「朝の時間は、なかなか調子が出ない」というビジネスパーソンは決して少なくありません。しかし調子が出ないからといって、就業時間を守らないわけにもいきませんよね。でも仕事が捗らなければ、朝早く出勤しても貴重な時間を無駄にするだけ。

そこで今回は、調子が出ないときに「やるべきこと・できること」をご紹介します。

「朝」に調子が出ないワケ

特に病気でもないのに、朝なかなか調子が出ないのはどうしてでしょう。

もしも前日に「遅くまで働いていた」「飲み会があり、たくさんお酒を飲んでしまった」というのであれば、単純に直前の過ごし方が原因だと考えられますが、そういったことが思い当たらなくても調子が出ない場合があります。

医師であり政治家でもある鴨下一郎氏は著書『「朝に弱い」が治る本』のなかで、睡眠・覚醒・排泄・ホルモン・血圧・体温などは、いずれも人間の体のリズムのひとつだと伝えています。いわゆるサーカディアンリズム(体内時計)のひとコマであるということ。そのどれかひとつでも変調をきたすと、さまざまな影響が出でしまうのだとか。例えば、低血圧や便秘、頭が重い、体がだるいというようなものです。

これとつながるのが、国立精神・神経医療研究センター部長の三島和夫氏が伝えている内容です。日が長くなる夏場に早く出勤し、早く退勤するサマータイムを導入している欧米各国の研究者の調査で、時刻の切り替え時期に心身の不調を訴える人が増加するとわかったのだそう。これについて同氏は「早起きが悪いのではなく、勤務時間をコロコロ入れ替えるのがよくない」としています。つまりサーカディアンリズムが乱れてしまうということ。

しかし、始業直後に調子が出ないという人がみな、勤務時間をコロコロ入れ替えているわけではないでしょう。それに、乱れたサーカディアンリズムは、“朝の光で体内時計をリセットする”という「光位相反応」で修復できるはず。

すると三島和夫氏は、光位相反応は基本的に1日しか持続しないので、土日も含めて毎日継続しなければならないといいます。平日のみ規則正しい生活をしても、週末の寝だめでサーカディアンリズムは乱れてしまうのです。それに、人の7割以上は体内時計周期が24時間よりも長いので、自然と夜型にずれ込むようになっているのだとか。

また、朝から勤務の会社もあれば、そうでない会社もあります。夜型の人もいれば朝型の人もいます。何らかの影響でサーカディアンリズムが乱れている人もいるでしょう。したがって、始業直後に調子が出ないといった現象は、往々にして起こりうるのです。

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調子が出ないときのタスク

始業直後は体内リズムのせいで、なかなかエンジンがかからない場合があるとわかりました。ならば、無理に捗らないことを続けて時間を無駄にせず、以下のようなタスクにするのがオススメです。

1.まずは小さなタスクから
モントリオールを拠点にデザイナーとして活躍したÉtienne Garbugli氏が、共有サイトにまとめた『20歳のときに知っておきたかった26のタイムマネジメント・ハック』では、朝から大きな(重要な)タスクだと負担が大きいので、まずはメールに返信するなど簡単で小さなタスクから取りかかり、波に乗ったら徐々に頭を仕事モードにしていこうと提案しています。

また、集中できる朝はもっとも重要な仕事を行うというウォンツアンドバリュー株式会社の代表取締役・永井孝尚氏も、最初の30分は1日の下地づくり(メールェックやToDoの管理、報告や連絡、情報整理など)に使うといいます。タスク管理について熟考したプロフェッショナルが、まずは小さなタスクで調子を整えるという方法を実践しているのです。

2.調子に見合ったタスクに
睡眠や食事に関する研究を行う櫻井武氏によると、人間の生体リズムは午後2時から3時ごろ、目を覚まさせる覚醒系の働きが一時的に弱まるとのこと。そのように集中しにくい時間帯は、ルーチンワークや、人との会話で脳を活性化できる打ち合わせなどが適しています。

しかし、もしも始業直後に調子が上がらなければ、午後の時間帯に限らずこのタスクを活用するのもひとつの手段です。固定観念にとらわれず、調子に見合ったタスクで1日を効率よく使いましょう。

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始業前にできること

なんだか今日は調子が出ないと察したら、出勤前に「予防」してみましょう。

1.適量のカフェインを摂る
コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは交感神経を刺激して血液のめぐりを良くしてくれるので、サーカディアンリズムの乱れで低血圧になり、調子が下がっているときはオススメです。またカフェインには、脳の活動を抑え眠気を催すアデノシンを抑制する作用があり、集中力を高め記憶力を上昇させる効用があります。過度な摂りすぎに注意すれば大いに有用なのです。

2.あらかじめウォーミングアップ
経営コンサルタントの小宮一慶氏は、朝時間をできるだけ有効に使うため、準備やウォーミングアップはあらかじめ済ませておくことをすすめています。例えば「通勤電車のなかで、ToDoリストをつくっておく」「今日やるべきことを頭のなかで反復し確認する」といったようなことです。

先述したように、始業直後に小さなタスクでウォーミングアップしながら調子を整えていくこともひとつの方法ですが、通勤電車のなかでもできるウォーミングアップを、あらかじめ行っておくのも有効ですよ。

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調子が出ない“始業直後”にやるべきこと、調子が出なさそうな“始業前”にできることをお伝えしました。ぜひお試しくださいね。

(参考)
NIKKEI STYLE|ひょっとして最悪…「朝型勤務」がダメな理由
鴨下一郎著(2013),『[図解]「朝に弱い」が治る本』,PHP研究所.
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