記憶術のやり方・効果を一挙紹介! 勉強に役立つ暗記のテクニックとは

記憶術とは、数字や単語などの情報を暗記しやすくする方法。うまく使えば、「記憶力が悪い」と悩んでいる人でも勉強や仕事で成果を出すことができます。

これまでStudyHackerが発信してきた、心理学や脳科学を利用したさまざまな種類の記憶術を、まとめてご紹介します。練習やコツが必要な記憶術もありますが、簡単にできるおすすめ記憶術もあるので、ぜひお試しあれ。それぞれの記憶術について詳しく知りたい場合、リンクをクリックしてみてください。

おすすめ記憶術1:英単語をラクラク暗記できる「分解記憶法」

英単語を覚えるのにおすすめの記憶術が「分解記憶法」。多くの単語を覚えられれば、英会話がスムーズに進みます。現代のグローバル社会において必須のスキル・英語を上達させるのに、特に便利な記憶術です。

多くの英単語は、以下の3要素で成り立っています。

  • 接頭辞:先頭部分。単語の意味を拡張する
  • 語幹:単語の根本的な部分
  • 接尾辞:品詞を決定する

たとえば「destruction」(破壊)という英単語の場合、「de」が「分離」を意味する接頭辞、「struct(組み立てる)」が語幹、「ion」が名詞化の接尾辞。暗記の際は「destruction」とひとまとめにするよりも、接頭辞・語幹・接尾辞に分けたほうが、意味もスペルも覚えやすいですよ。

接頭辞・語幹・接尾辞を意識する習慣は、未知の単語に出会ったときでも役立ちます。「de」「struct」「ion」の意味を知っていれば、もし「destruciton」という英単語を知らなくても、「組み立てたものをバラバラにする、という名詞だな」と推測ができるのです。英語がもっと得意になりたいなら、「分解記憶法」という記憶術をぜひ身につけましょう。

知らない人は損してる? 英単語をラクラク暗記できる「分解記憶法」

「destruction」を分解すると、「de」が接頭辞、「struct」が語幹、「ion」が接尾辞です。

おすすめ記憶術2:英単語と漢字の暗記に「つがわ式記憶法」

英単語や漢字の暗記におすすめの記憶術が「つがわ式記憶法」です。『世界最速「超」記憶法』の著者である津川博義氏によって考案されました。

たとえば「miracle」という英単語のスペルを覚えたい場合、「ミラクル」というカタカナの発音に対応させつつアルファベットをマルで囲んでいきます。「mi」「ra」「c」「le」という具合です。マルで囲うことによって、音とスペルの対応関係が分かりやすくなります。

難しい漢字を覚えたい場合なら、特に間違えやすそうな部分にだけマルをつけます。たとえば「菩提樹」の「菩」の書き方を覚えようとする場合、くさかんむりの下が「音」ではないことに注意しなければなりません。なので、「口」の部分にマルをつけましょう。マルで囲うという行為を通して、注意するべきことが脳にインプットされやすくなるのです。効果的な割に簡単な記憶術ではないでしょうか?

英単語のスペルとカタカナ発音を対応させ、アルファベットのまとまりごとにマルをつけましょう。漢字の場合、特に注意すべき部分にマルをつけましょう。

おすすめ記憶術3:「場所法」という定番

記憶術の基本は、覚えたい情報をほかの情報と関連させること。定番の記憶術「場所法」では、脳内でイメージした部屋の中に覚えたいことを配置していきます。場所法における「部屋」としては、自宅のようになじみ深い場所が最適だとされています。

たとえば、ケネディ→ジョンソン→ニクソン→フォード→カーター→レーガンという順番で米国の歴代大統領を暗記する場合は、以下のようにイメージしてみましょう。ストーリーつきなので、かなり覚えやすいのではないでしょうか? 「場所法」という記憶術をぜひ一度試してみてください。

  1. お父さんがジョン・F・ケネディ国際空港からに帰ってきた。
  2. 息子(son)のジョン玄関で出迎えた。
  3. 息子(son)は夕食を作ろうと、台所を切りはじめた。
  4. お父さんは自動車(フォード)に鍵をかけていなかったことを思い出し、車庫に戻った。
  5. お父さんは疲れて、リビングのソファに腰を沈めた。が凝っている。
  6. お父さんが窓の外に目を向けると、隣の家のレンガ壁が見えた。

記憶術のプロたちに学ぶ「イメージ化+場所法」でなんでも覚えてしまう方法

おすすめ記憶術4:歴史の暗記に効果的! 「歴史しりとり」

特に歴史的な事項を暗記するのに効果的な記憶術が「歴史しりとり」。です。友だちと一緒に、歴史用語のみを使ってしりとりをしていきましょう。用語を挙げるだけでなく、簡単な説明も加えなければなりません。

「歴史しりとり」のメリットは、楽しみながらできること。それに、「Aちゃんと公園のベンチでマックシェイクを飲みながらしりとりをした」のような「関連記憶」が歴史用語の記憶とくっつくので、歴史用語だけを覚えようとするよりも記憶に定着しやすくなります。

「歴史しりとり」は、以下のように進みます。ちょっと難しいかもしれませんが、知識量が増えること間違いなしの記憶術です。

  1. ハンザ同盟:中世に、バルト海沿岸諸都市の商人たちで結成された同盟。盟主はリューベック。
  2. インノケンティウス3世:中世に絶大な権力を振るったローマ教皇。アルビジョワ十字軍を呼びかけた。
  3. イヴァン雷帝:モスクワ大公。16世紀にツァーリ(皇帝)として戴冠し、恐怖政治を敷いた。
  4. インドシナ戦争:ベトナムがフランスから独立しようとした戦い。...

