どれほど頑張っても、成績が上がらない。
色々と手を尽くしているつもりでも、取引相手を納得させられず、成約を逃し続けてしまう。

たとえこれ以上ないほど努力しても、高いと思えるような壁にぶち当たってしまう。勉強でも仕事でも、そんな壁に阻まれてしまうことがありますよね。もう無理だと諦めたくなってしまいたくなるかもしれません。

困難に行き当たり、自分には乗り越えられないと絶望しかけた時、どうすればその不安を取り払い、最初の意志を貫くことができるのでしょうか。今回は、この問題を解決する2つのマインドセットについてお伝えしたいと思います。

才能がないからといって悲観する必要はない

自分が上手くいっていない時、能力がある人を見て「自分には才能がないからダメなんだ」と思うこともあるかもしれません。

しかし、みなさんの周りには、たとえもともとの能力が低かったとしても素晴らしい結果を出している人もたくさんいるのではないでしょうか。実際には、必ずしも「能力=結果」ではない、ということです。

京セラの創業者である稲盛和夫氏は、「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」であると熱弁します。「能力」は、先天的なものもあるため変えるのは難しい。しかし、「熱意」と前向きな「考え方」があれば、「能力」を超えるような結果に結びつくこともあると言うのです。

例えば、人に商品を勧める営業の仕事について考えてみましょう。考え方、熱意、能力それぞれの最低点を0点、最高点を100点として考えます。

Aさんは話がとても上手で説得力もあるのですが、あまりやる気がなく仕事の手を抜く癖があります。この場合、話す能力は100点ですが、熱意がなく、仕事に対する考え方も後ろ向きで、それぞれ50点。Aさんの仕事の結果は、50×50×100で25万点となります。

それに対して、Bさんは話し下手ではありますが、顧客が本当に必要としているものを勧めたいという強い気持ちがあり、常に一生懸命に仕事に取り組んでいます。この場合、話す能力は50点ですが、熱意があり、仕事に対する考え方もポジティブなので、それぞれ100点。すると結果は100×100×50で50万点。なんとBさんが出し得る結果は、Aさんの2倍にもなるのです。

もしみなさんの中に、営業のお仕事をされている方がいらっしゃるなら、いくら頑張っても契約が取れない、商品が売れないといったスランプに陥った時は、Bさんのように自身の能力以外の分野に目を向けてみてください。

勧めたい商品について一生懸命に、詳しく説明する姿勢があれば、そうでない時に比べ、商品の良さを顧客に感じてもらうことができるでしょう。また、考え方が前向きであれば、そうでない時に比べて、問題解決(つまり、成約を得ること)に向けて多くの行動を起こすようになるでしょう。たとえ話す能力が低くても、悲観することはありません。総合的に良い結果を出せる可能性は、熱意と考え方によって高まるのです。

slump-kokufuku02

sakamaki-ec
90日でTOEIC525点が810点に! 超多忙でも英語力が劇的に変わった、英語の "パーソナルトレーニング"
人気記事

長期的目標を見据えることと、目の前の努力とのバランス

もう一つ、困難を乗り越えるカギとなるマインドセットを紹介しましょう。それは「VW」という考え方。これは、V=Vision(長期的目標)、W=Work Hard(ハードワーク)の両方の視点を、バランスよく持つべきというものです。ノーベル医学・生理学賞を受賞した医学者の山中伸弥氏によると、当時彼の留学先であったグラッドストーン研究所の所長から贈られた言葉なのだとか。

目標を立てて頑張っているつもりでも、つい目の前の出来不出来にとらわれてしまい、長期的な目標を捉え続けることができなくなっている。これが、Vの視点が欠けている状態です。また、努力することなくただ惰性で、目の前の物事だけを順次こなしている。これではWの視点が欠けています。

このように、V・Wのうちどちらかが欠けていると、なかなか結果に結び付かずに、ずっと悩み続けることになってしまうのです。

例えば、受験勉強で考えてみるとしましょう。定期的に行われる模試は、自分の学力が今どれほどあるのかを測るにはうってつけです。しかし、その模試の結果に一喜一憂していては、本番の試験に備えるための勉強に集中することができません。目の前の模試を乗り越えることだけを目標にしていると、入試という長期的な目標を見失ってしまっています。

また、長期的な目標は見据えているつもりでも、その目標に向けた具体的な努力がなければ、良い結果が出ないことは当たり前ですよね。勉強の成果を高めるには、時間の使い方や集中の仕方などの工夫もするべきでしょう。また、この科目は得意だけどあの科目は向いていない、などと自分の現状をシビアに見極める努力もしなくてはなりません。

***
仕事にも勉強にも使える、スランプを乗り越えるためのマインドセットを紹介しました。
みなさんもスランプに負けることなく初志貫徹できるよう、このコラムでお伝えしたことについて考えてみてください。

(参考)
稲盛和夫著,山中伸弥著(2014),『賢く生きるより、辛抱強いバカになれ』,朝日新聞出版.
裴英洙著(2012),『10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術』,ダイヤモンド社.
logmi|「日本人は一生懸命働く。ただ、そこにビジョンがない」 ノーベル賞・山中伸弥教授が指摘