過去問集・問題集を使った試験勉強では、出てくる問題をいくつかのカテゴリに「分類」し、それぞれの分類ごとにどのように対処していくかを決めてしまうことで、勉強の効率やスピードを大きく向上できます。

具体例を出したほうがわかりやすいと思いますので、私が実践している例を挙げます。私は問題集を使った勉強の初期段階では、解けなくてもいいのでまずは全体に素早く目を通す(レビューする)ことから始めますが、それとあわせて、出てくる問題を以下のように4つに分類することを行っています。

出てくる問題を “4色に色分け” する

【1】超重要・頻出ポイント
過去問で明らかに何度も出題されている重要・頻出な問題・論点・テーマです。本によっては、問題ごとに★の数やABCなどで「重要度」をランク付けしてくれているものもあります。

【2】細かい暗記事項
とにかく機械的に暗記するしかない細かい数字・固有名詞や、丸ごと覚える必要がある図表など。その他、覚える作業に時間や手間がかかりそうな箇所です。

【3】できていない・わからないところ
なぜそうなるのかいまひとつ理解できていない箇所や、まだ勉強したことがなくさっぱり内容がわからない箇所などです。

【4】捨てる・やらないところ
本連載の第6回「戦略的に “やらないこと” を決める!」で述べたような「あえて捨てる」と決めた箇所や、すでにじゅうぶん理解できているのでそれ以上の勉強はあえてしないと決めた箇所です。

以上のことを、じっくり吟味して決めるのではなく、直観でパパッと判断していきます。どう分類したかのメモは記号などを書き込んでおくのでもいいのですが、色のついた付箋で区別しておくとよりわかりやすいのでおすすめです。

【1】超重要・頻出ポイントは「赤」、【2】細かい暗記事項は「黄」、【3】できていない・わからないところは「緑」、【4】捨てる・やらないところは「青」などと、分類ごとに付箋を色分けして貼っておくと、一見して非常にわかりやすい形になります。

なお、このような分類は問題集における問題の分類だけではなく、教科書・テキストにおいて章・節や単元などのカタマリごとに行っていくのも効果的です。

このように分類することでどんなメリットがあるのかというと、ズバリ、日々の勉強の過程でやるべきことが非常にすっきりします。真に時間と労力をかけるべきポイントが明確になり、余計なところに時間をかけてしまうことがなくなるので、勉強にかかる時間を大きく短縮できます。

これを決めないで、ただ単純に頭から順番に繰り返し問題を解いていくだけでは、効率が悪いといわざるをえません。すでにじゅうぶんできている・わかっているところも含めてまんべんなく勉強に取り組むことは、極論すれば時間の無駄です。解ける問題をどんどん解いていくのは確かに気持ちが良いかもしれませんが、できることだけやっていてもまったく成長にはつながりません。

「注力してやるべきところ」と「あえて手を付けない(もしくは後回しにする)ところ」をはっきり「見える化」して、「選択と集中」を実践しやすくすることがこの「色分け」のねらいです。

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“色” ごとに、取り組み方を変えていく

では、【1】~【4】に分類した各問題に対して、試験勉強の過程で具体的にどのように取り組んでいくのかについて、具体的に述べていきます。

まず、【4(青)】については簡単ですね。この付箋をつけた箇所はもう何も手を付けないと決めてしまい、「あぁこんなのもあったな」くらいに横目で見ながら流す程度で、どんどん次の問題へと進んでいきましょう。

そして【2(黄)】の細かい暗記事項については、試験勉強の早い段階で覚えてもすぐ忘れてしまうのがオチなので、試験直前期に集中して覚えるようにします。試験本番に近い時点で覚えたことほど、本番まで記憶に残せている可能性が高いからです。暗記事項を何度も繰り返し記憶に定着させる作業には時間がかかりすぎるので、試験勉強の早い段階ではさらっと流す程度にとどめておいて、試験直前期に集中して記憶に叩き込むことによって暗記作業にかける時間を圧縮します。

ということで、試験勉強期間中に最も力を入れて取り組むべきは、【1(赤)】の、超重要・頻出ポイント……と思いきや、そうではありません。最も力を入れて取り組むべきなのは、むしろ【3(緑)】の「できていない・わからないところ」です

というのも、試験勉強(試験対策)の本質は、合格ラインと今の自分の実力とのギャップを埋めていくこと、すなわち、「現状できていない箇所」をひとつでも多くつぶしていくことであり、その箇所がまさに【3(緑)】の付箋をつけたポイントだからです。このポイントにいかに対処していくかが、試験の結果を大きく左右します。

ただ、この「できていない・わからないところ」は、すべてを「できる・わかる」に変えなければいけない、というわけでは必ずしもありません。というより、試験範囲のすべてについて完璧に「できる・わかる」といえるところまでもっていくのは至難の業です。できないならできないで、「不完全な理解のままでもなんとかテクニックなどを駆使して正解だけは選べるようにしておく」「1点でも多く部分点を獲得できるように、とりあえずキーワードだけは拾って覚えておく」といった、できる限りの対策を講じておくこともまた試験対策のひとつなのです。

一方、【1(赤)】の付箋をつけた箇所は、超重要ポイントなので、どう考えても試験勉強のどこかで絶対に手を付けるべきなのは明らかです。どうせ「やるべき」であるなら【2(黄)】と同じ考え方でこれもむしろ試験直前期に集中して取り組むほうが効果的です。そのため【1(赤)】もあえて後回しにして、【3(緑)】の箇所についてどう取り組んでいくかを決めていく作業のほうを先んじて行うべきです。

【3(緑)】をつぶしていく作業の中で、もし、あるポイントについて「ここはもうわかった! もう大丈夫だ!」までもっていけたならばその箇所は【4(青)】の「もうやらない」に移行しますし、また別のポイントについて「ここは完璧に理解するには時間がかかりすぎると思われるので、丸暗記で結論だけ覚えてしまう!」と決めたならば【2(黄)】に移行します。

つまり、【3(緑)】は最終的には他のいずれかの分類に移行するはずで、とにかく「【3(緑)】の各ポイントの処遇を決定する」作業を試行錯誤していくことが、「合格ラインと今の自分の実力とのギャップを埋める」ための本質的なタスクだといえます。

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