日々仕事をしていると、集中力が途切れたり、つらい仕事ばかりが残ったり、時間内に仕事が終わらなかったり……、なんてことありますよね。このような経験があるならば、仕事内容と時間の関係を見直すべきかもしれません。

その理由は、人間がもつ体のリズムが仕事の効率に大きく影響しているから。では、さまざまな業務を効率的にこなすには、どんな時間帯に行えばよいのでしょう? 今回は、時間帯ごとに行うべき仕事内容を紹介します。

仕事の効率は、人間のリズムに影響される

私たち生物には、体の機能を維持するため、幾つかの体内時計が備わっています。例えば“1日の感覚”の場合、サーカディアンリズム(概日リズム)と呼ばれる約25時間周期のリズムによって制御されているのです。夜更かしを繰り返していると健康を害するのは、そのリズムが崩れてしまうため。そしてこうしたリズムにはいくつかの種類があり、複雑に影響しあうことによって、私たちの体は制御されています。集中力、判断力、創造力といった仕事に関わる能力もその影響下にあります。したがって、時間帯ごとに適した仕事の種類は必然的に異なります。

つまり、時間帯に適した仕事を行えば、効率が上がるということ。それでは、具体的に見ていきましょう。

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朝は下地づくりとコアな業務を

朝は人間が活動するうえで一番集中できる時間帯の1つ。そのため、簡単な仕事ばかりでは“もったいない”といえます。では、どのような使い方が最適なのでしょう?

そこでご紹介したいのは、日本アイ・ビー・エム株式会社で製品開発やマーケティング、事業戦略など多岐に渡る案件を手がけた経験をもち、現在はウォンツアンドバリュー株式会社の代表取締役として、数々の執筆をする永井孝尚さんが行っている方法です。それは、朝最初の30分を1日の下地づくりに使い、残り時間をその日最も重要な仕事に使うというもの。

下地とは、メールチェックやToDoの管理、報告や連絡、整理(情報等)のこと。それらを行うことにより、今日はどんな仕事をすればよいのかが明確になります。また、頭のウォーミングアップになるので、そのあと斬新なアイデアを生みだしたり、複雑な仕事を形にしやすくなったりするのです。この方法ならば、午前中という最も集中しやすい時間を有意義に使えるはず。

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眠くなるお昼過ぎは人と会う仕事を

ランチあとの午後2時から3時ごろは、なかなか仕事に集中しにくい時間帯ではありませんか? それに、激しい睡魔が襲ってくる時間帯でもあります。午後一番の会議で、思わずウトウトしてしまったなんて人も多いはず。

しかし、その時間帯に眠くなるのは仕方がないことかもしれません。実は、午後2時から3時ごろ人間の目を覚まさせる働き(覚醒系)は、体内時計によって一時的に弱められているのです。睡眠や食事に関する研究を行う櫻井武さんは次のように述べています。

体内時計による覚醒系への出力が、午後の2時や3時ごろ、一時的に落ちるということがあります。生体のリズムが実際そうなっています。

(引用元:JBPRESS|これが「昼食たべて眠くなる」本当の理由

加えて、人間に覚醒をもたらす物質オレキシンは、食事によって血糖値が上がると、脳内であまりつくられなくなります。これらの要因が重なって、昼食後は眠くなるというわけです。

このように、午後一番はとても集中しにくい時間帯です。ルーチンワークなど、日常的に反復・継続して行える仕事をするか、打ち合わせなど、積極的に他人と会話できる時間にするとよいでしょう。

夕方は想像力が必要な仕事を

午後4時を過ぎ、仕事の終了時刻が見えてくるあたりからは、創造力を必要とする仕事を行うのが適しています。日本最大級の中古・アンティーク着物通販サイトを運営するICHIROYA代表取締役の和田一郎さんは、自身のブログで次のように考察しています。

ライターズブロックというのは本当に厄介な落とし穴で、意識が冴えているほど落ちてしまいやすい。その点、少し酔っていたり、少し疲れて頭がうまく回らないなあというような時は、批判精神の軛が外れて、自由に創造力を発揮できそうな気がする。

(引用元:ICHIROYAのブログ|疲れて少し眠いような時がもっとも創造的な仕事に向く時間?

ライターズブロックとは、何かものを書く際に、「このまま書いていて、読まれる文章になるだろうか」とか、「ここで何か面白いことを書かなくてはならないのではないか」などと考えすぎて陥る、スランプのようなものです。頭が冴えていると、隅々まで考えが及ぶようになります。すると余計なことまで気になり、ライターズブロックに陥りやすいのだとか。

しかし、疲れてくると頭が回らなくなってきて、「もうこれでいいや」と諦めがつくようになります。そのため文章に限らず、あらゆることを自由に想像しやすくなるのだそうです。朝思いつかなかったアイデアを、夕方もう一度考えてみると、よいアイデアが浮かぶかもしれません。

夜は知識のインプットを

夜は、仕事などで必要な勉強がおすすめです。脳は寝ているうちに知識を整理し、定着させるといわれています。そのため、寝る直前に覚えた知識は記憶として定着しやすいのだそう。

ただし知識をインプットしてから、ゲームをプレイするのはおすすめできません。なぜならば、脳に強い刺激を与えるゲームは、直前にインプットされた知識に上書きしてしまうため、記憶の定着を妨げるから。夜、仕事で使う知識をインプットしたら、ゲームなどで遊んだりせずに早めに就寝しましょう。

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今回の記事をまとめると、時間帯に適した仕事内容は次のとおり。

午前中……最初の30分ほどはメールチェックやToDoの管理、報告や連絡、整理(情報等)
午前中……残り時間は一番重要な仕事
お昼過ぎ……ルーチンワークや人と会う仕事
夕方(4時ごろ)……企画、執筆など創造力が必要な仕事
夜……仕事に使う知識のインプット

仕事をうまくこなしたいという方は是非参考にしてみてくださいね。

(参考)
Wikipedia|概日リズム
マイナビウーマン|記憶力が最も高まる瞬間は?「夜寝る前」
PRESIDENT Online|「寝る前1時間」は勉強のゴールデンアワー
Doctors me|もっとも集中できる時間帯は?【集中力についてのアンケート】
日経ビジネスアソシエ(編集)(2016),『“生産性10倍”の時間術』,2016年2月号,pp.47-49.日経BP社
JBPRESS|これが「昼食たべて眠くなる」本当の理由
ICHIROYAのブログ|疲れて少し眠いような時がもっとも創造的な仕事に向く時間?