お昼どき突然襲ってくる眠気に、悩まされた経験がある人は多いのではないでしょうか。眠くなると作業の効率が落ちてしまいます。それに、大事な会議の最中に眠ってしまったら大変ですよね。そうは言っても眠いものは眠い。手の甲をつねってみたり、コーヒーを飲んだりしてみても、一度訪れた眠気はすっきり消えてくれないもの。

「夜はしっかり寝ているはずなのに、なぜ眠れないの……?」そう感じている人はもしかして、「なぜ眠れないか」と悩むよりも、熟睡できているかどうかを見直した方が良いかもしれません。

熟睡とはどういう状態?

誰もが聞き馴染んでいる「熟睡」という言葉ですが、実際にはどのような状態なのでしょう? 睡眠には2つの種類が存在します。ひとつがレム睡眠、もうひとつがノンレム睡眠です。この言葉は有名なので知っている人は多いかもしれませんね。

人間は眠っている間、この2つの睡眠を大体90分程度の周期で交互に繰り返し経験します。一晩の間に、それぞれを4~5回経験するのが一般的だと言われています。ちなみに、脳の活動が活発な状態で、記憶の整理と定着を中心とするのがレム睡眠、脳がしっかりと休息している深い眠りのことをノンレム睡眠と呼んでいます。このノンレム睡眠が、一般的に言う「熟睡」というわけです。

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大切なのは“眠り始め”

レム睡眠とノンレム睡眠は交互に何度も繰り返すので、8時間程度の睡眠をとった場合、ノンレム睡眠を4~5回経験することになります。しかし、自律神経のリズムとの兼ね合いで、それぞれのノンレム睡眠は深さに違いがあります。具体的には入眠から3時間までに訪れるノンレム睡眠が、その後のノンレム睡眠と比べて深く、脳が休まる睡眠であることが分かっています。

つまり、その部分の睡眠……いわゆる入眠から3時間までのノンレムの睡眠の質を落とさないことが、疲労回復にはとても大切なことなのです。そして、それには寝る前についついやってしまう、いくつかの習慣が大きく影響しています。もしかして、少しでも思い当たることはありませんか? 寝る前のちょっとした悪習慣。

もしも思い当たることがあれば「夜はしっかり寝ているはずなのに、なぜ眠れないの……?」の原因は、知らず知らずのうちに自らつくっている可能性があります。それらを取り除くことで、睡眠の悩みを一気に改善できるかもしれません。

夜になったら食事に注意

睡眠が浅くなる原因として最も大きいのは、遅い時間にとる食事です。

夜には小腹が空いてしまい、ついつい何か食べてしまう……という人は決して少なくないですよね。でも実はそれこそが、睡眠を妨害する大きな要因です。その理由は、食後2~3時間は消化器官が活発に働くため、その間の眠りが浅くなるから。寝つきを良くするために、寝る前の3時間はものを食べず、1時間は飲まないようにして、入眠と同時に消化器官を休ませることが大切です。

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お酒、煙草、コーヒーに注意

なんとか寝付きを良くしようとして、寝酒をする人もいるかもしれません。確かにアルコールは眠気をもたらす効果があると言われてますが、けっして深く眠れるわけではないようです。アルコールを飲んだ直後、体内ではその分解活動が活発に行われます。つまり、食事をした直後と同じく、深い眠りに到達できなくなってしまうのです。

また、煙草を吸う習慣のある人も、寝る前は我慢することが理想的です。ニコチンは血管を収縮させて血圧を上げるほか、ニコチン自体に覚醒作用があるので、寝る前に吸うと睡眠の質を下げてしまうからです。吸わないとイライラして眠れないという人は、むしろ悪循環を引き起こしている可能性大。睡眠の質を上げたいならば、禁煙を検討したほうが賢明です。ニコチンの分解には時間がかかり、2時間でようやく半減することがわかっています。せめて就寝時間の2時間以上前から吸わないことを心がけましょう。

なお、ニコチンと同様にカフェインにも覚醒効果があります。コーヒーや紅茶、チョコレートなどのカフェインを含む食品にも、慎重になる必要があります。コーヒーを飲んだら眠れなくなるという定説は、カフェインによって睡眠が浅くなることで起こります。カフェインの効果が最大になる摂取後の十数分~数時間を過ぎるとその効果が“切れた”と思いがちですが、実は弱くなっているだけで効果は続いています。カフェインの持続時間が8~14時間続くという説もあるので、最低でも就寝予定の8時間前くらいからは、カフェインの摂取に対して慎重になるべきでしょう。

ブルーライトも睡眠の敵

寝る直前のスマホいじりも、眠りを浅くする大きな要因です。

スマホや液晶画面などの発するブルーライトは眼精疲労の原因となるほか、日光に近い性質を持つため、人間の身体を覚醒モードに導いてしまう性質があります。ブルーライトが目に入ると、生体リズムを司るメラトニンの分泌が抑制され、体内時計が睡眠のモードへと移行しにくくなってしまいます。メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれる分泌物で、入眠には必要不可欠なものです。それを防ぐため、就寝予定の2時間前くらいからはスマホやテレビを我慢して、身体を睡眠モードへと移行させるよう心がけましょう。

液晶画面だけではなく、明るい蛍光灯なども体内時計を狂わせる性質があります。早めにそれらを消して、気持ちを落ち着かせる夕焼け色に似た暖色系の照明に変えることで、より身体がスムーズに睡眠モードに移行し、寝つきも良くなることが期待されます。

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このように、眠りはじめのノンレム睡眠、食事の時間、お酒やタバコ、カフェインなどの刺激物、照明などが、脳の疲労回復に欠かせない熟睡を妨げる原因であり、注意すべき点です。ひとつひとつを慎重に取り除くことで、睡眠の質は激変するかもしれません。ぜひお試しください。

(参考)
INSIGHTNOW!|看護師が教える!驚くほど熟睡できる睡眠テクニック10選
NIKKEI STYLE|心がみるみる軽くなる ストレスが消える「眠り方」
株式会社ニデック|Vol.18 目に入る光と睡眠の質
眠りナビ|眠りのメカニズムを解き明かす
Wikipedia│レム睡眠
Fuminners│タバコが睡眠の質を悪化させる原因と禁煙のメリットとは?