「楽しく生きる」の「楽しい」の正体って? 楽しく生きるために必要なこと

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仕事も勉強も、プライベートも、毎日楽しくやりたいものですよね。そうは言っても、楽しんでばかりはいられません。辛く、楽しくないことにも対応していかなければならないのが現実です。どのようにすれば、仕事や勉強の時間を楽しく過ごすことができるのでしょうか? 今回は、この問題について考えてみたいと思います。

 

古代から説かれている「楽しく生きる」ことの意味とは

 

古代哲学者に始まり現代に至るまで、多くの知識人らが説いている、楽しむことの重要性。パナソニック創業者の松下幸之助氏や作家の吉川英治など、多くの日本の著名人も同じように言っています。

彼らの説く「楽しむ」とは、単に楽しいことをするという意味ではありません。これについて、サイコセラピストの近藤裕氏による次の言葉を参考にして考えてみましょう。

「楽しく生きる」とは、「楽しいことをやる」ことではなく、「やることを楽しむ」過程なのだ

(引用元:名言から学ぶ幸せのヒント|『「楽しく生きる」とは、「楽しいことをやる」ことではなく、「やることを楽しむ」過程なのだ』近藤裕

人生では、つまらない雑用や嫌いな学科の講義など、自分にとって楽しくないこともあるでしょう。そんなことも、行うということ自体を楽しむという姿勢が大切ですよ、という教訓です。では、行うこと自体を楽しむには、いったいどうすればよいのでしょうか。

 

「楽しむ」とは、目標に向けて没頭すること

 

「楽しむ」という言葉の持つ意味を、イチロー選手の言葉から考えてみましょう。イチロー選手は、「試合を楽しむ」という表現に疑問を呈しています。彼の言葉によると、試合は「楽しむ」ものではなく、「全力を尽くし、満足感を得る」ものなのだそう。

「楽しむなんてどういうことなのかわかりません。よく聞くのですが、「楽しんでね」ってみんなが言ってくれるんです。でも、それは笑うことなのか冗談を言い合うということなのかよくわかりません。」とイチローが言った。 「プロとして野球をするのなら、笑うことも微笑むこともしません。大リーグならではのプレッシャーを感じて頑張りたくなるので、「楽しむ」ことは難しいと思います。ただ、全力を尽くした満足感がほしいのです。」

(引用元:Department Of Asian Studies, Center for East Asian Studies Japanese Program 日本語科ホームページ|イチローとシスラー

理想や目標に向かって没頭し全力を尽くすことで、理想を現実のものにする。それが楽しい気持ち、快感へとつながっていく。この過程が、「楽しむ」ということのひとつのあり方なのです。

誰しも、何かを頑張ったあとに達成感や満たされた快感を味わったことがあるでしょう。まさにそれが、物事を「楽しんでいる」状態。このとき脳内では、神経伝達物質ドーパミンが盛んに分泌されています。これは、好きなことに没頭したり成功体験を得たりすると分泌され、快楽をもたらす物質。脳の仕組みから考えても、何かに向かって没頭することが、物事を楽しむことと直結しているのだと言えるのです。

 

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楽しむために、PDCAサイクルを活用

 

目標に向かって没頭する過程を楽しむために有効なツールが、PDCAサイクルです。Plan、Do、Check、Actの4手順を繰り返すことで、ミスを減らしながら成長するための手法です。このPDCAサイクルは特に、辛いことやつまらないことをしなくてはならないときに効果を発揮します。ここでは、大量に書類をコピーし仕訳する、という週次の仕事を例に、PDCAサイクルを当てはめてみましょう。

 

Plan:計画を立てる(300部コピーし、担当者別に必要部数を仕分けし、袋詰めする。トータル1時間で終えよう) Do:実行する(計画通りに実行してみる) Check:評価する(担当者Aに必要な部数を間違えた、袋詰めに時間がかかった、紙の補充が遅れて時間がオーバーした) Act:改善する(翌週は必要部数を間違えないように部数をメモした紙を貼っておく、紙がすぐ補充できるようにストックしておく)

 

PDCAサイクルを用いると、一つずつ改善点をクリアしようという意識が芽生えます。雑用や面倒な仕事でも、一つ一つの目標を達成できると、嬉しい気持ちや楽しい感覚を得られるものです。嫌いな仕事や辛いルーティンワークがある方は、ぜひこのPDCAサイクルを活用してみてください。

 

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勝負事で、本当に楽しむためには強さが要る。

(引用元:この夜が明けるまであと百万の祈り|ハイキュー!13巻  意識だけが高くても技術が伴わないと本気の遊びにはならない

これは少年ジャンプに連載中のバレーボール漫画『ハイキュー!!』に登場するワンフレーズです。試合などの重要な場面で心から楽しむことができるのは、精神的にも技術的にも鍛錬を積み重ねた人。辛いことや嫌なことがあっても、没頭する過程を楽しみ、その結果としてここ一番を心から楽しむことができるよう、日々過ごしていきたいものですね。

 

(参考) 名言+Quotes|人生を楽しむ 世界一周ブログ!On The Road|快楽物質ドーパミンをコントロールしよう【脳内麻薬 – 中野信子】 名言から学ぶ幸せのヒント|『「楽しく生きる」とは、「楽しいことをやる」ことではなく、「やることを楽しむ」過程なのだ』近藤裕 名言から学ぶ幸せのヒント|『春を楽しむように人生を楽しむ心があるならば、・・・』 松下幸之助 Department Of Asian Studies, Center for East Asian Studies Japanese Program 日本語科ホームページ|イチローとシスラー Wikipedia|PDCAサイクル この夜が明けるまであと百万の祈り|ハイキュー!13巻  意識だけが高くても技術が伴わないと本気の遊びにはならない

 


早稲田大学先進理工学部生命科学科所属。松本深志高校出身。大学では理系分野を浅く広く勉強している。

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