「仕組み化」という言葉を聞いたことがありますか?

仕組み化とは、会社などで行われている業務の型ややり方を決めてしまい、誰が担当になってもその業務がうまく回るようにすること。そのため、仕組み化といえば組織レベルのことを指すことが多いのですが、実はこの仕組み化を個人レベルで考えると、仕事の生産性を格段に向上させることができるのです。

仕事がスケジュール通りに進まない、なぜかだらだらと仕事をしてしまう、本来時間をかけたい仕事がつい後回しになってしまう。そんな問題を抱えている人は、自分の仕事の仕組み化について考えたほうが良いかもしれません。

今回は、仕組み化によって仕事の生産性をアップさせる方法をお伝えします。

仕組み化とは?

そもそも仕組み化とはどのようなことなのか、まずは組織における仕組み化について確認しておきましょう。

組織での仕組み化の定義について、経営者・起業家向けセミナーを手掛けるビジネスバンクグループの執行役員であり、経営者向け講座を行っている黄塚森氏は、次のように解説しています。

「仕組み化」とは、「属人的にならずに仕事を進める方法を構築すること」です。別の表現をすれば「いつ、どこで、誰がやっても同じ成果を出せる方法にすること」とも言えます。(中略)「ある特定の人物でないと実行できない」という要素をでき得る限り排除し、会社を永続させていくことが「仕組み化」の最終ゴールとなります。

(引用元:リクナビNEXTジャーナル|部下が疲へいするのは●●が原因だった!?属人的なタスクを減らす「仕組み化」のポイント

会社などの組織において、優秀な人、いわゆる「デキる人」はもちろん必要ですが、「デキる人や特定の人にしかできない仕事」はなるべく減らしていかなければなりません。というのも、ある個人に頼る限り、「その人がいなくなると仕事が立ち行かなくなる」というリスクを背負ってしまうためです。

ある一人の個人だけしか知らない業務がある限り、その仕事は不安定であると言わざるを得ません。そこで、仕事におけるリスクを減らし安定性を高めるのが、仕組み化なのです。

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仕組み化のメリットとは?

業務が仕組み化されている例として、アルバイト向けの業務マニュアルがあります。アルバイトマニュアルは、ノウハウがほとんど無い人でも仕事ができるように、手順や注意点などが分かりやすく書かれているもの。誰でも役割分担して仕事を進められ、仕事の品質を確保できるようになっています。

このようにして仕事が誰にでもできるように仕組み化されると、様々なメリットがあります。

例えば、新人が仕事を覚えやすくなるので、すぐに即戦力として活躍できるようになります。また、特定の人が欠けても他のメンバーで補うことができるため、チーム全体でパフォーマンスを常に一定に保つことができるのもメリット。さらには、高度にマニュアル化された仕事には経験の浅い人をあて、より付加価値の高い仕事には経験豊富な人材を回すことができるようになり、組織としての生産性や柔軟性を高めることにも繋がるのです。

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個人における仕組み化とは

ここまで、組織における仕組み化について見てきましたが、個人においても仕組み化を実施することで、仕事の効率を高めることができます。

個人における仕組み化とは、自分のやるべき仕事を明確にして、ひとつひとつのタスクのパフォーマンスを引き上げるために行うもの。一日のうち限られた時間をどのように使うかを考え、仕事の優先順位を決めて、タスク管理を徹底していくのです。

組織における仕組み化は、「いつ、どこで、誰がやっても同じ成果を出せる方法にすること」でしたが、個人における仕組み化では、「誰が」の部分は自分一人ですので、「いつでもどこでも、安定的に同じ(またはより高い)成果を出すこと」となります。

個人が仕組み化を実施すると、自分の本当にやるべきことを見逃さなくなり、時間の浪費を防ぐことができます。また、重要度も緊急度も違ういろいろなことに手を出してしまい、どれも中途半端になるようなこともありませんし、どのようなタイミングで何をすればいいのかがはっきりするので、集中力が欠けたり、目的があいまいになったり、頑張りすぎてしまったりすることもなくなるでしょう。

個人の仕事を仕組み化する方法

では、個人における仕組み化の具体的な方法を見てみましょう。

・ 自分の日々の仕事を棚卸する

まずは、自分が日々行っている仕事の中で、固定化できそうな仕事とそうでない仕事とを分類しましょう。1日単位、1週間単位、1カ月単位などといくつかのスパンで考えてみてください。

固定化できそうな仕事とは、スケジュールや優先順位を固定してしまったほうがうまくいく仕事。固定化が適さない仕事とは、頭を使うクリエイティブな仕事や、相手があり自分の都合だけではタイミングを決められない仕事のことです。

このうち、固定化できそうな仕事の中には、いつも決まったタイミングでしなければならないルーティーン業務や、ただデータを入れるだけ、ただ書類を分けるだけ、といった事務作業などが含まれます。このような仕事は、次の項目を参照してスケジュールをブロックしてしまってください。これらの業務に費やす時間を固定化し、そして最小限化することで、付加価値を生み出すクリエイティブな仕事に時間を大きく割けるようにするのです。

このようにして、ひとつひとつの仕事を確実にこなし、かつ、パフォーマンスを高めること。これが、個人の仕事の仕組み化における大きなポイントになります。

・ ルーティーン業務にあてる時間を固定化する

毎日のデータ入力や定例会議の議事録作成といったルーティーン業務は、やるべきタイミングも、処理すべき内容も、ある程度決まっています。このような定型業務は、決まった曜日の決まった時間にスケジュールをブロックしてしまい、さっと終わらせるようにしましょう。

例えば、毎日朝の9:30~10:00はデータ入力にあてる、週次会議の後の30分は議事録作成用の時間にする、といったようにスケジュールを決めます。それをパソコンやスマートフォンなどのカレンダーに入力したら、「繰り返し」機能で、毎日(または毎週)の同じ時間に自動設定してください。仕事の種類によっては、「リマインド」機能を活用するのもよいでしょう。

・ スケジュールの中には「緊急対応用」の時間も確保する

いくらスケジュールを決めて仕事をしていても、突如用件が発生することもあると思います。そのような突発事項に対応するための時間帯も、あらかじめスケジュールに組み込んでおきましょう。

「このタイミングで確実にこなさなければならない仕事がある、しかし別の用件も入ってしまった」というような時に、別の用件にすぐさま着手してしまうと、どちらの仕事にも集中できない可能性があります。どちらも完成させられない可能性があるだけでなく、気持ちの面でも落ち着いて仕事ができないもの。そこで、突発の用件とはいえ多少の(その日のうちに行えばよいという程度の)猶予があるのであれば、その用件は「緊急対応用」の時間に行いましょう。(もちろん、その場で対応しなければいけないものについてはこの限りではありません)

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自分の仕事を仕組み化することは、自分の仕事全体を見直し、適切に優先順位づけすることでもあります。それがすなわち、パフォーマンスの向上につながり、ビジネスパーソンとしての質を高めることにもなるのです。自分の仕事に仕組み化をうまく取り入れ、生産性をアップさせてくださいね。

(参考)
リクナビNEXTジャーナル|部下が疲へいするのは●●が原因だった!?属人的なタスクを減らす「仕組み化」のポイント
東洋経済Online|集中力の続かない人は「仕組み化」ができない
日経WOMAN Online|タスク管理を「仕組み化」する簡単な方法
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