平日に仕事が片付かなくて、休日まで出勤しなければならないことがある。残業続きで、最近、睡眠時間が減ってきている……。このように、仕事で忙しい毎日が続いているという方は多いと思います。

長時間働けば、確かに仕事はある程度進むでしょう。しかし、仕事のし過ぎが原因でモチベーションや集中力が続かなくなったら、逆に仕事が溜まってしまうこともあります。そのうえ、体調を崩したり、仕事以外の時間をまったく取れなくなったりしてしまうかもしれません。やみくもに仕事ばかりやっていても、このような悪循環に陥ってしまうのです。

ですから、仕事がなかなか終わらなくて困っているのなら、仕事の効率を上げ、労働時間をひたすら長く確保するという仕事のスタイルからは脱却する必要があります。そのためにすべきことは、いきなり仕事に取り掛かることではなく、落ち着いて、仕事の準備に少しだけ時間を使うこと。

今回は、仕事を速く終わらせる方法について紹介します。

仕事が遅いのは仕事前の準備を怠っているから

「仕事ができないのは、自分の能力が低いからだ」自分より効率よく仕事をこなしてゆく人を見ると、そのように不安になることもあるでしょう。

もちろん、思考のキレやパソコン上でのテクニックなど、人より優れた思考力やスキルがあれば、仕事は速くなります。しかしながら、仕事の効率は能力の差だけで決まるものではありません。

『「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣』などのビジネス書を多く執筆しながら、税理士、経営コンサルタントのほか馬主としての顔も持ち多方面で活躍している山本憲明氏。彼は、仕事の速い人と遅い人の違いは、仕事を始める前の準備にあるといいます。

仕事を速く、正確に終わらせるには、仕事に取りかかる前の準備も必要です。

(引用元:名言DB|山本憲明の名言|仕事を速く終わらせるための2つの準備

いくら仕事自体を速く終わらせるように頑張っても、段取りが悪かったり、探し物ばかりしていたりすれば、当然仕事はなかなか終わりませんよね。仕事の前にいかに準備を念入りにしておくかによって、仕事が速く終わるか遅く終わるかは決まってくるのです。

では、具体的にどんな準備をすればよいのでしょうか?

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1. ツールやデスクは常に整理しておこう

山本氏は、準備の1つ目として、デスクや仕事で使う道具の整理をあげています。なぜなら、探し物はかなりの時間を浪費するから。例えば、皆さんは次のような経験をしたことはありませんか?

・昨日思いついたアイデアをどこかにメモしたことは覚えているけど、何に書いたのか思い出せない。昨日使った紙やノートを片っ端から確認したが、結局見つからず、机の上に紙が散乱することになってしまった。

・アイデアが浮かんだので、ちょっとしたメモを取ろうと思いペンとノートを用意しようとしたが、どこにあるか分からない。探しているうちにアイデアを忘れてしまった。

このように、デスクや道具がきちんと整理されていないと、必要なものひとつを取り出すためだけに多くの時間を無駄にしてしまうのです。単に時間が無駄になるだけではありません。「探し物をしているうちに、せっかく思いついたアイデアを忘れてしまった」というように、ひらめきやチャンスまで失いかねないのです。

こうしたつまらない損をしてしまうことのないよう、ペンなどの道具は定位置を決め、使ったら必ずその場所に戻すことを徹底してみてください。ペンは利き手側に置くなど、使う手ですぐにとれるように定位置を決定すると、さらに効率がよくなります。また、何かとごちゃごちゃとしてしまいがちなパソコンの中身についても同じこと。パソコン内で資料を整理する際は、内容ごとに階層立てて整理すると、目的の資料をを探しやすくなりますよ。

道具を探す時間を大幅に減らして、本来やるべき仕事に時間を費やせるようにしましょう。

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2. To Doは優先順位をつけよう

山本氏が準備の2つ目として挙げているのが、To Doの優先順位を決めること。仕事の優先順位をはっきりさせ、優先順位が高いものから一つ一つ集中して処理することが大切です。

To Do一覧には挙がっているけれど「今それをやる必要があるの?」というようなタスクに、緊急度の高いタスクよりも先に取り掛かってしまったら、当然仕事全体の効率は下がります。

たとえば、先にやらなければならない仕事があるのに、メールがたくさん届いているからといってメールチェックと返信に長時間かけてしまったら、本来優先すべき仕事が終わるのは遅くなりますよね。それだけでなく、大事な仕事を後回しにしたことによってその仕事にかけられる時間が減ってしまったり、周りに急かされて集中できなくなったりして、仕事の完成度が落ちてしまうことも考えられるのです。

To Doに優先順位をつけず複数のタスクを気に掛けながら仕事を進めること、つまりマルチタスクは、仕事の生産性に悪影響を及ぼすことが、数多くの研究から明らかになっています。

ロンドン大学精神医学学科のチームは「Eメールや電話によって気を散らされたときビジネスパーソンのIQは低下しており、徹夜明けの数値とほぼ同等である」と発表しています。また別の研究チームによると、マルチタスクによって生産性は最大40%も下がるという結果もあります。

(引用元:“未来を変える”プロジェクト|マルチタスクはNG。科学的に解明されたマルチタスクの弊害と効果的な対策

そこで、仕事に優先順位をつけることが大切になってくるのです。

優先順位の付け方の例を1つご紹介しましょう。カルビー会長兼CEOの松本晃氏は、重要度を縦軸、緊急度を横軸とした座標を用意し、仕事がどこに当てはまるかを書くと、仕事の優先順位がはっきりとし、重要かつ緊急なこと(図の1)に着手しやすくなるといいます。

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(筆者にて作成)

また、松本氏によると、重要度は高くないが緊急度は高いこと(図の2)は人に任せてもよい仕事が多いのだそう。そういった仕事は自分1人でやろうとせず他人に任せると、さらに効率よく仕事を終わらせることができますよ。

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松下幸之助氏は、仕事には些細なことも疎かにしない心がけが大切だと述べています。

仕事には知恵も大事、才能も大事。しかし、もっと大事なことは些細と思われること、平凡と思われることも疎かにしない心がけである。

(引用元:名言DB|松下幸之助の名言|仕事で大切なこと

仕事の効率を上げたいときこそ、デスクの片付けやTo Doの書き出しなど、ちょっとした非効率を受け入れてみてはいかがでしょうか。

(参考)
MAG2NEWS|いつも仕事が遅すぎる人には「6つの共通点」がある
キャリアパーク!ビジネス|非効率な仕事をする社会人の典型的な特徴
“未来を変える”プロジェクト|マルチタスクはNG。科学的に解明されたマルチタスクの弊害と効果的な対策
名言DB|山本憲明の名言|仕事を速く終わらせるための2つの準備
名言DB|松下幸之助の名言|仕事で大切なこと
M-HAND|税理士、馬主、さらにはベストセラーの執筆まで?!多方面で活躍する山本憲明税理士にインタビュー
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「“生産性10倍”の時間術」, 日経ビジネスアソシエ, 2016年2月号, pp.28-31.