「長時間働けばいい」は時代遅れ。残業なしでも成果を出せる、3つの仕事効率化テク。

残業禁止なのに、定時で帰れない……。仕事が多すぎる!

このような嘆き声を上げたり、聞いたりしたことがあるという方は多いのではないでしょうか?

もともと残業してようやく終わる業務量。仕事の多さは変わらないのに残業禁止令が出されてしまうと、持ち帰って仕事をせねばならず、大変ですよね。

仕事を早く終わらせるには、仕事の効率を上げることが不可欠です。今回は、仕事の密度を上げる方法について紹介します。

残業に対する規制が強まる社会

政府が掲げる「働き方改革」の影響で、残業を規制する動きが多くなってきています。例えば、2017年5月19日の日経ビジネスOnlineの記事では、残業を規制する取り組みが次のように紹介されました。

日本KFCホールディングスは4月から、本社と支社に勤務する社員を対象に午後8時以降の残業を原則禁止した。(中略) また、川崎市は5月11日から、市職員の午後8時以降の残業を原則として禁止した。(中略) 東京都も小池百合子知事の指示で、昨年秋から午後8時以降の残業を原則禁止している。

(引用元:日経ビジネスONLINE|一律残業禁止に潜む「危険」

このようにして職場が残業を禁止すれば、社員は仕事を早く切り上げざるを得なくなります。仕事を早く終わらせることができれば、自由に使用できる時間が増えますね。その時間はもちろん趣味に使うこともできますし、仕事のスキルアップに利用することもできます。ですから、残業を減らすこと自体は良いことであるはずなのです。

仕事を持ち帰らないため、効率をあげる必要がある

ただ、弊害として「仕事の量が多すぎて、残業しなければ終わらないのに、残業できない」という状態が起こっていることも確かです。

例えば、2011年にこの「持ち帰り残業」が原因で、英会話学校講師の女性が自殺したと考えられる事件が発生しています。

2011年に英会話学校講師の女性が自殺したのは、自宅で長時間労働する「持ち帰り残業」が原因だったとして、労災認定されました。

(引用元:NIKKEI STYLE|長時間の「持ち帰り残業」がもたらすリスク

もちろん、残業禁止の取り組みが成果を上げている企業も、数多くあります。しかし、持ち帰りを含めた残業をなくして全業務を全うできるように社会全体が変わるには、まだまだ時間がかかりそうです。

仕事を効率よく終える工夫その1:業務の目標を明確にする

私たちの仕事がなかなか終わらないとき、その理由は大きく分けて、仕事量が多いこと、そして、仕事の効率が悪いこと(仕事が遅いこと)の2つに分類されます。(取引先との兼ね合いや海外支社との時差の問題、夜間対応の問題などの事情は除きます)

仕事の量が変わらないのだとしたら、私たち自身にできることはひとつ。それは、「業務時間内に仕事を終わらせるため、仕事を効率化する」ということです。ではどのようにすれば、仕事を効率よく終えられるでしょうか? 今回は3つの工夫を紹介します。

1つ目は、業務の目標を明確にするということです。

短い時間の中でより多くの業務をこなすために必要なのは、目標まで最短距離を行くということ。そのためにはまず、1日の業務内容とその具体的な到達目標を可視化する必要があります。1日のうちにやらなくてはならない仕事の内容を書きだすことによって、本当にその仕事を今日中に終えられるのか、見通しを立てるようにしましょう。

例えば、「大量のメールを返信する」ことと、「会議資料を作成する」ことを1日のうちに終わらせなければならない場合について考えてみます。

  • メールの返信:1時間で全部終わらせる、内容が相手に伝わればOK。
  • 会議資料の作成:定時までに終わらせる。外部向けのものではないので、凝った資料にする必要はない。

このように、何をどれくらいのレベルで終わらせるのかを書き出してみてください。こうすることによって、必要なラインを守りながら、効率的に仕事を終わらせる準備ができます

