「歴史の教科書の目次って何のためにあるのか知ってる?」

——高校3年生のある日、世界史の先生に言われた言葉だ、

みなさんは、目次が何のためにあるのか考えたことがあるだろうか。

「読みたい場所にすぐに飛ぶためだよ!そんなのあたりまえ!」
正直に告白すると、当時の私もそう考えたし、読者のみなさんもそう思ったかもしれない。

「教科書は、本文こそがメインコンテンツであり、目次はおまけみたいなものだ。」
かつての私はそう感じていた。

これは世界史の教科書の目次である。

このように、太古から現代に至る歴史をまとめている。
古代オリエント世界・ギリシア世界・ローマ世界……と、本来は不可逆で不可分なはずの時間の流れに大きな出来事を節目にした「区切り」を設けているのだ。

ではなぜ、本来は存在しない区切りを敢えて設けるのか、それはもちろん、歴史学習者にとってその方がわかりやすいからだ。
ならばそれを徹底活用しようではないか。

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以下に、目次を活用した“コストパフォーマンスの高い”学習法を紹介したい。特に復習の際に大きな効果を発揮するだろう。

例えば、上の目次の画像の、第1章の2「ギリシア世界」に注目する。

当然、この目次から得られる情報は「第1章の2はギリシア世界について扱っている」程度のものである。
目次に示されているように34ページに飛べば、ギリシア世界の詳細がわかる。

(紀元前26世紀頃小アジアにトロイア文明が栄えた。紀元前20世紀頃には線文字Aを持つクレタ文明がクノッソスを中心に、紀元前15世紀頃には線文字Bを持つミケーネ文明がティリンスを中心に栄えた……。)

greece

いま、私たちは、目次をみて枠組みをつかみ、本文で詳細な内容を把握した。

この構造を利用して、目次からその項目に書かれた詳細の内容を思い出しながら説明してみよう。
つまり、「古代」の「ギリシア世界」というワードだけから、その時代区分で起こったことをアウトプットしていくのだ。

『トロイア文明から始まって、ポリスが成立して、アテネなんかが強くなって、戦争なんかして、あ、そういえばギリシア人はヘレネスとバルバロイって差別化してたような・・・あとタレスとかいう哲学者が万物の根源は水であるとか言ってたな。それからなんかアリストファネスとかいう喜劇作家?あれ、悲劇作家?よくわかんないけどそんなやつもいたな・・・(中略)・・・ペルシアの方とも戦ってたな~。結局戦争に負けてそれでポリスの世界が終わっちゃったんだよな。』

このような感じで、目次の文字から想起できることを挙げていこう。

授業で習ったことや、以前教科書で読んだこと、模試で出たことなど、どんなに細かくてもよいので、大まかな時間の流れにそって挙げてゆく。
列挙の際は、いらない紙の裏に雑に書き出したり、声に出したり、はたまた東大の社会の論述のように文字だけで本気で書いてみたり、やり方は多々ある。

できるだけアウトプットを意識しよう。もちろんただ想起するだけでもよいが、書き出したり声に出すことで脳は刺激されるのだ。
以前の記事 Don’t think! Teach! にもあったが、声に出してできるだけ論理的に説明する方法が効率が良いだろう。

この方法であれば、時間と手間のかかるレジュメ作りは不要になる。教科書の目次がレジュメになるからだ。

第1章の1から順に、最終章までやっていくのが良い。
1章ごとに、あるいは章の中の1節ごとに区切りをつけて、説明を終えたらその都度本文を読もう。
自分が想起し忘れた事柄をしっかりと確認することが肝要である。

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ちなみに私の場合、山川の「世界史B」で第1章から最終章までただ黙読するだけなら24時間かかった。

これに加えて、章ごとに声にだしながら内容をまとめた場合28時間ほどかかった。

——その差、4時間である。

この4時間で、「断片的に想起した事柄を、整理して説明する」ということができたことになる。

長い受験期のたったの4時間。ほんの一手間を加えるだけで、歴史の勉強ははるかに効率的になった。

受験勉強では「効率」「時間対効果」を重視することは非常に大切である。受験は期限つきのイベントなのだ。
本稿では、私の受験勉強においてもっとも効率が良かったと思われた「目次を徹底活用した」歴史勉強法をご紹介した。
是非、実行に移して欲しいと思う。


東京大学文科三類所属。磐田南高校卒業。4歳からサッカーとピアノを始める。大学ではスペイン語を学んでいる。三島由紀夫とMr.Childrenをこよなく愛する。将来はスペインに住んで日がな一日レアルマドリードの試合を見て天寿を全うしたい。