集中しないといけないのに、眠くてどうしても仕事が手につかない。お昼ご飯を食べた後、眠たくなってしまう。そういうことに悩まされてはいませんか?

眠たいときは何をするのも億劫なもの。やらなければいけない仕事もなかなか進まず、後からしわ寄せが来るのは辛いものですよね。やって来た眠気に対してどのように対処すれば、しっかりと仕事をこなせるのでしょうか? 科学的な面から、不意に襲い来る睡魔に打ち克つ方法をご紹介します。

襲い来る睡魔の“正体”

日中に眠くなってしまうのは、睡眠不足が原因なことが多いと思われがちです。しかし、ちゃんと睡眠時間を確保しているのに眠くなってしまう人の場合は、睡眠の質に問題があるのかもしれません。つまり、夜間に良質な睡眠がとれていないということです。

また、お昼休みが終了してしばらくしたころ、具体的には午後2時~3時頃に眠気を感じる人も多いのではないでしょうか。その眠気には、いくつかの身体的な理由があります。

まず挙げられるのが、「サーカディアンリズム」です。およそ24時間周期で変動する身体のリズムのことを言い、体内時計とも呼ばれています。

一般的に人間のサーカディアンリズムは、午前中は上昇、正午頃が最も高く、午後2~3時ごろにかけて活性が低下する。午後4時すぎに再び上昇に転じて数時間活性化した後、就寝時間に向けて再び低下、就寝中の深夜2~3時に最低となる(健康的な朝型生活の人の場合)。

(引用元:Wikipedia│シエスタ

さらに、午後の眠気には昼食後のホルモンも関係しています。お昼休みにはほとんどの人が昼食を摂ると思いますが、それによって満腹中枢が刺激を受け、覚醒状態をオンにしてくれるホルモンであるオレキシンの分泌が抑制されます。このように、昼過ぎの眠気というのは、身体の持つリズムやホルモンの作用によるものなのです。

これらのことから
1. 夜間の睡眠の質を向上させること
2. 昼過ぎの眠気に対処すること
の2つのポイントが、日中の睡魔に勝つために重要な要素となります。

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睡眠習慣を見直そう

まずは、夜間の睡眠の質について考えてみましょう。人間の睡眠にはリズムがあり、浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を、90分ほどの周期で繰り返します。その中でもノンレム睡眠は脳が深く休まるため、疲労回復の効果の鍵だと言えるでしょう。特に最初の2回、入眠後3時間のノンレム睡眠は、非常に深くて質の高い眠りだということが分かっています。つまり、眠り始めにいかに熟睡できるかが、睡眠の質を大きく左右するのです。

だからこそ、睡眠時間を長く取ることよりも、眠り始めてからすぐの時間に熟睡できるように配慮することのほうが、睡眠の質を高めるためには重要だと言えます。しかし一方で、私たちの生活習慣は、睡眠の質を低下させてしまうようなことを多く含んでいるのです。

まず一番やりがちなのが、遅い時間の食事です。人間は食事をしてから2~3時間の間は消化管が活発に動くため、眠ったとしても睡眠が浅くなってしまいます。それを防ぐため、寝る2~3時間前からは食べ物を口にしないように心がけましょう。

遅い時間のスマートフォンなどの電子機器の使用も睡眠に悪影響を及ぼすので注意が必要です。スマートフォンやテレビの液晶画面は、ブルーライトを発生させます。ブルーライトは日光に近い性質を持っており、生体リズムを司るメラトニンの分泌を抑制して身体を覚醒モードに移行させてしまうのです。寝る前の1時間くらいは電子機器を手放して、間接照明で本を読むなどゆったりと過ごすようにしましょう。

また、カフェインの摂取も要注意。目覚ましとして使うことも多いコーヒー、夜に飲むと眠れなくなるというのは有名ですが、実は持続時間から考えると、夕方に飲んだ場合も眠れなくなる可能性があるのです。カフェインは体内に入ってから2~3時間で効果が最大になるものの、摂取後8時間程度は効果が残っていると言われています。つまり、コーヒーを飲んでから8時間以内に睡眠に入っても、覚醒効果によって深い眠りが確保できないのです。そのため、コーヒーなどを摂取するなら、寝る時間から逆算して8時間以上前までには済ませておくように気をつけましょう。

