「スライドのデザインがいまいちパッとしない……」
「読みやすいポスターが作れない……」
そんな悩みを持っている方はいないでしょうか。

スライドやポスターは、プレゼンテーションの顔ともいえる存在ですよね。でも、書かれている内容がどんなにすばらしかったとしても、デザインや文字の大きさといった「見え方」が良くなかったとしたらどうでしょう。本当に伝えたいことがうまく伝わらなかったり、相手の印象に残らなかったりと、プレゼンそのものが失敗に終わってしまうおそれだってあるのです。

とは言っても、書籍やWebサイトなど、スライドやポスターのデザインに関する情報が大量に溢れ返っている昨今。実際のところ、私たちは何を参考にすればいいのでしょうか。

そこで今回は、誰もが納得するデザインの指標として『道路標識』を取り上げてみました。実は、スライドやポスターの作成に役立つヒントがたくさん隠れているのですよ。

道路標識のデザイン

外を歩けば自然と目に入る道路標識。日本中のありとあらゆる道路に設置され、交通を円滑に進めるための表示板としてなくてはならないものとなっています。

実は、現在の道路標識のデザインは、明治時代から試行錯誤され何度も変更を繰り返してきたことで生まれたものです。そこには科学的・心理学的な効果が大いに取り込まれており、情報を伝えるものとしては、もはや並ぶものがないくらいの “わかりやすさ” を持っているといえる代物なのです。

そんな道路標識のデザインを参考にすれば、“わかりやすく” “伝わりやすい” スライドやポスターができると思いませんか?

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“目立つ” デザインを学べ!

道路標識でまず大事なのは “目立つ” こと。どれだけ重要な情報が書いてあったとしても、それが人の目に入らなければ全く意味がありませんよね。道路標識のデザインには、人々の目を引きつけるための工夫がたくさん詰まっているのです。

例えば、本当に危ないことを伝える規制標識には主に赤色が使われています。赤色は人の注意を本能的に引きつける性質があり、明るい場所では最も目立つ色だと言われています。ポスターはたいてい明るい場所に掲示されるので、赤い色で目立たせるのは非常に効果的でしょう。

ただ、目立たせたいところは全て赤色にすればいいのかというと、決してそうではありません。先ほども書きましたが、赤色は本能的に注意を引きつけるため、見ている人の心を浮つかせてしまいます。したがって、情報量の多い箇所で赤色を大量に使ってしまうと、落ち着いて読むことができず、伝えたい情報がうまく伝わらないおそれがあるのです。

道路標識でも、赤色は「止まれ」や「進入禁止」などシンプルなものに多く使われています。図やグラフといった「ひと目でわかるもの」の背景やポスターの縁取りなど、赤色はあくまでも視線を集めるために使用するほうがよいでしょう。

また、警戒標識に使われている黄色も、人の目には近く大きく見えるという特徴があるので、赤色ほどではありませんが、同様に注目を集める使い方ができます。黄色ならば赤色に比べて人の集中を乱さないので、重要な文章に線を引いて強調するといった使い方をするのが効果的でしょう。

そして標識に使われている形状も目を引くための工夫のひとつです。例えば制限速度の標識などで道路上で頻繁に見かける丸型は、実際よりも大きく見える効果があるのだそう。スライドのトピックを囲うなどすると、大事な箇所をシンプルに目立たせることができますね。

“伝わる” デザインを学べ!

道路標識にとって、目立つことを同じくらい重要なのは、ずばり “伝わる” ことです。どれだけ目立つデザインを使っても、内容が伝わらなければ意味がありません。そしてこれはスライドやポスターにも同様に言えることです。

目立つ色が赤色ならば、伝わる色は青色です。青色は視認性が高いため、情報を伝えるときに非常に有用な色なのだそう。特に、標識で用いられているような「青背景に白字」や「白背景に青字」は、正確に情報を読み取らせる効果を持った組み合わせ色として、標識以外でも様々な場面で用いられています。実際に学会の研究発表のポスターなどでも、細かい文字で説明が必要な箇所には青色を使うことが多々あります。細かいところまで読んでほしいなど、視認性を追求したいときに使うと良いでしょう。

また緑色も頭をすっきりさせる効果があり、落ち着いてすばやく情報を伝える必要があるときによく用いられます。主に高速道路の標識に用いられていることからも、この効果がわかるのではないでしょうか。その特性から緑色は、じっくり見られるポスターより、画面が次々と切り替わるスライドに用いるのが効果的です。スライド内で少し情報量の多い箇所の背景を緑色にしてあげるだけでも、印象がずいぶんと変わるのではないでしょうか。

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伝えるには “フォント” も重要

もうひとつ、伝えるデザインとして注目したいのがフォントです。文字を使って情報を発信するならば、フォントとは無関係ではいられません。一般的なパソコンやスマートフォンにも非常に多くの種類のフォントが導入されており、スタンダードなものから一風変わったものまで、ひと通りのものはそろっているかと思います。スライドやポスターには、当然その中でも見やすいフォントを導入したいですよね。

一般的に見やすい文字といえば、字が潰れづらくて存在感があり、かつ視認性が高いものです。そこで今回は、最新の道路標識にも用いられている「ヒラギノ角ゴシック体」をおすすめします。このフォントは、公式サイトでは以下のような説明がなされています。

くせのないやや広めのフトコロと、画線両端のアクセントにより、読みやすさと存在感を両立しています。

(引用元:ヒラギノフォント総合情報サイト|角ゴシック

さすがに道路標識のフォントに選ばれているだけあって、見やすい文字の特徴を十分に備えています。ちなみにフトコロというのは、線に囲まれた隙間のこと。これが広いほど、文字は潰れづらくなります。ヒラギノはWindowsでは使えないので、Windowsの方は比較的近い特徴を持つメイリオを選ぶのが良いでしょう。

***
“目立ち” “伝わる” デザインという方向性では、道路標識は完璧に近い完成度を誇っています。スライドやポスターのデザインに迷ったら、道路標識のデザインを参考にしてしまうのもひとつの手ではないでしょうか。

(参考)
内閣府 平成28年版交通安全白書 第2章 道路交通安全施策の現況 第1節 道路交通環境の整備
佐賀国道事務所|17 標識にいろんな色があるのはどうして?
佐賀国道事務所|18 標識に「丸」とか「四角」とかいろんな形があるのはなぜ?
ヒラギノフォント総合情報サイト|角ゴシック