仕事をする中で、相手を説得したいと感じる場面はたくさんあると思います。

企画会議でどうしても自分の意見を通したいときや、誰かに自分の仕事への協力を頼みたいとき。このように主張やお願いを受け入れてもらう必要があるとき、あなたはどうしていますか。

実は、説得にはいくつかのテクニックがあり、それらをうまく使えば戦略的に効果的な説得をすることができるのです。今回は、ビジネスシーンで活用できる代表的な説得テクニックを3つ紹介します。

フット・イン・ザ・ドア・テクニック

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、人が「一貫したふるまいをしようとする」心理を利用したテクニック。段階的要請法とも呼ばれています。

このテクニックは、最初に簡単なお願いを聞き入れてもらった後で本当の要求をすることで、相手にイエスと言わせる確率を上げることを狙っています。相手は、すでに一度お願いを受け入れてしまっているので、その後も「お願いを聞く自分」としての一貫性を保とうとし、より大きな依頼をも受け入れてしまうというわけです。

例えば、あなたが休暇を取るために明日の会議に出られず、代わりに同僚に会議に出席してもらいたいとしましょう。そんな時はまず「これ、明日の会議に使う資料なんだけど、今手が回らないので印刷しておいてくれない?」と簡単なことを頼みます。そのあとで、「その明日の会議、実はどうしても出られないので代わりにでてくれない?」とお願いしてみてください。きっとスムーズにOKしてもらえますよ。

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ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、人が「何かをしてもらったことに対して恩返しをしたくなる」心理(返報性)を利用したテクニックです。譲歩的要請法とも呼ばれます。上に紹介したテクニックと、名前がよく似ていますね。

これは、依頼や交渉の際に、最初に難度の高い要求を出して相手にいったん拒否させた後に、要求の段階を引き下げていくという手法です。要求の段階を下げることで「譲歩してもらった」と相手に感じさせ、それに対してお返しをしたくなる心理を引き出すことを狙っています。結果、段階を下げた要求(これが本来の要求)が通りやすくなるのです。

例えば、後輩に30分間の残業を頼みたいとしましょう。そんな時は、「○○さん、今日2時間くらい残業してもらえませんか」と切り出してみるのです。後輩が「2時間はちょっと……」と言ったら、「30分でもいいから、お願いできないかな」と頼んでみましょう。きっと後輩は、2時間の残業を一度断ったことによって、30分の残業を断りにくくなります。結果、あなたの本来の要求が通るのです。

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ダブル・バインド

ダブル・バインドとは、相手に2つの選択肢を提示してどちらかを選ばせることによって、「Noと言えない状況を作る」というテクニックです。

分かりやすく日常の例で言うと、気になる相手をデートに誘うときに、「美味しいフレンチのお店かイタリアンのお店、どっちがいい?」というように聞けば、どちらの選択肢であれデートが実現する可能性が高まりますよね。このように「Yes・No」で答えることのできない質問をすることで、相手に断りにくくさせるという方法です。

ビジネスでの活用例としては、以下のようなものが考えられます。

例えばあなたが、来週の企画会議で、あなたの考えた新商品案を検討してもらいたいと考えているとしましょう。そんなときは、上司に「私が新商品の案として考えた商品Aと商品Bですが、○○さんならどちらを使いたいと思いますか?」と聞いてみてください。

すると上司は「そうだなあ、私だったら商品Aが使いたいな」などと答えてくれるでしょう。そうしたらすかさず、「では、ぜひ商品Aを企画会議にて取り上げていただけませんか?」と言うのです。「AもBもどちらもダメ」とは言いにくい状況を作ることで、どちらか一方の案だけでも取り上げてもらえる可能性が高まるというわけですね。

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ここで紹介したテクニックは、どれも非常に実践しやすいものだと思います。ぜひ今日からでも試してみてください。

(参考)
株式会社日立ソリューションズ|CHAPTER 4 「相手を説得するための心理テクニック -理論編-」
コトバンク|フット・イン・ザ・ドア・テクニック
ロバート・B・チャルディーニ著,社会行動研究会訳(2014),『影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか』,誠信書房.
コトバンク|ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
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