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言葉には力がある。

これは、今まで多くの人が口にしてきたことです。私はこの言葉を目にするたびに、ライターとして肝に銘じなければならないと思ってきました。しかし、それと同時に、力のある言葉を使うことができるのなんて、一部の人だけだろ? 一流のコピーライターとか、特に演説のうまい政治家とか。どうせカリスマだけなんだ。そう思ってしまったのも事実です。

しかし、そうではありません。人の心を打つようなコメントも、思わず相手を行動させるようなコピーも、才能のある人が0から作り出すものではありません。ただ、言葉の選び方が上手なだけなのです。今日ご紹介するこの本には、その「言葉の選び方」のエッセンスがぎっしり詰まっています。

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『伝え方が9割 2』
佐々木圭一著
ダイヤモンド社 2015年
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(以下引用は本書より)

親切心でのアドバイスが、無視されてしまったことはありませんか?
飲み会の出欠確認メールに全然返信くれない人、多いですよね?
部下が報告書の締め切りを守ってくれない、そんな経験ありませんか?

あなたが嫌われているわけではないんです。あなたの言葉選びが下手なだけなんです。
明日からあなたの言葉選びが劇的に変化する、そんな一冊をご紹介しましょう。

相手の頭の中を想像しながら言葉を選べ

何か相手に行動を起こしてほしい場面を考えてみましょう。
冒頭でも紹介した、飲み会の出欠確認を例にとってみます。飲み会の幹事。憂鬱ですよね。もしメンバーが集まらなかったら、自分の責任になってしまいますから。

だからといって、みんな来て! では人は集まりません。相手がどんなことを考えているか、考える必要があります。飲み会に誘われた人が、どんなことを考えているか想像してみましょう。

お金もないし、どうせいつもの飲み会だろ?
気を使うのも嫌だし、適当な理由をつけて休んじゃおーっと。

こんな感じですかね。だったら、彼らが飲み会に対して興味の出るような「好きなこと」を入れて、言葉を選んであげればいいのです。

「今回はなかなか予約の取れない創作居酒屋で、オーガニック料理のコースを格安でおさえてあります! ぜひいらしてください! 」という風に。本当に出席人数が増えるかどうかは置いておいて、「おっ」と思いますよね。『伝え方が9割 2』には、こうしたちょっとした工夫で人にぐっと伝わるようになるエピソードが豊富に盛り込まれています。

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実体験を元にしているから、頭に入る!!

この本のすごいところは、ほぼ全ての「言葉選びの技術」に実際のエピソードが用いられているところ。

私が好きなのは、この例です。

会社の労働組合に入った大江由香さん(仮名)は、悩んでいました。先輩から誘われて入ったのはいいのですが、打ち合わせに出てびっくり。予定していた人数がまったく集まっていなかったのです。大江さんに与えられた任務は、なんと「みんなを打ち合わせに出席させること」でした。

読むだけで気が滅入りそうなエピソードですよね。さて、大江さんはこの後素晴らしいメールを送って、見事組合員の出席率をあげることに成功します。それがこちら。

「打ち合わせのお弁当が選べます。焼肉弁当か、カツ丼、どちらがいいですか?」
すると、いつもは遅い返信が、目に見えて早くやってくるようになりました。しかも、毎回出席しなかった常連からも「私は焼肉弁当で」と返信が来ました。

お見事ですよね。これは「選択の自由を利用する」といって紹介されている技術なのですが、抽象的に説明されるより、ずっとわかりやすくなっています。何より、自分でも使えそう! と思えるんですね。ほぼ全てのエピソードでこうした技術が使われているので、ぐんぐん頭に入ってきます。

***
あなたもこの本にある「言葉選びの技術」を使って、力のある言葉を手に入れませんか? 別にカリスマじゃなくたって、言葉選びひとつで、人を動かせるんです。

(参考)
佐々木圭一著(2015),『伝え方が9割 2』,ダイヤモンド社.


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。