求められるのは数学力より "数字"力! 数学嫌いの社会人のための「数字に強くなる」方法

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今の世の中、必ず扱わなくてはならないのがデータ。データは客観的で、非常に強い証拠となりますよね。しかし、数学が不得意で数字がなかなか読み解けない……と苦手意識を持っている人も多いと思います。

実は、データを駆使するのに必要なのは、数学ではなく数字力だといわれています。今回は、数字力とは何か、数字力を鍛えるにはどうしたらよいか、お話していきます。

 

数字力とは?

 

「数学」というとみなさんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか? 筆者は「授業ではたくさん公式を習うけれど、アルファベットだらけで、なんだか抽象的な学問だ」と感じてしまいます。程度の差はあれ、高校数学に近いものを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

では、「数字力」ではどうでしょうか? 数学と似たようなイメージが持たれがちですが、『一瞬で人を動かす「数字の技術」』をはじめ、数字力に関して数多くの著書を持つ深沢真太郎氏は、次のように述べています。

数字とは、コトバである。 だから、数字力とはそのコトバを操るチカラでもある。

(引用元:ビジネス数学.com|数字力とは、「言葉」を使うチカラである。

AがBより危険性が大きいことを言い表すときに、「AはBよりも少し危ない」と言うよりも、「AはBよりも○○する危険性が30%高い」と言ったほうが、具体的で分かりやすいですよね。また、持論を展開する際には、信憑性のあるデータ(調査結果や実験データ)を根拠として示すことも大切です。

このように、分かりやすく説得力のある言葉として、数字を自在に操ることが「数字力」なのです。それでは、数字力を鍛えるには、具体的にどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

 

数字力の根底にあるのは、比較する力

 

数字力の中で一番重視される力が、比較する力です。それは、比較によって数字のイメージがつかみやすくなるから。何か広大なものの面積の話になったとき、「東京ドームいくつ分」という例を聞いたことがあるでしょう。東京ドームの例を引き合いに出すことで、パッとは分からないことでも簡単に思い浮かべることができるのです。

また、使い方を工夫すると、愛の値段といった曖昧なものまで明確に示すことも可能です。

「『愛の値段』を計算するには、愛のある状態と愛のない状態を比較すればいい」――数字力がある人は、こう発想します。 アクサ生命では実際に、その調査を行いました。働く独身女性(25~44歳)を対象に、男性に求める年収を質問してみたところ、理想の平均年収は552万円。一方、「心から愛せる相手が現れたとします。その男性の年収が、理想の年収から最低いくらまで減っても結婚することができますか?」と聞いた場合の年収は270万円。ここではその差、約282万円が、1年間の愛の値段だと解釈することができます。

(引用元:東洋経済ONLINE|上司に「愛の値段を計算しろ」と言われたら? このムチャぶりで「数字力」がわかる

比較が上手になれば、イメージが湧きにくいものや抽象的な物事も、より明確にとらえられるようになるのです。

 

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フレーミング効果に惑わされずに、数字をとらえよう

 

数字力における比較の重要性を挙げるもう一つの要因が、フレーミング効果。認知バイアスの一つで、判断するときに用いる枠組みによってそのイメージが変わってしまうというものです。

フレーミング効果とは、ある選択肢の判断を人が行う場合、その絶対的評価ではなく、自己の参照点(基準点)との対比において比較されるため、絶対評価とは異なる判断を導く可能性があるという効果のこと。

(引用元:exBuzzwords|キーワード解説 フレーミング効果

フレーミング効果を念頭に置いて考えると、比較対象を変えることによって、数字のイメージは良くも悪くも操作できるということになります。先ほどの愛の値段を例にすると、「愛の値段は、男性に求める理想の平均年収のうちの約半分を占める」とするのと、「愛の値段は金100gの約6倍」とするのとでは、抱くイメージが変わってきますよね。

比較を使いこなせれば、フレーミング効果に惑わされずにデータのイメージをつかむことができます。逆に、比較のやり方次第では、一見微妙なデータも魅力的に見せることができるかもしれません。

比較を使いこなすために重要なことは、多くの数字を知っていること。例えば日本国内のコンビニ店舗数、東京ドームの広さ、地球の外周の長さなどです。これらの数字を知っているだけで、膨大な数を表すデータもより明快にイメージできるようになりますし、より分かりやすく説得力のある説明ができるようになります。

たとえそれらの数字を知らないとしても、自分で調べてそうした数字にアプローチできる力があれば大丈夫。多くの数字を知ることで、多種多様なデータをより明確にイメージし説明することができるようになるのです。

 

*** いかがでしょうか。数字は誰が見ても同じものですが、それをとらえる力はその人次第です。数字力を鍛えれば、間違いなく周囲に差をつけることができますよ。

 

参考 ビジネス数学.com|数字力とは、「言葉」を使うチカラである。 東洋経済ONLINE|上司に「愛の値段を計算しろ」と言われたら? このムチャぶりで「数字力」がわかる exBuzzwords|キーワード解説 フレーミング効果 田中貴金属工業株式会社|貴金属価格情報

 


早稲田大学先進理工学部生命科学科所属。松本深志高校出身。大学では理系分野を浅く広く勉強している。

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