習慣は “少しの工夫” で変えられる。良い習慣が手に入る「悪い習慣を活用する」という方法

変えたいと思っているけれど止められない習慣がある人もいれば、読書に朝活など良い習慣を取り入れたいけど、なかなか習慣化できないという人もいるでしょう。そんな皆様に「無理なく悪い習慣を改善し、無理なく良い習慣を取り入れる」一石二鳥の方法を紹介します。

なぜ習慣を変えるのは難しい?

なぜ、これほどまでに習慣化は難しいのでしょう。なぜ悪習慣を止められないのでしょう。それは、ヒトが変化を嫌う生き物だからです。「ホメオスタシス」という機構が働くため人間の体や脳は急激な変化を嫌い、状態を常に一定に保とうとする性質があります。なぜならば自然界で生き延びてきた生物たちにとって、変化は危険を伴うことだから。

それなら悪習慣を利用してみる

前項で紹介したように、習慣を変えていくことは決して容易ではありません。では悪習慣を止めて良い習慣を身につけるには、どうすればいいのでしょう。そこで今回ご紹介するのは、悪習慣を利用するという方法です。ゼロからではなく、いまある習慣を変えていく方が時間的にも効率よく、継続も簡単なのです。

では、具体的な方法を3つ紹介します。

1.悪習慣をトリガーに

悪習慣を邪険にせず、良習慣を取り入れるための「きっかけ」としましょう。どうしても止められない悪習慣を禁じないスモールステップなので、無理なく始められて成功しやすいはずです。

例えば、ダイエットしたいにもかかわらず間食の習慣を止められない人は、間食前に15分間運動する習慣を取り入れてみてはいかがでしょう。こうすれば、運動しなかった日は間食を躊躇するかもしれません。あるいは、間食にともない運動の習慣がつくかもしれません。もしくは、せっかく運動したのだから、今日は間食しないと決断できることも。

また、つい多くなってしまう晩酌の量を減らしたいならば、あえて晩酌用にヘルシーな料理を自炊すると決めるのはどうでしょう。ヘルシーな料理を作ることも食べることも自身の健康管理意識を刺激するので、必然的にお酒の量は減る可能性が高くなります。

どうしても勉強せずテレビを見てしまうならば、日中3時間勉強したら、夜はテレビを見ていいと決めるのもいいでしょう。悪い習慣を「モチベーション=ご褒美」にしてしまうのです。

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2.良い習慣の妨げを洗い出す

良い習慣を始めるにあたって妨げとなっている点を洗い出すと、必然的に悪習慣を排除できます。なおかつ妨げとなっていた悪習慣を断ち切ることで環境が整理され、良い習慣を取り入れやすくなります。

例えば、あなたが早起きを習慣化したいと考えたならば、妨げとなるのは間違いなく“夜更かし”です。そこでNot to Doリストに夜更かしを入れ、それを実行すれば、万事解決というわけです。習慣を変えるなら環境の管理が大切だと言う、認知科学の第一人者アート・マークマンはこう述べています。

習慣を分析すればはっきりするように、行動の大半は環境が原動力になっている。

(引用元:アート・マークマン著,小林由香利訳(2015),『スマート・チェンジ 悪い習慣を良い習慣に作り変える5つの戦略』,CCCメディアハウス.)

例えば、読書を習慣化したいのに、急がしくて時間がないという人もいるでしょう。ならばNot to Doリストを作ることによって、良い習慣を取り入れにくくしている妨げが見えてきます。この場合には、Youtubeでとめどなく動画を見ている時間、通勤時にぼーっとしている時間といった“無駄に消費している時間”です。これらを排除していけば、読書に充てる十分な時間を確保できるはずです。

無意識で行っていた悪い習慣を意識化して向き合い、環境を整えましょう。

3.悪習慣の原因を活用する

最後に紹介するのは、悪習慣の“原因”を活用して、良い習慣を取り入れる方法です。

例えば、勉強をしているとついついSNSを眺めてしまうという悪習慣をなおしたい人は、まずその原因を考えましょう。それが「時間を確認するためにスマートフォンを触った」という原因であれば、勉強時にはスマートフォンを手の届かないところに置き、腕時計をしたり、目の前に時計を置いたりするのも有効です。

しかし、ここで1つ工夫を加えると良い習慣を取り入れられます。どんな理由でもスマートフォンを触ったら英単語を100個確認するというルールを課してみるのです。悪習慣が断ち切れるばかりか、英単語の勉強を習慣化できるはず。

隙間時間に英単語を勉強しようと決めていても、時間ができるとついついスマートフォンに手が伸びていた人もいるでしょう。それならば、スマートフォンに触ろうとする行動を、英単語を確認するトリガーにすることで良い習慣が定着していきますよ。

また、例えば散財して後悔することが多い人は、衝動的に買ってしまう癖があるのかもしれません。ならば、予定外の物を買うときは、その同額を貯金すると決めてみましょう。そうすれば、本当に欲しいものかどうか買う前に吟味する癖がつき、いい物に巡り合って購入したとしても貯金する習慣がつきます。

*** 悪い習慣を利用して良い習慣を身につける3つの方法を紹介しました。悪い習慣を断つのも、良い習慣を作り上げるのもなかなか難しいですが、どうせ試すならいっぺんに解決できるこれらの方法がおすすめです。習慣をテーマとする本を多く執筆する佐藤伝氏によれば、習慣を変えれば人生も変わるそう。いい習慣を獲得して素晴らしい人生を送りましょう。

(参考) アート・マークマン著,小林由香利訳(2015),『スマート・チェンジ 悪い習慣を良い習慣に作り変える5つの戦略』,CCCメディアハウス. Study Hacker|人生は習慣で変えられる! 才能よりずっと大切な「習慣化」の技術。 佐藤伝著(2010),『たった1分でできて、一生が変わる!魔法の習慣』,学習研究社. Wikipedia|恒常性

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