ニーチェもマイケル・ジョーダンも語る、何かを成し遂げるために必要なこと

Sporty teen girl in hood holding basketball.

ドイツの哲学者、ニーチェはこう語りました。

いつか空の飛び方を知りたいと思っている者は、まず立ちあがり、歩き、走り、登り、踊ることを学ばなければならない。その過程を飛ばして、飛ぶことはできないのだ。 He who would learn to fly one day must first learn to stand and walk and run and climb and dance; one cannot fly into flying.

(引用元:名言+Quotes|頑張れる言葉  )

また伝説のプロバスケットボール選手マイケル・ジョーダン選手はこう語りました。

ステップ・バイ・ステップ。どんなことでも、何かを達成する場合にとるべき方法はただひとつ、一歩ずつ着実に立ち向かうことだ。これ以外に方法はない。 Step by step. I can’t see any other way of accomplishing anything.

(引用元:同上)

こんな風に、「何か成し遂げたければ、ちょっとずつ、段階を踏んで」っていう言葉、良く聞きますよね。確かに偉人たちの名言は感動的ですし、なんだかいけそうな気がしてきます。

でも、これって本当なのでしょうか。今日は、世界中の偉人たちが口を揃えて語る「段階をふむこと」の大切について、考えてみました。

badge_columns_1001711分割すると、覚えやすい。脳は「ちょっとずつ」がお好き

「チャンク化」という言葉をご存知でしょうか。 例えば電話番号。

07012345678という数字11桁をパッと見せられたのと、070-1234-5678という風に区切られたものを見せられた時。どちらの方が覚えやすいですか。当然、後者ですよね。

これが「チャンク化」です。一気に覚えようとするのではなく、まず細かく分ける。その次に少しずつ覚える。このように段階をわけることにより一気に覚えやすくなるのです。

脳が「少しずつ、段階を踏んで」というのに慣れている証拠ですね。

running in Copenhagen

badge_columns_1001711「先が見えない辛さ」の正体とは

学生時代のマラソンの授業を思い出してください。 同じ10kmを走るのでも、「10kmを走るように」と指示されてからそれを達成するのと、「とりあえず走り続けるように」と指示されて結果的に10km走るのでは、辛さが全然違いますよね。

これは、「目標」がある時には脳が非常に活発に働くからなんだそう。

東京理科大総合研究機構併任教授である篠原氏は、「目標」の有効性をこう語ります。

目標を具体的に設定すると、できたかできなかったかがすぐ分かり、評価ができます。できたときはドーパミンの分泌が増すので達成感を味わえ、やる気が持続しやすくなります。

(引用元:KONAMI|「なぜ人は続かないのか?研究所」活動報告

ドーパミンとは、脳内で分泌される快感物質。簡単に言えば、目標があってそれが達成できた時には気持ちいいってことですね。

10km走れ、と最初から言われている時には簡単です。あと半分頑張ろう、もう2キロだけ頑張ろう、と目標を立てられるから。でも40分走れ、と言われた時には大変です。一体あとどのくらい走ったらいいのか、検討がつかないからです。

何かひとつのことを成し遂げたければ、段階にわけ、それを小さな中間目標にする。そうすれば脳が活性化し、比較的簡単に達成できるんですね。

***

人間の脳はスーパーコンピューターではありません。複雑な計算があればミスしますし、疲れていればアイデアなんて湧きません。

でも、脳には人類が何万年もかけて習得してきた粘り強さと打たれ強さがあるのです。

毎日毎日練習して、ある時ふっとできるようになる。 小さい頃練習した自転車。逆上がり。ピアノ。いくらでも思い出せるはず。

これを脳科学では「レミニセンス」と呼ぶそうですが、そういう時には必ず、血のにじむようなコツコツとした努力が伴っているもの。

世界の偉人たちの言う通り、ちょっとずつやってみるしかなさそうですね。

 

参考:

名言+Quotes|頑張れる言葉 KONAMI|「なぜ人は続かないのか?研究所」活動報告

 


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。

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