本は “熟読” する必要なし! 東大生おすすめの「本の読み方」と、手に取ってほしい良書3冊。 

皆さんは普段どのくらい読書をしていますか?

アメリカでの調査によると、30代で年収3,000万円の人の読書量は、ビジネスパーソンの平均の38倍なのだとか。読書に対し「よいもの」と漠然とした印象を抱いている人は多いと思いますが、読書は「デキル人」にとって必須といえるほど重要な習慣なのです。

それじゃあ自分も読書をしよう、と思っても、今まで読書習慣のなかった人は「最後まで読み切れない」「そもそもどの本を読めば良いんだ?」など、色々な壁を感じてしまうかもしれません。まずは「無理なく読書を続けられる方法」と「種類ごとの本の選び方」を知り、読書に対するハードルをグッと下げてみませんか?

本はなるべく“サラッと”読もう

読書に対し、本とじっくりと向き合って内容をとことんまで吸収しつくす、というイメージを持っていませんか? たしかに、時間をかけて1冊の本をじっくりと読む「熟読」にもよい面はあるのですが、熟読は忙しいビジネスパーソンに適した読み方ではありません。

『遅読家のための読書術』の著者であり書評家の印南敦史氏は、「熟読しなければ内容をつかめないタイプの本でない限り、少し読み飛ばすくらいで流れや内容がわからなくなることはない」と話しています。本を読んだことで、少しでも知識や発見が頭に残ればよいのだそうです。

印南氏は以下のようにも語っています。

読書の真の価値は、たくさんの本を読んで、それぞれの中で“価値を感じるような1%”に出会うこと。その小さなかけらが集まってつながり合い、知識として大きく成長していくんです

(引用元:ウレぴあ総研|本は“流し読み”でいい! 1日1冊読破も可能「新しい読書術」のコツ4つ

忙しい生活の中でたくさんの本を読んできた成功者たちは、多くの本をサラッと読む「多読」のパターンを採用しています。時間と労力を節約しながら価値ある出会いを見つけていくことが、ビジネスパーソンにとって最善の読書スタイルなのです。

読書は音楽鑑賞やビデオゲームなどをしのぐ非常に高いリラックス効果を持ち、ストレスの解消に役立つことが、サセックス大学の研究によってわかっています。今まであなたが行ってきたストレス解消法を読書に置き換えてみると、ストレスを解消しつつスキルアップができるかもしれません。

オススメの読書ジャンル1:ビジネス書

ビジネスパーソンが読書をしようと思ったとき、最初に目に留まるのが「ビジネス書」というジャンルではないでしょうか。成功者の体験を元にした“指南書”には、自分の仕事生活にすぐに応用できる情報がたくさん書かれています。しかし、ビジネス書ブームとも言われる昨今、ビジネス書が多すぎて、どの本を手に取ればよいのかわからない、という人もいると思います。

どのビジネス書を読むか決められない人には、ビジネス書の決定版『七つの習慣』をオススメします。 『七つの習慣』はアメリカの経営コンサルタント、スティーブン・R・コヴィー氏によって書かれたビジネス書で、仕事でのマネジメントや職場での人間関係、時間管理などに役立つ習慣を含んでいます。『七つの習慣』では古代ギリシャの思想家・アリストテレスの考え方が重視されており、習慣を改善することによって人間の内面的な改善と成功を導くことができる、ということが述べられているのです。

『七つの習慣』はビジネス書としてトップクラスの売り上げを記録したベストセラーでもあります。書店のビジネス書コーナーで大きく扱われていることが多いので、皆さんも一度は目にしたことがあるかもしれません。読んで損のない一冊といえるでしょう。

東大生おすすめの本

オススメの読書ジャンル2:哲学書

哲学書は「難しそうだし役に立たないだろう」と思うかもしれません。ですが、役に立たないということはありません。

もちろん、哲学書の中には本格的な学術書もありますが、実生活に直接つながる問題を哲学的に考えた、簡単に読むことができる哲学書もたくさんあります。優れた哲学書は、日常生活ではあまり考えたことのなかった視点を私たちに提示することで「物事の本質」に気づかせてくれ、パッと目の前が開かれるような感覚を与えてくれます。

「本質的なものの考え方」は、ビジネスにおける問題解決に役立ちます。問題解決に役立つ哲学書としてオススメしたいのは、千葉雅也氏の『勉強の哲学 来たるべきバカのために』です。

『勉強の哲学 来たるべきバカのために』はフランス哲学を基盤とし、読者に対して「本質的な勉強の仕方」を指南するという内容。しかし、『勉強の哲学 来たるべきバカのために』は「暗記術」などの勉強テクニックに一切触れず、我々が無意識に縛られている「常識」の呪縛から離れ、物事の本質を突き詰めていく方法としての「勉強」を哲学的に考えています。

『勉強の哲学 来たるべきバカのために』の最大の特徴は、哲学的な内容とは裏腹に非常に理解しやすい語り口と、実際の会話などを例にしたわかりやすい解説です。哲学的な内容にもかかわらず、哲学的知識がなくても簡単に読むことができます。哲学ってどんなものか、ちょっとだけのぞいてみるかな、という人にとっては最良の一冊になるはずです。

オススメの読書ジャンル3:小説

「ビジネス書」「哲学書」と同じくらいにオススメしたいジャンルが小説です。

カナダ・トロント大学の研究によって、フィクションを読むことは人間の共感能力を高めるとわかっています。小説を読めばコミュニケーション能力が高まり、仕事によい影響が出るのです。

小説は知識の宝庫ですから、小説を読むことを通して得た知識が会話で役に立つということも多いでしょう。また、小説を読むことで物語の世界へ没入でき、リラックスしてストレスを解消することもできます。

小説と一口に言っても色々なものがありますが、特におすすめなのは短編集です。長編小説はついつい先が気になって夜中まで読み続けてしまう可能性がありますが、短編集であれば忙しい中でも読みやすいでしょう。それに、好みではない話だったら読み飛ばして次の話に移れるというのも、短編集のよいところですね。ちなみに私のお気に入りは村上春樹氏の『神の子どもたちはみな踊る』という短編小説です。

インターネット上には「おすすめの短編集〇選」というサイトが多く存在していますから、紹介されているなかから気になった本を選んでみてはいかがでしょう。

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「人生を変えた一冊」という言葉があるほど、本との出会いは人間にとって大きなものになり得ます。忙しい日々の合間を縫って、少しずつ読書の習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。

(参考)
World U News|本棚を見ればあなたが何者か判る。あなたの年収も判る。一流の人の読書法とは?
ウレぴあ総研|本は“流し読み”でいい! 1日1冊読破も可能「新しい読書術」のコツ4つ
TELEGRAPH.CO.UK|Reading ‘can help reduce stress’
Gow Magazine|知的なストレス解消法!読書でストレスが消える事実
Wikipedia│7つの習慣
THE WALL STREET JOURNAL|小説を読めば共感力は培われるか
スティーブン・R・コヴィー著, フランクリン・コヴィー・ジャパン訳 (2013),『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』, キングベアー出版.
千葉雅也 (2017),『勉強の哲学 来たるべきバカのために』, 文藝春秋.

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