試験勉強というと「新しい知識を蓄える」ことや「概念・仕組みを理解する」ことばかりに重点が置かれがちですが、それ以上に成果を大きく左右しうる非常に重要な要素があります。

それはズバリ「国語力・日本語力」です。というのも、私のこれまでの経験上、資格試験では国語力・日本語力があるかないかで、勉強効率や試験での得点力に大きな差がついてくるという確信があるからです。

「国語力・日本語力」の可能性は無限大!

国語力を磨くことによって身に付けることができる様々な力を以下に挙げてみます。試験勉強の様々な場面において、また、実際に試験問題を解く際にも、大きく効いてくるスキルです。

【1】速読力

本を読むスピードは試験勉強の効率にダイレクトに影響します。また、試験本番では問題文を読み解くスピードが得点を大きく左右することがあります。試験によっては1問あたり1分以下しかかけられないほど制限時間が厳しいものもあり、そのような試験では速読力がないとそもそも全問題を解き切ることができないのです。

よく速読の本やセミナーで言われているような「文庫本1冊を数分で読む」というようなレベルまでは必要ないですし、そもそもそのレベルまでもっていくことはなかなか難しいと思いますが、文章を読むスピードはちょっとした手法やコツを知ることでじゅうぶん向上可能なので、速読術の本などで基本的なノウハウをおさえておくだけでも勉強効率は大きく変わります。

【2】語彙力

知っている語彙を増やせば増やすほど、参考書を読んでいてつまずく・ひっかかることがなくなります。英語の勉強で「語彙力が重要」と言われるのもこのためです。つまり、語彙力を高めるということは【1】の「速読力」の向上にもつながります。

また、ゴロ合わせで使えるネタが増えます。うまい「ゴロ合わせ作り」には、無機的な数字の羅列などをうまく別の言葉に変換するスキルが必要となりますが、その際には「語彙力」や「構成力」が大きくモノを言います。語彙が増えると、ゴロ合わせのバリエーションがより豊かになるわけです。

化学の周期表(元素記号)のゴロ合わせの典型例に「水兵リーベ僕の船……」というのがありますね。この「リーベ」というのはドイツ語で「愛する」という意味ですが、このように日本語だけでなく外国語の語彙も取り入れることによって、さらにゴロ合わせの可能性が広がります。

【3】読解力

法律系試験の事例問題などでは、少々ややこしい事例設定や、様々な登場人物間の関係などを的確に読み解く力が必要となります。

問題文を読み解く力というのは試験対策上は一般的にあまり重要視されませんが、誰でも普通にできていることとは決して言えないように思います。「問題文の一部を見落としてしまっていた」「問題文の意味を取り違えてしまい、全く的外れな答えを書いてしまった」というのはよく聞く話ですが、これはまさに読解力の不足によるものです。

【4】論理的思考力

思考力や推理力が必要とされる、いわゆる「応用問題」を解くのに必要となるロジカルシンキング。事例問題や数理問題を解く際には論理的思考力は必須といえます。

また、論理思考のテクニックをうまく使えば、問題文中のちょっとした表現や論理展開の特徴を見ただけで、知識がなくても論理的思考力だけで問題が解けてしまうこともあります。たとえば択一式問題において、「ア~エの4つの選択肢のうち、ア~ウのいずれかが正解だとすると他の選択肢の内容と矛盾してしまうので、論理的に考えて正解は選択肢エしかありえない」といったぐあいです。

さすがにここまでうまく論理思考だけで解けてしまうケースはそこまで多いとは言えないものの、消去法で選択肢を絞り込んだり、ロジックからヒントを得たりできる場面はしばしばあるものです。

【5】文章構成力

記述式・論述式問題が出題される資格試験やその模試などの「不合格者の答案サンプル」をいくつか見たことがありますが、失礼を承知で言わせていただくと、「まず日本語の文章として成り立っていない」「文章の書き方自体がはっきり言ってヘタ」というものが少なからず見受けられます。

記述式・論述式問題では、知識の有無とか以前に、きちんとした日本語の文章が書けないと話になりません。しかしこれが案外多くの方ができていないところで、「前後の文章がつながっていない」「誤字脱字が多い」「論理展開が支離滅裂」という答案は決して少なくありません。

このような試験では、適切な(論理的かつ読みやすい)日本語の文章を書けるというだけでも、他の受験者と比べてかなりのアドバンテージとなるのです。

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少しずつでも国語力向上の習慣化を

こうした力はなかなか一朝一夕に身に付けられるものでもありませんが、鍛えれば試験攻略に役立つというだけでなく、合格後の実務でも仕事の効率や質を高め、周りと差をつけるために非常に有用なスキルとなります。どうせ後で必要となるなら、早いうちから「国語力を磨く」ことをぜひ意識されてみてはいかがでしょうか。

具体的な行動としては、まずはとにかくいろいろな本や文章を読んでみること。良質な文章にふれる機会を増やすことももちろん重要ですが、逆に前述の「不合格者の答案サンプル」のようなものを反面教師として活用するのも有効です。

ブログやTwitterなどで「他の人から見られる」状態で、ある程度まとまった量の文章を書くことを継続してみるのもいいですね。ぜひ少しずつでも国語力・日本語力磨きの習慣化を目指してみてください。

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