参考書を読み進めていると、「よくわからなくて止まってしまう」ことや、「内容が腑に落ちるのに時間がかかってつっかえてしまう」ことってありますよね。しかし、その場で完璧にわかるようになるまでがんばろうとすると、読み進めていく作業自体が長時間ストップしてしまいます。勉強が思うように進まなかったり、想定以上に時間がかかってしまったりするのは、この「止まってしまう」ことが大きな原因です。

わからないから勉強しているのですから、「わからない」こと自体はまったく悪いことではありません。わからないのが悪いのではなく、そこで立ち止まって時間をかけてしまうことが悪なのです。というより、時間をかけさえれば理解できるようになるわけでもありません。

勉強のスピードや効率は、「いちいち止まらない」ことを心がけることで飛躍的に向上します。「電車」に例えると、鈍行列車と急行のスピードの違いは、急行のほうが車体の性能が上だから速いわけではなく、単に止まる駅が少ないから速いだけですよね。勉強もこれと同じで、本を素早く読み進められる人というのは、能力が優れているからというより、途中で極力止まらないで読み進めるコツをおさえているから速く読めるのです。

このように「いちいち止まらない」ことを意識するためには、「こういう状況になったらこうする」という自分ルールをあらかじめ決めておくことが有効です。具体例をいくつかご紹介します。

【1】問題1問・参考書1ページ読むのに○分かかったら打ち切って次へ行く

たとえば「問題を1問こなすのにかける時間は最大3分」「参考書を1ページ読むのは1分」などとあらかじめ決めておき、「それ以上時間がかかってしまったらいったん打ち切って次に進む」というルールをつくってしまいましょう。要するに「よくわからないところはいったんとばす」ということです。その箇所には付箋を貼っておき、後で集中的に取り組むようにします。とにかく、読む作業にブレーキをかけないことが重要です。

勉強の本質は、わからない・できていない箇所をどんどんつぶしていくことです。ここではいったん、その箇所(=真に取り組むべきポイント)を洗い出せたこと自体に価値があります。極論すれば、逆に、途中でひっかからずにすんなり読み進んでいけるような箇所は、すでにじゅうぶん理解できているわけですから、あえてそれ以上踏み込んで勉強する必要はありません。

初見では「よくわからない」箇所も、いったんとばしてその後に出てくる内容を読んでから戻ってくると、意外にもすんなり理解できることはよくあります。本の内容の全体像を掴むことで思考が整理されたり、後で出てくる内容がヒントになったりすることで、「最初に読んだときにはあんなに理解に苦しんでいたのは何だったんだろう」と思えることもあるでしょう。

数学や理科などは「前のほうで出てくる内容をおさえていないと後ろのほうの内容がさっぱり理解できない」という側面は確かにありますが、そういった分野・科目でなければ、参考書を素直に頭から順番に読んでいく必要はまったくありません。

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【2】勉強に飽きたり眠くなってきたら違う分野・科目の勉強に切り替える

長時間勉強していると、どうしても途中で集中力が切れたり、勉強に飽きて身が入らなくなったりします。そんなときは、一度休憩や息抜きを入れるのもよいのですが、思い切ってまったく違う分野や科目の勉強に切り替えてみましょう。

同じ「勉強」でも、その対象や内容がガラッと切り替わるだけで、想像以上に気分転換というか、モヤモヤした状態のリセットになるものです。気分転換の矛先自体を、遊びとかではなく「勉強に関連する何か」にしてしまうということです。「参考書を読むのに飽きたら問題集を解いてみる」「それにも飽きたら勉強の内容に関係する実用書や雑学本などを読んでみる」のもよいでしょう。

重要なのは、飽きてダラダラした状態のまま勉強を続けないことです。「飽きた」というか「だれた」状態のまま勉強を進めても、間違いなく勉強のスピードは落ちますし、なかなか内容が頭に入ってこなくもなります。であれば思い切って20分程度仮眠をとるでもするほうがまだマシです。

勉強していて「なんか飽きてきたな~」という考えが頭をよぎったら、「やること」をパパッと切り替えて、とにかく「止まらない」「減速しない」ことを自分の中でルール化してみましょう。

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【3】試験本番で「迷ったら選ぶ選択肢」を決めておく

これは勉強というか試験本番でのお話ですが、試験本番でも「いちいち止まらない」ことは重要です。まずは確実に解ける問題をササッと解き、わからない問題・ひっかかる問題・解くのに時間がかかりそうな問題は後に回しましょう。

四択・五択など択一式問題の場合は、「さっぱりわからない問題が出たらこの選択肢番号を選ぶ」「絞り込んだ最後の二択で迷ったら、どちらを選ぶかをこの方法で決める」というルールをあらかじめ決めてしまうのが有効です。

ちょっと裏技的な話になりますが、択一式問題については試験によって「正解になりやすい選択肢番号」にある程度の傾向が見られる場合があります。たとえば、全般的に1番目の選択肢(1、ア、Aなど)は正解になりにくい傾向があります。1番目にいきなり正解を配置してしまうと、それ以降の選択肢が読まれなくなる可能性が高いためです。過去問でそのような統計データをあらかじめリサーチしておき、1%でも得点可能性の高い「迷ったら選ぶ選択肢番号」のアタリをつけておくのもひとつの手です。

試験本番では、ひとつの問題に悩んで無駄に時間と集中力を消費してしまうと、他の問題への解答に悪影響が出ます。時間や思考を重ねれば正しい答えが出せるというものでもありませんし、逆に体力や集中力が最後までもたなくなります。集中力が落ちないうちに、ある程度割り切ってスピード重視で解き進んでいくほうがよいです。へたに悩んで自分の力だけで答えを出そうとするよりも、思い切って運を天に任せてしまったほうが良い結果を生むこともあるのです。

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