努力を続ければ、夢はかなう。私たちはこのような類の言葉をよく耳にします。確かに、コツコツ努力すれば夢の実現には近づくでしょう。筆者の身の回りにも、たゆまぬ努力の結果、夢をかなえた人はいます。しかし一方で、努力しても成果が伴わないことも多々ありますよね。

いくら勉強しても、合格ラインの判定が出ない。頑張って営業しても、成約件数が伸びない。努力しても努力しても、いつもライバルに負ける……。そんな風に、努力しても結果がついてこず、むなしい思いをした経験がある人は多いのではないでしょうか。

夢をかなえた人とかなえられなかった人の違い、一つに挙げられるのは、努力の方向が正しかったかどうかです。極端な例ですが、英語を話せるようになりたいのに日本語の勉強ばかりをしていたら、いつまでたっても英語は話せるようになりません。

努力のしかたを間違えず、目標に向かって突き進み、確実に成果をあげるために必要なもの。それは「大局観」です。先を見通せる力を持っていることで、夢の実現に必ず近づきます。今回は大局観を養う方法について考えてみましょう。

大局観とは、感性を磨くことで養われるもの

大局観という言葉はもともと、囲碁や将棋などの世界で使われていた言葉です。主に、「次の一手だけではなく、今自分がおかれている形成がどのようなものなのか的確に判断する能力」という意味を持っています。したがって優秀な棋士は、優れた大局観を持っているといえるでしょう。

将棋棋士の羽生善治氏は、優れた大局観を持つ人物の1人。羽生氏はどのように大局観を磨いたのでしょうか。著書『決断力』の中に、次のような記述があります。

その思考(大局観)の基盤になるのが勘、つまり直感力だ。直感力の元になるのは感性である。

(括弧部分は筆者が後に書き足した)
(引用元:投資を楽しむ♪|大局観を身につけるには?/羽生善治&カスパロフ

大局観とは、今現在の視点で全体を見る力であると同時に、時間軸を未来にまで伸ばし、この先のことを予測する能力でもあります。将棋で問われる大局観とは、まさにこれですね。何が起きるかわからない未来を、できるだけ正確に予測するには、研ぎ澄まされた感性、直感力が必要だということなのです。

将棋に限らず、仕事や勉強においても同じことが言えます。今の状況にしか目を向けず、この先のことを予測しないまま勉強に取り組んでいたら、テスト本番までに試験範囲の勉強が終わらないかもしれませんし、急に進路を変えることになった場合に太刀打ちができなくなる可能性があります。仕事も、3か月後、半年後、1年後にどのような出来事がありそうで、そのためには今何が必要か、といったことを直感的に意識しておかないと、時間が経って初めて足りないものに気づく、ということにもなりかねないでしょう。

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感性を磨くには、経験や知識を蓄積することが大切

では、将棋棋士でもない一般の私たちが、大局観に必要な感性を磨くには、どのようにすればよいのでしょう?

ジブリ映画や北野武監督映画の作曲を手掛けている作曲家の久石譲氏。久石氏の著書『感動をつくれますか?』によれば、感性を磨くには、知識や経験の蓄積が大切であるのだそう。

論理的思考の基になるものが、自分の中にある知識や体験などの集積だ。何を学び、何を体験して自分の血肉としてきたかが、論理性の根本にある。感性の95パーセントくらいは、実はこれなのではないだろうか。

(引用元:まだ東京で消耗してるの?|久石譲に学ぶ「感性」を磨く方法

感性のほとんどは、自分が経験してきたことや学んだことからできた思考回路によるもの。そのため、経験や知識が多ければ多いほど、幅広ければ幅広いほど、豊かな感性が身につくのです。

経験の量と幅を増やすために、他人とは違う何か特別な経験をする必要はありません。私たちは少し意識を変えるだけで、日常生活の中で驚くほど多くのことを経験し、知識を蓄えることができます。例えば、朝ほんの少し早く起きていつもと違うルートで通勤すれば、新しい景色を見ることができますし、本屋で興味のない分野の書架を見れば、新しい単語を知ることができるでしょう。

ほんの少し、いつもと違う経験を重ねていけば、豊かな感性は手に入れられるのです。

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好奇心で日常に変化をつけよう

日常生活に変化をつけるのは、私たちの好奇心です。いつもと違う道を歩いたら何が見られるだろう? いつもと違う人と話したら、どんなことが起こるだろうか? こういった好奇心は、私たちに新しい知識や経験をもたらし、感性を磨かせます。

羽生氏は自身の将棋について、次のように述べています。

「新しい発見を探している。将棋は一生懸命やれば必ず面白いドラマが生まれる。どうせやるなら面白いドラマを観たい」

(引用元:現代ビジネス|羽生善治45歳「負けることもある、それが人生」密着ロングインタビュー第一人者に「変化」が起きていた

夢に向かって、一直線に努力することは大切です。しかしながら、大局観を持たないまま見当違いの方向に努力していては、成果は出ないかもしれません。せっかくの努力を無駄にしないためにも、日頃から様々なことに興味を持って体験し、感性を磨くことで大局観を養ってみてはいかがでしょうか。大局観があれば、必ず夢や目標は実現できるはずです。

(参考)
地球の名言|林修の名言
投資を楽しむ♪|大局観を身につけるには?/羽生善治&カスパロフ
まだ東京で消耗してるの?|久石譲に学ぶ「感性」を磨く方法
現代ビジネス|羽生善治45歳「負けることもある、それが人生」密着ロングインタビュー第一人者に「変化」が起きていた