チームの成否は “信頼度” に左右される。お互いに協力したくなる「良いチーム」の作り方。

みなさんは、自身の職場や学校におけるさまざまなチームにおいて、うまく成果をあげることができていますか?

チーム内に誰か合わない人がいると、それだけでやる気がなくなってしまうなんてこともあるのではないでしょうか。そうは言っても、社会に出れば個人でなく、むしろチームでなければ成し遂げられないようなことも数多くあります。

そこで今回は、チーム内の信頼度を高めて成果につなげる工夫についてお伝えします。

信頼のないチームがうまくいかない理由

たとえチーム内に信頼が生まれていなくても、与えられた役割さえきちんとこなせていれば問題はないと思う人もいるでしょう。

しかし、心理学博士で米スタンフォード大学のエグゼクティブ・コーチであるローラ・デリゾンナ氏によると、私たちの脳は上司やライバルの同僚、生意気な部下からの挑発を生死にかかわる脅威として処理するのだそう。すると闘争・逃走反応にスイッチが入り、広い視野で分析的に考えることが叶わなくなる、と言います。

個人の能力は高いにもかかわらず、チーム内での信頼が形成されないことによって戦略的思考が失われ、全体のパフォーマンスが下がってしまうのはとてももったいないですよね。チームがうまく機能していないと感じた際には、メンバー同士で信頼を築けているかどうか疑ってみてはいかがでしょうか。

成果を出せるチームは互いに安心感を得ている

Googleによる2年間の調査によれば、高パフォーマンスを発揮しているチームでは、それぞれのメンバーが「安心感」を感じていることがわかりました。ここでの「安心感」とは、「自分をさらけ出したり意見を言ったりしても人間関係を損なうことはないと感じられること」を指しています。

たしかに、チームに安心を感じられなければ、自分の思いをメンバーへ正直に伝えることはできません。これは普段の人間関係においても言えることでしょう。また自らリスクを取って行動することもないはずです。

つまり、パフォーマンスを高めて成果を出すためには、個人の能力を向上させることももちろん必要ですが、チーム内での信頼関係もかなり重要な要素となっているのです。

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チーム内の信頼度を高める工夫

では、私たちはどうすればチーム内の信頼度を高めていくことができるのでしょうか。

1.「ノジェスの潜在意識5階層」を知ってメンバーの相互理解を深める まずは個人でできることから始めましょう。「ノジェスの潜在意識5階層」とは、周囲の人の言動がどのように生まれてくるのかを示したものです。 %e3%83%8e%e3%82%b8%e3%82%a7%e3%82%b9%e3%81%ae%e6%bd%9c%e5%9c%a8%e6%84%8f%e8%ad%985%e9%9a%8e%e5%b1%a4

私たちは相手の表情や言葉、行動だけで相手を判断しがち。しかし、三角の部分から丸の部分が形成されることから、本来、私たちは相手の三角の部分まで理解する必要があるのです。

例えば、あなたがミスをしてしまい、上司に厳しく注意されたとしましょう。どうしても「厳しく注意された」という部分だけを考えてしまい落ち込むかもしれません。しかしそこで、図を参考に、なぜ上司があなたに厳しく注意する必要があったのかを考えてみるのです。あなたにとってはさほど重大なミスに感じなかったとしても、もしかしたら会社にとっては損害を被る可能性がゼロではなかったかもしれません。

まずは相手の表面的な言葉や表情のみを見るのではなく、価値観や判断基準も想像するように心がけてみましょう。理解できなかったとしても三角の部分を想像するように心がけるだけで相手を尊重し認めることは可能です。そうすることができれば、互いに信頼関係をより深めることができるでしょう。

2.「組織調査」でメンバーが感じていることを可視化する 表面的にはうまくいっているように見えるチームであっても、個人レベルで見るとチームの目指す目標に疑問を感じていたり、人間関係がうまくいっていないと感じていたりする人が中にはいるかもしれません。

組織調査では、さまざまな質問に匿名で回答することで、メンバーはどのようなことを考えているのか、またチームがどんな問題を抱えているかなどを洗い出すことができます。チームの活動において定期的に組織調査を行えば、メンバー間で互いに安心を感じられているかを判断し、もし信頼がない場合でも適切な対策を練ることが可能となるでしょう。

パフォーマンスの低下を最小限に抑えられるようになるかもしれませんよ。

3.「ピアボーナス」で小さい成果を見逃さない 「ピアボーナス」とは、メンバーによるチームへの貢献や成果に感謝の気持ちを示し、報酬を受け取れるようにするシステムです。このシステムの良い点は、定量的に表せないような小さなものであっても評価されるということでしょう。

例えば、「企画に合わせてメンバーのスケジュールを調整した」というようなことは比較的スルーされてしまいがちです。実行した一部のメンバーは、感謝されるためにしたことではないと思いつつも「せっかく頑張ったのに……」と活動へのモチベーションが下がってしまうかもしれません。

しかしピアボーナスの文化があれば、そのような小さな貢献であっても賞賛されて報酬が与えられるため、チームに認められているという安心感を得て次回の高パフォーマンスにきっとつながるはずです。

*** みなさんもチームで活動する際はまず信頼を深められるよう、お伝えした方法を試してみてください。そうすれば豊かな成果が期待できるに違いありません。

(参考) DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|チームで成果を上げるうえで不可欠な、「安心感」を生み出す6つのステップ ITmediaエグゼクティブ|行動科学で組織の成果を上げる re:Work|The five keys to a successful Google team

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