“正しい勉強” できてる? 3つの「効果の薄い勉強」を改善する方法。

「ちゃんと勉強しているのに結果が出ない……」 「自分は勉強のできない人間なのではないか……」 このように悩んでいる方はいないでしょうか。それはもしかしたら、今の勉強法が間違っているのかもしれませんよ。

毎日の仕事に忙しいビジネスパーソンの方も、授業やアルバイトなどに忙しい学生の方も、勉強に割くことの時間は限られています。その貴重な時間の中で効果の薄い勉強法を続けてしまっては、せっかくの時間を無駄にしてしまうのはもちろん、結果にも現れづらくなってしまいます。

そこで今回は、効果の薄い勉強法を指摘したうえで、それを改善する方法について考えていきます。時間が限られているからこそ、科学的根拠に基づいた効果的な学習をすることが重要ですよ。

「一夜漬け」はデメリットだらけ

試験の前日など、期日が差し迫った際についついやってしまうのが一夜漬け。筆者も試験期間にはたびたびやってしまうのですが、一夜漬けはデメリットだらけなのです。なぜならば睡眠をとることができないから。

新しい物事を学習したあとは、ひと晩の睡眠をとることで知識が定着します。運動技能に関する研究結果によると、新しい技能を身につけてからひと晩の眠りにつき、12時間後にテストを受けた被験者は、テストの結果が20.5%上昇したとのこと。また睡眠不足の際には、脳に新しい情報を取り入れる能力が40%近く低下してしまうことも明らかになっています。

試験に寝過ごしてしまうリスクもありますから、効果的とは言えないのが一夜漬けです。言わずもがな、先々を見据えて計画的に勉強を進めておくことが大切ですね。

それでも、つい勉強不足のまま試験前日を迎えてしまったという方におすすめしたいのが、試験直前の早朝学習。一夜漬けならぬ、一朝漬けです。これは、早めに就寝して22時~2時の “睡眠のゴールデンタイム” と呼ばれる時間にしっかりと眠って疲労を回復し、2時ごろから試験直前まで勉強をするというものです。睡眠効率の良い時間帯に眠ることで、すっきりとした頭で追い込み勉強をすることができますよ。それに早い時間に起きておくことで、試験を寝過ごす心配もありません。

一朝漬けについては、Study Hackerのこちらの記事にも詳しく書かれていますので、ぜひご覧になってください。 一夜漬けはもう古い! メリットだらけの『一朝漬け勉強法』

インプットばかりの学習ではいけません。

ひたすらにテキストを読んで暗記をする「インプット中心」の勉強をしている人も多いかと思いますが、インプットだけではあまり効果が発揮されません。

大学生120人を対象に行なわれた実験では、教科書を読むなどのインプット型の勉強を14分間行なったグループよりも、インプット型の勉強と問題演習形式の勉強を各7分間ずつ行なったグループのほうが、1週間後のテストの成績が良かったのだそう。

内容暗記などのインプットも大切ですが、すべての時間をそれに費やすのではなく、問題演習の時間も忘れずに確保するようにしましょう。

また新しい単元の本格的な勉強に入る前に、先に問題を解いてしまう「事前テスト」も有効です。ただ覚えようと学習を進めていくよりも、事前テストを行なったほうが、のちのちのテストで良い点数をとれるのだそう。その理由について、『脳が認める勉強法』では以下のように述べられています。

答えを推測したおかげで、勉強して覚えるときよりも覚えたいという意識が強く働き、正しい答えがより深く脳に刻み込まれた

(引用元:ベネディクト・キャリー 著, 花塚恵 訳 (2015),『脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!』,ダイヤモンド社.)

何かを覚えたいときは、アウトプットを積極的に勉強に取り入れるのが肝心なのですね。

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「反復」ではなく「インターリーブ」

勉強と言えば、同じことを何度も繰り返す「反復法」が基本ですよね。こちらは効果がないわけではないのですが、近年ではもっと効率の良い「インターリーブ」と呼ばれる学習法が注目されています。

2006年に72人の学生に対して、コンピュータ上に風景画とその作者の画家の名前を順番に表示していき、それぞれの画家のスタイルを覚えさせるという実験が行われました。その際、学生を2つに分け、片方には画家ごとに作品を連続で表示して学習させ(ブロック学習)、片方には画家は関係なくランダムな順番で作品を表示させて学習させました(ランダム学習)。そしてのちに、作者名を伏せた形でこれまでとは違う作品を見せ、どの画家の作品かを予想させました。

その結果、両者とも学習時間が同じだったにもかかわらず、ランダム学習のグループの正解率は65%、ブロック学習をしたグループは50%と、正解率に明らかな差が現れました。複数の項目を混ぜて学習したほうが、個々の特徴をより鮮明につかむことができるようになるのです。

ブロック学習のように、順番にひとつずつ勉強していったほうが頭に入るような気がしてしまいますが、勉強するべき項目が複数ある場合は、それらを組み合わせて学習をしたほうが、脳科学的に効果があるようですよ。「今日は統計と経済」「今日は物理と化学」など、インターリーブ型の勉強方法を採用してみてはいかがでしょうか。

*** ご自身の勉強を振り返ってみて、当てはまるものはありましたか? 勉強してもなかなか成果が出ないという方は、脳科学的に効率の良い学習法を取り入れて、スマートに勉強していきましょう!

(参考) Crew|6 important things you should know about how your brain learns Study Hacker|一夜漬けはもう古い! メリットだらけの『一朝漬け勉強法』 ガジェット通信|ライバルに教えたくない!?脳科学で認められた最強の勉強法3選 ベネディクト・キャリー 著, 花塚恵 訳 (2015),『脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!』,ダイヤモンド社. ダイヤモンド社書籍オンライン|反復学習よりも効果大!学習に変化を取りいれる「インターリーブ」のすごさ

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