もしかしてあなたは、「毎日仕事が退屈だ……」と感じていますか? 実はそれ、とても危険な兆候です。その状態がずっと続くと、脳に悪影響を与えてしまうからです。それに加えてデスク周りが汚いなら、ますます注意が必要かもしれません。

近頃どうも論理的に考えられない、理解力に乏しい、判断力が欠如していると感じるならば、すぐにその状況を改善しましょう。たとえ、そう感じていなくても、冒頭にある内容に当てはまるなら、早めの対処が必要です。早速ご説明しましょう。

退屈な仕事は認知能力に影響を与える

アメリカ、フロリダ州立大学のJoseph Grzywacz博士らの研究チームが調査したところ、仕事が複雑なほど、歳を重ねても認知能力が優れていることが分かったそうです。

仕事の複雑さとは、新しいスキルの習得や、新しい課題への挑戦を要することなどを指します。

認知能力とは、理解、判断、論理といった知的機能を使いこなす能力のこと。認知という言葉は、現代の精神医学においては知性を意味し、心理学的には知覚・記憶・言語理解・学習・問題解決・推論・決定・判断・想像といったさまざまな要素を含みます。

つまり、新しいスキルの習得や新たな挑戦をせず、ただ「退屈だなあ」と思いながら日々仕事をこなし続けていると、長期的には認知能力の低下を招いてしまうということ。これは、使わなければ脳は衰えるということに起因していますが、脳が持つ性質も関係しています。

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脳の大好物は「新しいこと」

人間の脳には、千数百億個の神経細胞がネットワークを形成しています。

新都心たざわクリニックの院長で脳外科医の田澤俊明氏か監修した『はじめての脳活ドリル塾 1日1ページ✕60日』によれば、何か「新しいこと」を始めると、それに関係するさまざまな脳領域が新しいネットワークをつくり、つながるようになるのだとか。

しかし、長いあいだ挑戦心や向上心を持たず同じことばかりを繰り返していると、脳は慣れてしまい、疲れないように動かなくなるそうです。

したがって、同書には「毎日いろいろなことに興味を持って動き回り、仕事でも余暇でもわくわく、ドキドキするような、新しい経験を求めてみてください」と書かれています。『脳を強くする56の習慣』の著者で医学博士の米山公啓氏も、脳を活性化させるには「新しい環境に自ら積極的にチャレンジしていくことが重要」だと説いています。

もしも、退屈な仕事をしていて、変化をつくるのが難しい状況下にある人でも、プライベートな時間で新たな環境をつくったり、色んなチャレンジを試みたりすればいいわけですね。しかし、もうひとつ、気をつけるべきことがあります。それは、仕事をしているデスク周りの状態です。

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汚い仕事環境は認知能力に影響する

Joseph Grzywacz博士らの研究チームが明らかにしたのは、「退屈な仕事」以外に「汚い職場環境が認知能力に影響する」という問題です。この研究においては主に、かび、鉛、ほか化学物質や、騒音などを指していますが、職場にあるものが認知能力をかたちづくるのは明らかです。

医学博士の米山公啓氏は、「余計な物が少ない机は、仕事への集中力や処理能力も上がる」といいます。処理する情報量が少ければ、脳のストレスが軽減されるからです。

ただし、「整理するだけで物を捨てられない人は、決断力がない可能性がある」とのこと。捨てる習慣を持つことで、決断力を養えるのだそうです。

したがって、スッキリとキレイな仕事環境をつくる行動は、長期的に認知能力を高めるだけではなく、脳を活性化して仕事のパフォーマンスも上げてくれるのです。これらを踏まえて、次に「知的機能(認知機能)の持久力を高める方法」をまとめます。

知的機能の持久力を高める方法

仕事でもプライベートでも、脳が大好きな「新しいこと」はたくさんあります。また、デスク周りの片づけ方も、ひと工夫で脳を効果的に活性化できますよ。知的機能の持久力を高め、脳を活性化する方法は次のとおりです。

<仕事で知的機能の持久力を高める>

・違う部署の人や取引先の人とも交流を持ち、自分の知らない業務やビジネスについて教えてもらう
・パソコン操作や書類整理の裏ワザでも何でも、少しでも仕事のパフォーマンスが上がるよう自分なりに毎日工夫してみる
・仕事に活かせる、あるいは興味がわいたエキシビジョンやビジネスセミナーに参加してみる
・仕事に活かせる、あるいは自分自身のためになる資格試験にチャレンジする
・仕事のデスクで不要なものは見えないようにする(机の中に入れる)
・要らない書類や資料をちょこちょこ“捨てる習慣”を日々の中で持つ
・一段落したときや煮詰まったときに仕事のデスクを一気に片付けて、机も脳もリフレッシュ

<プライベートで知的機能の持久力を高める>

・いつも同じ道だけではなく、違う道を探索してみる
・同じ店ばかりではなく、色んな店で外食してみる
・料理のレシピ、あるいは盛り付けを、毎日少しずつ変えてみる
・いつも自分が選ぶものではなく、人にすすめられた本や映画、漫画なども楽しむ
・古着屋さんで服を探す(同じものが並んでいないので新しい発見がある)
・長く会っていない友人に連絡してみる
・趣味の習い事を始めて、色んな職種の人と友人になる

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いつも同じ工程をたどっている職人さんたちは、決して認知能力を衰えさせてはいません。それは「今度はもっと良いものをつくろう」と、毎日毎日試行錯誤を重ねているから。気持ちひとつでも、新しい挑戦は可能かもしれませんね。ぜひあなたも脳に「新しい」おやつを与えて、知的機能の持久力を高めてください。

(参考)
Study Hacker|脳トレよりも脳に効く? 脳をパワーアップさせる『あたらしいこと』の効果
カラパイア|退屈な仕事が脳を殺す。刺激不足は記憶力と集中力に影響を及ぼす(米研究)
日経ウーマンオンライン|机がきれいな人に仕事ができる人が多いワケ
e-ヘルスネット|認知機能
理化学研究所 脳科学総合研究センター|脳について|ニューロン
田澤俊明監修(2016),『はじめての脳活ドリル塾 1日1ページ✕60日』,主婦の友社.