みなさんは普段仕事をしているとき、相手の顔色を必要以上に伺いすぎている、ということはありませんか。相手の言葉や立場を気にしすぎて「優しい人」になってしまうと、自分のペースで仕事を進めることが難しくなってしまいますよね。

そこで今回は、仕事の場面ではあえて「非情」になるべき理由とその方法についてお伝えしたいと思います。

日本人は「優しすぎる」?

日本人の性格として、しばしば「優しい」ということが挙げられます。みなさんもおそらくそれを一度は聞いたことがあるでしょう。確かに、日本人が現在にいたるまで協調性を重んじる文化を形成してきたことは否めません。しかし、仕事をする際にはその「優しい」という性格がかえって邪魔になってしまうことがあるのです。

例えば、部下に嫌われたくないがために、相手の意見を常に受け入れていたとしたらどうでしょうか。もしくは、上司の機嫌を損ねることを恐れていつも頼みを断ることができないとしたらどうなってしまいますか? きっと自分の仕事の進捗に問題が出てきてしまうでしょう。

また、それらの状況を我慢していると次第に職場でのコミュニーションが億劫になってしまうかもしれません。周囲からすれば「優しい人」と見られて重宝されるかもしれませんが、その一方で「優しすぎる」ことも問題なのです。

shinobu-ec
10年以上のブランクから56日でTOEIC920点! パーソナルトレーナーと走り抜けた英語学習の "最短距離"
人気記事

時には「非情」になるのも大切

仕事の場では、「非情」であることが求められます。とは言っても、ここで用いる「非情」という言葉は、意地悪だとか冷酷であるといった意味を含むものではありません。あくまで「感情に流されない」という程度のものを表しています。

京セラ株式会社の創業者である稲盛和夫氏の言葉に、「小善は大悪に似たり」というものがあります。こちらは上司についてのみ説明されていますが、部下の立場であってもきっと同じことが言えるでしょう。

「上司と部下の関係でも、信念もなく部下に迎合する上司は、一見愛情深いように見えますが、結果として部下をダメにしていきます。これを小善といいます。表面的な愛情は相手を不幸にします。
逆に信念をもって厳しく指導する上司は、けむたいかもしれませんが、長い目で見れば部下を大きく成長させることになります。これが大善です。」

(引用元:稲盛和夫OFFICIAL SITE|小善は大悪に似たり

自分の上司や部下となんとか良い職場関係を築こうとして、相手に合わせた行動ばかり取っていては、自分の仕事の効率が悪くなるのももっともですよね。だからこそ、「非情さ」を身に付けるのは必要なことなのです。

sigoto-hijyo02

「非情になる」を実践するコツ

では、私たちはどうすれば仕事において「非情」になることができるのでしょうか。具体的な方法をご紹介したいと思います。

1. 「一人反省会」をする

相手に振り回されすぎず自分の仕事を進めるには、以前にも一度お伝えしたことのある「一人反省会」がオススメです。
(参考:Study Hacker|「正しい“反省”が成長を加速させる! 『KPT法』という反省の技術」

元テルモハートCEOである故・野尻知里氏によれば、一人反省会を行うことによって「ビジネス仕様」の頭に切り替えることができるのだそう。野尻氏は、自分が感情的な言動をしてしまわないよう、一人になって冷静に自分の行動を振り返ると良い、と述べています。しかし逆に、自分が必要以上に感情を抑え、相手の顔色を伺っていないかどうかを確認するためにもこの方法は有効なのです。

例えば、上司から新たな仕事を頼まれてしまい、断りきれずに引き受けてしまった。その結果、もともと抱えていた仕事の締め切りに間に合わなくなるという失敗をしたとしましょう。そんなときは、「どのように頼まれた仕事を片付ければよかったのか」、もしくは「断った方がよかったのではないか」など、失敗にいたった経緯を一人反省会で考えてみてください。もし断ったほうがよかったと判断したのであれば、次回同じような状況になったときの断り方を準備しておきましょう。

2. 相手に「重要感」を持たせる

それでも、何か物事を頼まれたときに断る勇気がない、という方もいらっしゃるかと思います。そのような場合には、「自分は重要な存在である」「大切に扱われている」と相手に重要感を持たせることで、相手の仕事をこちらが必要以上に請け負わなくて済みますよ。

例えば、自分が他の仕事で忙しい時に、部下のAさんから「会議で用いる資料の作成を手伝ってもらえませんか」とお願いされたとしましょう。できれば手伝うのを避けたいけれど、「手伝えない」とすげなく断るのも……と感じる場合、どうすれば良いでしょうか。

まずは、答える前に一呼吸おきましょう。そうすることで、相手の依頼をきちんと検討しているという印象を与えることができます。そして、「会議の資料か、Aさん頑張っているね」と伝えると良いでしょう。ここでのポイントは「相手の名前を呼ぶこと」「相手を褒めること」です。アメリカの経営コンサルタントであるレス・ギブリン氏によれば、これらは相手の重要感を高めるのに良い方法であるのだそう。そして最後に、「でも今ちょっと忙しいから、手伝えないんだ」と断れば、職場関係を悪化させることなく、また自分の仕事の効率も下げずに済むため、一石二鳥です。

***
みなさんも、ぜひお伝えした方法を試してみてください。きっと、適度な「非情さ」を持って仕事をこなし、有能なビジネスパーソンになることができますよ。

(参考)
野尻知里著(2015),『心臓外科医がキャリアを捨ててCEOになった理由』,東洋経済新報社.
PRESIDENT Online|優しすぎる上司がもたらす恐るべきリスク
稲盛和夫OFFICIAL SITE|小善は大悪に似たり
ダイヤモンド社 書籍オンライン|「重要感」を持たせると、人は喜んで動いてくれる
東洋経済ONLINE|心が強い人が持つ「他人に反応しない」技術
Study Hacker|「正しい“反省”が成長を加速させる! 『KPT法』という反省の技術」