おすすめ記憶術5:五感を使う

聴覚・嗅覚・触覚といった「五感」を使うのも効果的な記憶術です。感覚と記憶を関連づけることで、記憶の「引き出し」が増えます。皆さんも、以下のような経験があるのではないでしょうか?

  • 中学生のときに好きだったバンドの曲を久しぶりに聴いたら、中学校の思い出がよみがえった。
  • 古い畳の匂いをかいだら、小さい頃に遊びに行った祖母の家を思い出した。
  • 久しぶりに鉛筆を持ったら、小学校の書写の授業を思い出した。

感覚と記憶のつながりを意図的に利用しましょう。たとえば何かを暗記しようとする際、視覚・聴覚・触覚を同時に刺激するのです。「菩提樹」という漢字の書き方を覚えたいなら、紙に何度も「菩提樹」と書きながら、「ぼだいじゅ、ぼだいじゅ、ぼだいじゅ……」とつぶやきます。「菩提樹」という情報が、視覚・聴覚・触覚の3つを通して脳に定着することでしょう。

嗅覚を記憶と関連づけたいなら、勉強中にアロマディフューザーなどを用い、特定の香りを漂わせましょう。たとえば、英語の勉強をするときだけ、ローズマリーの精油を使うとします。そしてTOEICの試験会場で、ローズマリーの精油を垂らしたハンカチを鼻にもっていけば、これまで勉強した記憶がよみがえってくるはずです。香りを使った記憶術、ぜひ試してみてください。

記憶の鍵は “結びつき” 。暗記に効く、音と香りと肌触り。

おすすめ記憶術6:「マインドマップ記憶術」

特に人気の記憶術が「マインドマップ記憶術」です。マインドマップとは、簡単に説明すると、情報をクモの巣状にまとめた図のこと。

普通のノートでは、情報が文章や箇条書きとしてまとめられ、上から順番に並んでいます。一方でマインドマップだと、中心にメインキーワードが置かれ、その周囲にサブキーワードが配置され、それぞれ線でつながっています。そしてサブキーワードの種類に情報が書き込まれている、という状態です。

情報を有機的に配置した図を作成することで、文字情報のみの場合と比べ、あるテーマの全体像をイメージしやすくなるのです。見たときに分かりやすいのはもちろんのこと、マインドマップを作る過程でも記憶が定着しますよ。

多くの場合、マインドマップには多数のイラストが用いられます。初めて作る場合、何を描けばよいのかと尻込みしてしまうかもしれませんね。けれど、「どう描くべきか」と意気込まなくても大丈夫。絵が苦手なら文字と線だけでもよいのです。とりあえず、カラフルなペンを3色以上用意して、始めてみましょう。

暗記効率をラクに高めるスーパーテクニック。「カラーBATH」と「マインドマップ」って?

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おすすめ記憶術7:脳科学が保証する「夜寝る前の30分」

私たちの脳は、入ってきた情報を一時的に「海馬」と器官にストックします。その後 “大脳新皮質” へと移すことで、記憶を定着させていきます。この記憶の定着は睡眠を開始した直後から始まるため、実は「寝る直前には暗記がおすすめ」というセオリーは、記憶定着のための戦略として非常に理にかなっていることなのです。

とはいえ、「理論上はそうであっても、実際のところはどうなの?」と感じる方もいるかもしれませんね。そんな方のために、現役東大生のライターが、夜寝る前の30分間を実際に英単語学習に充ててみてくれました。

その結果は、なんと「思った以上の効果の高さに驚かされた」とのこと。具体的にどんな効果を実感したのでしょうか? 勉強の成果はどんな形で現れたのでしょうか? 記憶のコツや寝る前暗記の注意点についても詳しく書かれていますので、よろしければこちらの記事をお読みください。

勉強に使わないなんて損! 東大生が『夜寝る前の30分』を英単語学習にあてて感じた、驚きの効果。

おすすめ記憶術8:記憶量を飛躍的に高める「40秒復習法」

覚えたことを忘れないための方法を考えるうえで、こんな興味深い研究結果があります。

英サセックス大学の実験によると、『何かを記憶した直後に40秒間の復習』をしただけで、2週間後に記憶できている情報が飛躍的に多くなるということが明らかになっています。

(引用元:StudyHacker|たった40秒で効果抜群! 記憶量を飛躍的に高める『40秒復習法』

特に、覚えるべき項目がたくさんあって時間に追われているときなど、私たちはつい先へ先へと焦って勉強を進めがちです。でも実は、ちょっと立ち止まって “たった40秒間の復習” の時間を設けてあげるほうが良いなんて、驚きですね。勉強の進め方を考える、良いヒントになるのではないでしょうか。

たった40秒で効果抜群! 記憶量を飛躍的に高める『40秒復習法』

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脳の仕組み、記憶の仕組みをしっかりと生かせば、「覚えられない」なんて悩みも解消できそうな気がしてきませんか? この記事でご紹介した暗記術・記憶術を、ぜひ普段の勉強に役立ててくださいね。

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