皆さんはいざ仕事や勉強に取り組もうとする時、すぐにスイッチを入れられていますか?

もちろん、どんな誘惑にも負けずに瞬間的にスイッチを入れられる人もいるでしょう。しかし一方で「ちょっとTwitterを見てから……」と、気づいたら1時間が過ぎていたなんて人もかなりいるのではないでしょうか。

今回はそんな「先延ばししてしまう癖」を克服する、瞬間集中法という方法と、その身につけ方をご紹介したいと思います。

なぜ集中できないのか

瞬間集中法を説明する前に、私たち人間が誘惑に負けやすい理由について見ていきましょう。

人間の脳の行動を司る回路には「辺縁系」と「前頭前野」があります。「辺縁系」は衝動的な行動を、一方の「前頭前野」は計画的で長期的な行動を司る部分です。人間の進化の歴史から見てみると、脳にはもともと辺縁系(動物的)が存在していて、前頭前野(理性的)は後から生じたと言われています。

この前頭前野が生じたころ、すなわち人間がまだ狩りをしていたころは、前頭前野が的確な役割を果たし、誘惑に向かおうとする辺縁系を抑えることができていました。しかし、誘惑の多い現代では辺縁系の動きを前頭前野が抑えることができず、その結果、多くの人が誘惑に負けてしまっているのです。

以上の内容からすると、人間が誘惑に負けてしまうのは脳科学的な観点から見ればある意味必然なのかもしれません。しかし、脳の特性を正しく理解して操ることができれば、誘惑に負けずにいることも可能です。そして、その脳の特性を上手く使った方法こそ、「瞬間集中法」なのです。

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瞬間集中法とは

脳科学者である茂木健一郎氏は瞬間集中法について以下のように述べています。

さあやろう、と思って座ったら、間髪を入れずに始めていきなりトップスピードに入る。そのようなことを繰り返していれば、自然に集中回路の機能が高まる。

(引用元:Twitter|茂木健一郎

いきなり集中しようとしても、最初はだらだらとしか集中度が上がらないかもしれない。それでも自己嫌悪に陥らずにがまんして「瞬間集中法」を続けていると、やがて集中できるようになる。実践した回数にともなって深くなる。

(引用元:Twitter|茂木健一郎

そして先ほども述べたとおり、この瞬間集中法では脳の2つの特性が上手く活かされています。そのうちの1つは、「習慣化」の特性です。人間の脳はあるものごとを一定数繰り返すと、その手順を記憶してパターン化してしまいます。「初めはあれだけ迷った道が、二度三度と通るうちに今となっては無意識でもたどり着けてしまう」というのは誰でも経験したことがあるのではないでしょうか。この特性を利用し、「勉強すると決めたらすぐに集中する」という一連の行為を習慣化してしまうのです。

もう1つは、「強化」という特性です。ドーパミンという物質の名前は皆さんごぞんじかと思います。これは、やる気や快感を得た時に放出される報酬系の脳内物質です。脳はある行動を行っている時にドーパミンが多く放出されると、その行動を「快楽」だと認識し、何度も繰り返すようになるのです。

また、脳はフロー状態になっている時に多くのドーパミンを放出します。よって、勉強や課題を行うたびにフロー状態になり、我を忘れるほど集中することができれば、その度に勉強という行動は「快楽を与えてくれるもの」に変わっていくのです。否が応でも勉強をしてしまう、したくなってしまうようになるのが、瞬間集中法のすごいところです。「意志の力が弱くてやるべきことに取り組めない」という人は、ぜひ参考にしてみてください。

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瞬間集中法はスマートフォンで身に付けろ!

「瞬間集中法については分かったけど、身に付くまでが大変そう……。」
こんな風に思った方は少なくないでしょう。しかし、意外にも瞬間集中法の体得はとても簡単にできてしまいます。その方法はというと、ずばり「スキマ時間にスマートフォンを使う」というものです。

例えば以下のようなスキマ時間を有効活用することができます。

・ 電車に乗っている時間
・ 電車を待っている時間
・ 友人を待っている時間
・ エレベーターを待っている時間
・ エスカレーターを利用している時間
・ 信号を待っている時間
・ 昼食を注文して待っている時間

またスキマ時間にスマートフォンでできることを考えてみましょう。

・ アプリを使った英語学習
・ 仕事の進捗状況を確認する
・ 仕事で必要な情報を収集する
・ 新聞(電子版)を読む
・ 最近話題の言葉を調べる
・ Study Hackerの記事を読む

「スキマ時間」にスマートフォンを開き、何かを勉強する。このとき大事なことは、「集中するぞ!」と決めたら、すぐに内容に入り込む努力をすることです。そして、スキマ時間があるたびに、何度も集中することを繰り返してください。そうすることで、「決めたらすぐやる」「すぐフロー状態に入る」という練習をしていることになり、結果的に瞬間集中法を体得できるのです。

スマートフォンで検索した内容を読むことは、机に課題や勉強道具を広げて取り組むことよりも遥かにハードルが低いものだと思います。スキマ時間でダラダラとTwitterやFacebookを開いてしまっている人は、その時間を少し工夫するだけで素晴らしいスキルが身に付くかもしれませんよ。

***
「いつも気づいたら誘惑に負けていて、自己嫌悪に陥ってしまう……。」
瞬間集中法は、そんな悩みを解消してくれる魅力的な方法です。このような悩みを抱えていて、かつスマートフォンを持ち合わせている方には、ぜひともこの記事を参考にしていただければと思います。

(参考)
PRESIDENT Online|「凡人が目指すべきは、専門バカより雑学王」
日経BPネット|「行動できない」「先延ばしする」悩み、科学的アプローチで乗り越えられるか?
茂木健一郎著(2010),『脳を活かす勉強法』,PHP研究所.
SBクリエイティブOnline|勉強に無駄な時間をかけるな! ──ホリエモン流「有限」な時間の使い方