嫌い、“有意義な時間とお金の使い方”を好んだのです。

つつましい人柄だっただけに、公の場で称えられるような席には顔を見せず、生涯現役の投資家として充実した人生を送ったのだそう。

あまりの徹底ぶりに、「こんな生き方、到底真似できない」「そもそも、こんな生き方は幸せなのか?」と思うかもしれません。しかし、専門家によれば、「節約」と「貯蓄」、そして上手な「投資」は幸せ度も高めるのだそう。あらゆる情報を手に入れやすくなった現代では、すぐ身近にそういうスタイルを身につけている人もいるのです。

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富と幸せを運ぶ「節約」と「投資」

「日経マネー」の調べでは、お金がたまる家は、資産運用に優れているだけではなく、節約術にも長けているのだそう。NIKKEI STYLE(2012年7月18日)で紹介されていた30代の男性は、以下のように話しています。

「無駄なおカネは使わず、年収の4割は貯蓄や株式投資に回す。資産3億円を目指している」

(引用元:NIKKEI STYLE|5000万円得をする お金がたまる家の節約術

この男性は、共働きで1500万円という世帯年収があるにもかかわらず、手ごろな賃貸マンションに住み、日々節約を心がける一方、旅行には年100万円使うそうです。このメリハリは、生活していくうえで大きな活力になるはず。行動経済学が専門の岩澤誠一郎教授は、こう述べます。

「投資にしか興味のない人の幸福度が低いのは、短期でおカネを殖やすことにのめりこみがちなため。一方、家計管理のみだと資産形成が進まず将来不安を抱える。投資も家計管理も行う人は、稼ぐ力がある上に、目標が明確だから幸せ度が高くなる」

(引用元:NIKKEI STYLE|5000万円得をする お金がたまる家の節約術

資産3億円を目指している30代の男性は、資産計画や旅行がモチベーションを高めているのですね。有意義な人生、資産目標、旅行と、いろいろありますが、いずれにせよ地道に節約しながら貯蓄して、投資などで上手に資産運用することが富と幸せを運ぶわけです。

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脳のストレスを解消して幸福感をもたらしてくれる脳内物質オキシトシンは、ボランティアによっても分泌されるそうです。脳生理学者の有田秀穂氏によれば、相手からの“ありがとう”を期待しないボランティアが、オキシトシンを分泌させるポイントなのだとか。本多静六氏は多額の寄付を匿名で行ったそう。さぞかし大きな幸福感が同氏を包み込んだことでしょう。

(参考)
講談社|現代ビジネス|26歳で6000億円超の資産を持ちながら、映画になった男の私生活は驚くほど地味新居を発見撮! M・ザッカーバーグ「プア伝説」
withnews|富豪バフェット氏の超質素な生活 資産9兆円、自宅は60年前のまま
ZUU online|お金持ちでも時計は10ドル、朝食は3ドル? ゲイツ、バフェット両氏ら「お金持ちの節約生活」
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塚崎公義著(2015),『なんだ、そうなのか! 経済入門 』,日本経済新聞出版社.
夏池優一著(2012), 『逆境に打ち勝った社長100の言葉 』,彩図社.
有田秀穂著(2016), 『「老脳」と心の癒し方』,かんき出版.