読書や瞑想、ジョギングに筋トレなど、身につけたい習慣はたくさんあるのに、自分は意志が弱いから結局どれも続かない。最近は行動を起こすことさえしなくなってしまった……。

もしも、そんな状況に陥っているならば、それは非常に“もったいない”ことです。なぜならば、習慣は意志力に頼らなくても変えられるから。そこで今回は、習慣というものを探りつつ、無理なく身につける方法をご紹介します。

習慣が変わると人生が変わる?

「習慣」について、多くの著名人がこのように伝えています。

長きに渡り読み続けられているビジネス書『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー氏は、「私たちの人格は、習慣の総体である」と述べています。また、多くの成功者がバイブルにしている『自助論』の著者、サミュエル・スマイルズ氏は、「人は習慣の集合体であり、習慣は第二の天性である」と伝えています。

実のところ、私たちの毎日は習慣でつくられています。例えば「朝6時に起床して最初に窓を開ける」「野菜と果物のジュースを飲みながら朝刊を読む」「始業時間の30分前には出社し、メールチェックしながらコーヒーを飲む」というようなこと。それに、例えば月20冊の読書や、週2回のジム通い、朝のジョギングなどが加わり、人それぞれの日々ができあがっていくのです。

習慣をテーマとする本を多く執筆する佐藤伝氏は、「習慣が変われば、間違いなく人生が変わる」といいます。つまり、習慣によってつくられた日々は人格を形成するので、習慣が変われば人格が変わり、人生にも大きな変化が生じるというわけです。

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習慣を変えるのは「意志力」ではない

習慣が人生に変化をもたらすならば、これはうかうかしていられませんね。でも、習慣を変えるために強い意志力が必要となると、つい不安になってしまいます。ところが脳科学者の茂木健一郎氏は、「いつもやる気がある状態だと人間は疲れてしまうので、やる気がない状態でも済むように習慣化がある」と述べています。

つまり習慣化するということは「慣れた状態」をつくりだすということ。言ってみれば習慣を変えるということは、新しい自転車、新しい住まい、新しいバージョンのOSに慣れることと大きな違いはありません。「習慣化」と考えず、「慣れる」と考えてみてはいかがでしょう。

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脳の仕組みに合った習慣化

では、無理なく習慣を身につけるための、とても簡単な方法を3つご紹介します。

1.スモールステップ
ユークロニア株式会社代表で作業療法士の菅原洋平氏は、行動をガラリと変えることは、脳の仕組みに合っていないと述べています。そこで同氏がおすすめしているのが「スモールステップ」です。いわゆる、小さな目標を達成するという体験を積み重ねながら、少しずつレベルを上げ、最終的な目標に近づいていく方法。これならストレスも少なく、無駄なエネルギーや時間を費やすこともありません。

茂木健一郎氏も「(人は)習慣化させるということを難しく考えすぎ」だと述べ、「何か勉強するにしても、最低でも30分はやらなければと考える人は多いが、5分でも1分でもいい」としています。月数冊程度の読書サイクルなのに、いきなり「月50冊の本を読む習慣」を取り入れようとせず、「毎日読書の時間を設ける」からはじめてみましょう。

2.習慣を積み重ねていく
行動変化のメカニズムを研究しているBJ Fogg博士によれば、「定着した小さな習慣は、新たな習慣を身につける際に活用できる」とのこと。例えば「朝起きたら必ず窓を開け、朝日を浴びる」が定着したら、今度はそれに「3分ほどストレッチ」や「3分間瞑想する」を積み上げ、それも定着したら「3分間新聞を読む」なども積み上げていきます。すると、そのうち、これらを難なくこなすようになるとのこと。また、定着することによって、例えば瞑想の時間が10分、15分へと進歩していくのだとか。つまり、自分が毎日必ず行っている小さな習慣に、新しい習慣をくっつけるだけなのです。

3.ご褒美を用意する
実は脳科学の研究において、行動の習慣化には200回以上の繰り返しが必要だということがわかっています。そう聞くと気が遠くなりますが、ご褒美を用意してあげれば大丈夫ですよ。イギリスのカーディフ大学の研究で、レバーを押すと砂糖水が出る装置でラットの動向を観察したところ、ご褒美(砂糖水)のお陰で最終的には砂糖水が出なくなってもレバーを押すのをやめなくなったとのこと。ジョギングあとのアイスキャンディーや、瞑想のときに楽しむ香りのいいハーブディーといった、何かしらのご褒美があれば習慣化しやすくなるはずです。

習慣を変える方法を実際にやってみた

そこで、さっそく筆者も実際に習慣を変えてみました。これまでは移動中や人を待つあいだなど、イレギュラーなスキマ時間で本を読んでいましたが、毎日寝る前に本を読むことにしたのです。

すでに習慣化していた就寝前のストレッチに、短い時間の読書習慣を積み上げたわけです。また、5分くらいで眠くなれば逆らわず5分間の読書で終了し、面白くて止まらなければ、そのまま1時間ほど読み進めるようにしました。少し苦手な分野の本であれば、読書時間を短くしてストレスを感じないようにしました。小さな目標達成を確実に体験するためです。

結果として……、ほぼ習慣化いたしました! 現時点ではまだ2ヶ月程度なので無意識のルーティーンとまではいきませんが、ストレッチの心地よさと「いつでも寝れる」という安心感がご褒美となり、一日の終わりの読書習慣が楽しみになったほど。副産物として、就寝前の読書が記憶に定着しやすいことも実感できました!

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みなさんも、「スモールステップ」「習慣の積み上げ」「ご褒美」を用いて、新たな習慣を取り入れてみてくださいね。

(参考)
佐藤伝著(2010) ,『たった1分でできて、一生が変わる!魔法の習慣』,学習研究社.
サミュエル・スマイルズ著(2002),竹内均訳,『自助論』,三笠書房.
スティーブン・R・コヴィー著,フランクリン・コヴィー・ジャパン訳(2013),『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』,キングベアー出版.
菅原洋平著(2016),『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法』,文響社.
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