勉強しなければいけないのはわかっているはずのに、やる気が起きない……。モチベーションが上がらず、勉強が続かない……。こんな悩みを持っている人は多いのではないでしょうか。

やる気を出す。モチベーションを上げる。口で言うのは簡単ですが、そう容易にできることではありませんよね。こういうときは、“自制心” などの「人間としての理性」よりも、“欲求” といった「動物的な本能」をうまく利用するのが賢い戦略ですよ。

この記事では、脳科学・心理学の観点からモチベーションの仕組みを解説し、勉強を続けるうえでそれらをどのように利用すればいいのかを考えていきます。

モチベーションが上がらない原因

モチベーションが上がらない原因は、ずばり “脳の仕組み” にあります。物事が続かない人は「意志が弱いから継続できなかった……」と自分を責めがちですが、真の原因はあなたが弱いからではありません。

人間は、基本的に “快” を求めて行動を決定する生き物。その行動が快へとつながらない限り、基本的には「やりたくない」と感じてしまいます。逆に言えば、快の欲求を満たせるがどうかが、モチベーションをコントロールするうえでの重要な鍵となるのです。

ではそもそも、人間が快を感じるとき、脳内ではどんなことが起きているのでしょうか。

例えば、チョコレートが大好物の人がチョコレートを食べたとしましょう。すると、中枢神経系のひとつ “報酬系A10” が、チョコレートという刺激によって活性化。脳内で、神経伝達物質であるドーパミンが放出されます。このドーパミンがまさに快楽の担い手であり、快感情が発生するのです。さらにおもしろいことには、快を一度手に入れると、快の神経は強化されるのだそう。私たちは「また刺激が欲しい」と感じるようになるのです。

英単語を勉強する、新しいことを覚える、問題をひたすら解いていく。勉強はとても地道な作業であると同時に、すぐに成果を実感しづらい修行のようなものでもあります。勉強そのものに快を見出せていないと、「ゲームをする」「遊ぶ」「眠る」など “すぐに手に入る目先の快” に飛びついてしまうのも、ある意味では仕方がないことだと言えるでしょう。

だったらどうすればいいか。勉強そのものに、快を感じられる “仕組み” を設けてあげるのです。

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報酬を設定せよ!

快を感じるポイントは、全員がまったく同じというわけではありません。そのため、自分がどんなことに快を感じるのかを理解し、それぞれの人に合った報酬を設定してあげなければなりません。

例えば「できないことができるようになった」など、達成感や充実感といった内的な “自己成長” に大きな喜びを感じる方がいるかもしれません。あるいはもっとシンプルに、食べ物を食べたり物を手に入れたりといった物質的なものに幸福を感じる方もいらっしゃるでしょう。

まずは、自分が何に魅力を感じるのかを熟慮してみましょう。自分にとっての報酬を把握することで、勉強での活用の仕方がわかってきます。

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報酬の仕組みを勉強に取り入れる

それではここからは、実際の活用の仕方を見ていきましょう。今回は例として、「自己成長」を報酬にする場合と「食べ物」を報酬にする場合の2パターンについて説明していきます。

【例1:自己成長を報酬にする場合】

これは特に暗記物を勉強する際に効果を発揮します。時間をかけて勉強すればある程度の成果が得られるのが暗記物ですが、普通に勉強していては「確かに覚えた」という喜びを得る機会はそう多くはありません。そこで、覚えたことを自分自身に強く強く実感させる仕組みをつくってあげましょう。以下はその一例です。

1. 単語10個を勉強する
2. 簡易テストを作成して解く(適当な用紙に単語を10個書き、その意味を日本語で書く、など)
3. 答え合わせをする
4. 不正解の問題があった場合、繰り返しテストを行なう
5. すべて正解したら、そのページに花まるをつける
6. 穴を開けてファイリングしていく
これを毎日繰り返しましょう。

4の「「やりきる」という自分の行動に対する事実をつくる」、5の「やりきった証拠として視覚的にわかりやすく花まるをつける」、6の「ファイリングすることで花まるを貯めていく」が、この活用例での特に重要なポイントです。やりきったことに対する成果、全問正解したことに対する成果として花まるを貯めていくことで、自分の成長をいま以上に実感できるようになりますよ。そして、花まるが貯まっていくのが楽しく感じられてきたら言うことなし。勉強に対する快の神経が強化された証拠です。

【例2:食べ物を報酬にする場合】

以下の例では、勉強になかなか取りかかれないという悩みを解決することを目指します。ずばり、勉強に取りかかること自体に報酬を設定してあげましょう。

1. 椅子に座り、勉強机に向かう
2. 参考書を開く
3. 今日取り組む勉強内容を確認する
4. チョコレートをひと粒食べる
これを毎日(あるいは各科目ごとに)繰り返します。

ここでの重要なポイントは、勉強ができる状態になったところで報酬を与えてあげるという点です。勉強開始の準備が整った状態で好きなものを食べるというルーティンを確立しましょう。「勉強を始めなければいけない」という心理的なハードルを下げることができますよ。

***
何に快を感じるか、何を報酬に設定するかによって、やるべきことは変わってきますが、基本的は仕組みは一緒です。ぜひ自分仕様の「勉強の報酬システム」をつくり、やる気やモチベーションの悩みを解消しましょう。

(参考)
StudyHacker|勉強は30分サイクルで回せ!あなたを『勉強中毒』にする最短ルート
スーザン・ノーレン・ホークセマ,‎ バーバラ・フレデリックソン,‎ ジェフ・ロフタス 著, 内田一成 監訳 (2015),『ヒルガードの心理学 第16版』, 金剛出版.