ストレスがあるのは当たり前。ストレスは、「なくし方」より「つきあい方」を考えるべし

職場の人間関係やプレッシャーのかかる仕事など、ストレスの要因はいたるところに潜んでおり、ストレスが全くないという人はいないでしょう。

過剰なストレスを感じると仕事に対するモチベーションも低下してしまうため、ストレスに対する耐性をつけて、より積極的に仕事ができるようになりたいと考えている人も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな誰もが抱えているであろうストレスとの上手い付き合い方を紹介します。

そもそもストレスとは?

ストレスとは、不快な刺激によって生じる心身に負荷がかかった状態のことを言います。これは、1930年代にカナダのハンス・セリエという科学者によって発見されました。

2012年の厚生労働省の調査によると、労働者の6割が仕事でストレスを感じていると答えています。ストレスを受けると、体の中ではどのような反応が起きるのでしょうか?

ストレスが生じると、脳の視床下部が反応し下垂体と副腎からホルモンが普段より多く分泌されます。心臓がドキドキしたり血圧が上昇・食欲が無くなるといった自律神経の乱れなどを引き起こします。

(引用元:いしゃまち|ストレスが原因となる病気って?ストレスの種類と引き起こされる症状

人間関係や環境の変化などの外部刺激によってイライラしたり、頭痛や腹痛、睡眠障害などのさまざまな症状が見られます。明日大事なプレゼンがあると思うと気が重くて寝付けず、発表もボロボロだったという経験がある人もいるでしょう。

ストレスに強くなるには

ストレスに強くなれば、もっと上手くいくはずです。ただストレスを軽減しようとしても、ストレスのことばかり思い悩んでしまい、ストレスが減らないことでさらにストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。

著書『スタンフォードの自分を変える教室』で有名な心理学者のケリー・マクゴニガルは「ストレスについての考え方を変えれば、もっと健康で幸せになれる」と述べています。

ストレスは、自分が仕事を大切にしているからこそ表れる「サイン」だとかんがえるとよいでしょう。ストレスを感じるのは、「自分の仕事に対して思い入れがある」ことの証しで、一生懸命やっているからこそ、誰かのことを思っているからこそ、ストレスを感じるのです。ストレスは誰もが感じることであると知り、’’ストレスの味’’を自分なりに変えることによって、ストレスとの付き合い方を変えることができます。

(引用元:ケリー・マクゴニガル, 泉恵理子(監修, 翻訳)(2016), 『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』, 日経BP社)

ストレス耐性をつけるためには、ストレスを無くそうと努力するのではなく、ストレスとどう付き合っていくかを考えることが大切です。また、意外なことに自分の人生が有意義だと感じることと最も密接な関係があるのはストレスだということが明らかになりました。

ストレスと上手く付き合うことは、ただ単にストレスに強くなるだけでなく、人生を有意義なものにしてくれる効果もあるのです。 adobestock_84739341

ストレスと上手く付き合っていく方法

具体的にストレスとの向き合い方を紹介していきます。

1.ストレスは普通のことと考える ストレスは不快な刺激によって生じるものですから、いつでもどこでも感じうるもの。もはやストレスが無い状態は無いと言えるほどでしょう。ですからストレスを取っ払うことは非常に難しいのです。

ストレスを避けようとするほど、不安や落ち込みを感じやすいことがわかっています。ストレスから逃げたり、ストレスがあるからと思い悩むのではなく、ストレスを受け入れてみましょう。

例えば、プレゼンの前で緊張している時に緊張を吹き飛ばそうとするのではなく、緊張している自分を受け入れて、緊張感をもって取り組める、とポジティブに考えてみるのです。

ストレスを受容することができれば、失敗するどころかパフォーマンスを向上させることもできますよ。

緊張と集中力と成果(アウトプット)に関する法則に「ヤーキーズ ・ドットソンの法則」というものがあります。これは1908年に心理学者のロバート・M・ヤーキーズとジョン・D・ドットソンが明らかにしたもので「意識の覚醒レベル(集中力)と成果のパフォーマンスをグラフにすると逆U型になる」というものです。(中略)分かりやすく言えば、「程よい緊張感が最大のパフォーマンスを発揮する」という事です。

(引用元:スピリチュアルと脳の成功法則~人生好転のテクニックの数々~|緊張と集中力の心理学、ヤーキーズ ・ドットソンの法則

過剰なストレスによって押しつぶされてもダメ、ストレスが全くない状態でもダメ。適度なストレスと上手に付き合っていくことでパフォーマンスが向上します。

2.ストレスにも良い面があると考える 1998年にアメリカで行われた調査により新たな事実が判明しました。 「この1年間でどれくらいのストレスを感じたか」、「ストレスは健康に悪いと思うか」という質問をして、8年後の死亡リスクを調べたところ、強度のストレスがある場合には、死亡リスクが43%も高まっていたことが分かったのです。

ただし、死亡リスクが高まったのは、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人たちだけで、強度のストレスを抱えていても「ストレスは健康に悪い」と思っていなかった人たちには、死亡リスクの上昇がみられませんでした。そればかりでなく、ストレスがほとんどない人たちを含めても最も死亡リスクが低いという結果が得られたのです。

ストレスは悪いものと考えてしまいがちですが、それがストレスを増大させている原因かもしれません。ストレスは良いものと捉え直すことで健康で幸福な生活を送ることができますよ。

まず、ストレスの良い面を探してみてください。 ・学生時代の試験はストレスだったけど、試験があったおかげでしっかりと勉強できていた。 ・問題の多い後輩をどう扱っていいかわからず戸惑っていたけれど、そのおかげで自分も成長できた。

このように、ストレスにも良い面があると気付くことができたら、ストレスを受容できたサインです。

3.自分自身へのセルフケア 実際にストレスを抱えて苦しい場合は、不安や憂鬱を和らげ、さらにそこから回復する力をつける必要があります。そのためには、運動や散歩、友達や家族と過ごす時間、お祈り、ボランティア活動などの趣味に費やすことが有効だということが科学的に証明されているのです。暴飲暴食や愚痴といった典型的なストレス解消法ではなく、自分自身のためになる生産的な行動がストレスを軽減するそう。

また、ストレスを乗り越えていくために特に効果的なのが瞑想です。瞑想をすると、不安や自分の欠点といった嫌なことから逃げずにじっと見つめ直し、その場に居続けなければなりません。実はこうした行為こそが、ストレス耐性を上げるのです。

どんなに居心地が悪くてもそこから逃げないという点がストレスとの向き合い方に似ていますね。

*** ストレスに対する考え方次第でもっと健康で幸せになれます。ストレスを受け入れて自分のものとする考え方を取り入れましょう。

(参考) 厚生労働省|「こころの耳 ストレスの現状」 いしゃまち|ストレスが原因となる病気って?ストレスの種類と引き起こされる症状 スピリチュアルと脳の成功法則~人生好転のテクニックの数々~|緊張と集中力の心理学、ヤーキーズ ・ドットソンの法則 ケリー・マクゴニガル著, 神崎朗子(翻訳)(2015), 『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』, 大和書房 ケリー・マクゴニガル著, 泉恵理子(監修, 翻訳)(2016), 『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』, 日経BP社

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