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昼過ぎの眠気に対処する

上記の方法で睡眠の質を向上させても、やっぱり日中に眠たくなってしまうということがあると思います。特に昼食後の眠気は、いくら夜熟睡できていてもなかなか避けるのが難しいものです。そんな昼過ぎの眠気に対処するために、昼寝を導入することを提案します。

昼寝の効果は世界的に認められており、スペインをはじめとしたいくつかの国では「シエスタ」という昼休憩の習慣があります。また、Googleでは、快適に眠って時間になったら起こしてくれる、仮眠のための専用マシンまで導入しているほど。疲労や眠気が溜まりがちな昼食後に仮眠をとることで、集中力の回復やイライラの防止などが期待できます。

昼寝の最適な長さは約20分。それを超えると眠りが深い領域に入ってしまい、起きた時に逆に倦怠感が残りやすくなってしまいます。昼食を終えたら、午後の業務開始前20分ほどを昼寝の時間にしてみてください。昼寝をしなかった時と比べて、その後の作業の能率が目に見えて変わるはずです。

20分も時間が取れない! という人には、1分間の超短時間仮眠がおすすめです。実際には眠らずとも、両目を閉じてじっとしているだけで大脳皮質に流れ込む情報がシャットアウトされるため、脳の休息としては十分作用します。

仮眠は昼休み以外にも、ちょっとした隙間の時間に実践することができます。思わぬ待ち時間が生まれたときなど、目を閉じて何も考えずに、しばらくじっとしているだけでいいのです。短い時間でも、疲れた脳がクールダウンし、その後の仕事がいつもより捗ることになるでしょう。

それでも眠くなったときは

色々と努力をしてみたものの、どうしても眠くなってしまった……。そういうこともあると思います。そんなときは、ブドウ糖の摂取を試してみてください。

日中に襲い来る眠気の原因としてさらに挙げられるのは、脳が働き過ぎたときのエネルギー不足です。脳は非常に大きなエネルギーを消費する器官なのですが、実はそのエネルギー源はブドウ糖に限られています。眠気がやって来たときにブドウ糖を摂取すると、効率よく脳にエネルギーが補給されるため、眠気の解消が期待できるのです。

ブドウ糖は本来、砂糖などが体内で分解されて生成される物質です。しかし、眠くなったからと言ってチョコレートなどを食べても必ずしも即効性があるわけではありません。チョコレートをブドウ糖にまで分解し、それを吸収するまでに時間がかかってしまい、なかなか眠気が取れないということも考えられます。しかし、ブドウ糖を直接摂取すれば、短い時間で吸収して脳へとエネルギーを供給することが可能です。

ブドウ糖は薬局などでも購入することができますが、筆者が特におすすめするのはコンビニなどでも購入可能な「ラムネ菓子」の活用です。ラムネ菓子はブドウ糖を主成分にしているため、薬局で購入するブドウ糖を食べるのとほとんど同じ効果が期待できます。また、ラムネ菓子には疲労回復効果のあるクエン酸も含まれており、仕事に疲れて眠たくなった身体には非常に良く効く食べ物なのです。

お値段も手軽なラムネ菓子、緊急時の“特効薬”として持っておくのも良いかもしれません。

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眠気は突然やって来て、そしてなかなか去ってくれない厄介な存在です。だからこそきちんと対処して、すっきりとした気持ちで仕事に臨めると良いですね。

(参考)
美肌レシピ|食後の眠気の原因とは?
INSIGHTNOW! プロフェッショナル|看護師が教える!驚くほど熟睡できる睡眠テクニック10選
NIDEK CO., LTD.|Vol.18 目に入る光と睡眠の質
nemuri.navi|眠りのメカニズムを解き明かす
薬剤師ネット公式ブログ|たった1分でも眠気がスッキリ解消!?今注目の「仮眠」の効果的なとり方まとめ
ヘルスケア大学|クエン酸の疲労回復効果と正しい摂取方法
Wikipedia│シエスタ
Wikipedia│レム睡眠
Wikipedia│ラムネ(錠菓)