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工夫その2:作業を細切れにして、集中力を維持する

また、仕事の効率を上げるためには高い集中力を保つことが必要不可欠です。同じ業務内容でも、集中して行った場合と注意散漫な状態で行った場合では、かかる時間も仕事の質も変わってくるはず。したがって、仕事中いかに集中力を維持するかが大切になります。

しかし、みなさんご存知の通り、集中力は数時間ずっと持ち続けられるものではありません。そこでおすすめなのが、ポモドーロ・テクニックという時間管理術。やるべきことは簡単で、短い作業時間と休憩時間を設定し、それを繰り返し行うというものです。具体的なやり方は以下の通り。

1. Todoシートの優先順位の高いものからタスクを選び、25分のタイマーを設定します。 タイマーをスタートし、終了するまで作業します。 2. タイマーが鳴ったら5分休憩します。 3. これを4ポモドーロ繰り返します。 4. ポモドーロ終了したら、15分から30分間の長めの休憩を取ります。これを一日に数回繰り返します。

(引用元:リクナビNEXTジャーナル|生産性がグングン上がる!「ポモドーロ・テクニック」って知ってる?

ポモドーロ・テクニックでは、作業と休憩のサイクルをただ繰り返せばよいのではありません。大切なのは、作業中には目の前の仕事にしっかりと集中すること。メールをチェックしたり別の業務に手を出したりしてしまわないように。休憩をはさみつつ集中力の高い状態を維持することで、1日の仕事時間をトータルで見たときに、高い集中力で仕事をしている時間帯が多くなります。それが、業務全体の効率向上につながるのです。

上記の流れでは25分を作業時間としていますが、この時間はみなさんが自由に決めて大丈夫です。注意点は、時間をきっちり守ること。休憩時間を守ることはもちろんですが、作業時間も守ることが大切です。もしも作業を長く行ってしまうと「さっきあれだけ頑張ったから、今回は休んでもいっか」という気持ちが生まれることがあります。なので、時間をきっちり守ったほうが、うまくいく可能性が上がるでしょう。

工夫その3:睡眠をとる

効率的な業務を維持するためには、毎日、集中力を充足させることも大切です。したがって、生活習慣を整えてきっちり睡眠や食事をとることも大切でしょう。

特に、睡眠不足は集中力の敵で、睡眠不足が続くと、脳の機能は酩酊状態の時と同じくらいになってしまうのだそう。

『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載されたペンシルバニア大学の睡眠研究者、デービッド・ディンジスの研究によると、4時間睡眠が2週間続いた被験者は、疲れているが特に問題ないと回答していた。そこで一連の試験を実施すると、彼らの脳機能はゼリーに近かった。6時間睡眠が2週間続いた被験者の脳は、事実上酩酊状態だった。

(引用元:PRESIDENT Online|外資コンサルが"完全休養日"を作った理由

効率的な業務を行うためにも、健康のためにも、睡眠時間はきっちりと確保したいものですね。

*** 今回は仕事の効率を高める方法について紹介しました。「残業が多い」、もしくは「仕事を持ち帰ってしまう」という方は参考にしてみてください。

ただし、人間の能力は均一ではありませんし、一人でできることには限界があります。自分が壊れてしまっては元も子もありません。もしも限界を感じたら、業務そのものを断ることも視野に入れてみてくださいね。

(参考) 日経ビジネスONLINE|一律残業禁止に潜む「危険」 NIKKEI STYLE|長時間の「持ち帰り残業」がもたらすリスク リクナビNEXTジャーナル|生産性がグングン上がる!「ポモドーロ・テクニック」って知ってる? PRESIDENT Online|外資コンサルが"完全休養日"を作った理由 PRESIDENT Online|退社時間を死守すれば、脳が冴えるよみがえる BUZZFEEDNEWS|残業禁止、5時退社の会社が成長を続ける理由 長時間働いても生産性は上がらない

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