英単語暗記法をHACKしろ! 短時間で英単語を暗記する "科学的" な方法。

短時間で英単語を暗記する科学的な方法

「英単語を短時間で覚えるコツってない?」「英単語を覚えるのが苦手……。」「覚えてもすぐに忘れてしまう……。」そんな悩みを抱える人、大勢いますよね。英語力を向上させるためには、単語をたくさん知っておくと有利なことは言うまでもありません。

「知らない単語は文脈で推測すればいいんだよ」なんてうそぶいてみても、知らない単語は聴き取れないし、自分で使うことはできません。単語の暗記は避けては通れない道なのです。

もちろん、英単語「だけ」覚えても話すことはできません。実際には文法や、言い回し、適切な表現や使い方もまとめて覚えていくことが重要ですが、それでも、ある程度までは単語帳などで一気に語彙力をつけると話が早いのです。基本的な単語プラスアルファくらいはぱぱっと覚えてしまいましょう。

単語を覚えるってどういうこと? 効果的な暗記法を考える。

では「英単語を覚える」とは、具体的にはどういうことなのでしょう。 細かく見てみると、次のステップに分けることができます。

  1. 英単語を見てきちんと音がわかり、対応する日本語訳を言える。
  2. 日本語の単語を見て、対応する英単語を言える。

ここまでは、英語←→日本語のペアを覚えていくということですね。 さらに、各英単語を正確につづる(スペリング)というステップも加わります。

実はこのスペリングが曲者……。中学生のころ、漢字の書き取りのように何度も何度もスペルを紙に書いて覚えた経験はありませんか? 先生が、1ページ練習してきなさいとか言ったりして、毎日練習したという方もいらっしゃるかもしれません。大人になってからも、同じような方法でスペリングを覚えようとしていませんか?

でも、ある程度英語を勉強したあとなら、発音が分かる単語であれば、おおよそのスペルは推測できるのではないでしょうか。それに、英語ネイティブスピーカーでもあまりに複雑で使用頻度の低い単語はうまく書けなかったりするもの。読めて意味が分かればそれで事足りるということもあります。日本人が「難しい漢字を読めるけど書けない」というのと同じようなものですね。

スペルを覚えることを重視するあまり、日本人学習者(特に中学生)が犠牲にしがちなもの。それが「音」です。しかし、英単語は「音」「発音」が命といっても過言ではありません!

ある中学生は “baseball” というつづりを覚えるために、なんと「バセバじゅういち」というとんでもないオリジナル発音を編み出していました。スペルを覚えるためには、一時的な効果があるかもしれませんが、そんな風に覚えていると聞けなくなってしまいますよね……。

英単語がどのように発音されるのか、ということがわかっていないとリスニングの際に全く役に立ちません。ペーパーテストでしか英語を使わないのなら、それでもなんとかなるかもしれませんが、実際に英語を使ってお話をしなければならないのなら、聞いて理解できる知識は必ず必要なものですね。

今回は、単語をみて正しい発音が想起でき、かつ対応する日本語をぱっとイメージできるということをまずは目指していきます。

英語をみて日本語を「引き出す」練習

では、「英単語を見てきちんと音がわかり、対応する日本語訳を言える」という状態をつくるにはどうすれば良いでしょう。

手順はこうです。

STEP.1

まず、英単語とそれに対応する日本語訳のリストを準備します。市販の単語帳でOKです。はじめは10から20個くらいのリストが良いでしょう。そのリストを見ながら、ひとつひとつ発音しながら日本語訳を確認していきましょう。

この時必ず用意しておきたいものは、CDなどの音源と発音記号。発音記号を毛嫌いする人もいますが、ちょっと慣れるとこんな便利なものはありません。ふつうにやれば数時間で主要なものは完全にマスターできるはずです。スマホアプリは、単語と音がまとまっているので便利ですが、発音記号を載せていないものも多いので注意が必要です。 アプリはあまり英語に詳しくない人が作ったようなものも多いので、そのあたりも合わせてチェックすると良いですね。

なんとなく覚えたなと感じたら次のステップ。

STEP.2

日本語部分を何かで隠して、リストの上から順に英単語を見ていきます。英語に対して、一瞬で日本語訳を言えればOK。言えなければすぐにあきらめて答えを確認してください。「うーん、うーん」と3秒くらい考えてひねり出しても意味がありません。あくまで、すぐに反応できたものだけを合格としてください。

20個くらいあれば数個は言えない(反応できない)単語が出てくるのでは? その場合はまたリスト最上部にもどって同じことを繰り返してください。その際には、「さっき言えたものを除かない」というのがポイント、正解のしたものも不正解だったものもまとめて全部テストしなおしてください。不正解だけをチェックする形式だと、著しく効果が落ちてしまいます。ここはほんとうに重要なのでもういちど言います。

「正解したものも、間違ったものもまとめてテストし直す」 これがとてもたいせつです。特に長期間記憶するときに効果がまるで違います。

全体としては、英単語の意味を「覚える」練習ではなく、覚えた意味を「引き出す」練習というイメージです。英単語を使うときというのは、覚えている英単語の日本語訳を頭の中から引き出しているわけですよね。だったら、引き出す練習をしなければだめなんです。あたりまえのお話ですね。

実は人間は覚えたことは忘れません。完全に脳から消えてしまうのではなく、思い出せなくなる、つまり引き出せなくなっているのです。このことは、科学的にも明らかになっています。人間の記憶は、アウトプット時に強化されていきます。

これでその日の学習は終了です。学習というより、ぱっと言えるようになる練習、トレーニングと捉えるほうが近いと思います。

日本語から英語も同じような手順ですすめていけます。

日本語を見て、英語を引き出す練習

この手順は、英語を見たら日本語がぱっと言えるよ、という状態ができてから取り組みましょう。日本語を母語とするみなさんは、日本語の単語についてはすでに頭の中のデータベースに入っているわけです。これを「心内辞書」と言って、高校を卒業するくらいの時期には登録されている単語は、数万に達すると言われています。 「英語を見て(音を認識して)、対応する日本語を呼び出す」というプロセスでは、あたまの中にしっかり入っていて自在に使えるような言葉(母語)を呼び出してくるのですから、比較的負荷が軽いのです。

そのプロセスを通して、英語と日本語のペアリングがある程度できてから、次のステップである「日本語を見て英語を思い出す」という手順に進むのが効果的です。

手順自体はさきほどと同じ。リストの英語の部分を何かで隠しながら、対応する英語を発音していきます。発音できないものはすぐに答えを確認。何秒も考えないとできないものは出来ているうちには入らないというのも先ほどと同じです。

短時間で英単語を暗記する科学的な方法3

英単語を覚えてもすぐ忘れます。どうすればいい?

上記の方法で単語を覚えていくと、ものの数分で20個くらいの単語は言えるようになるでしょう。100個くらいなら30分もかからないと思います。でも、すぐ忘れてしまうんですよね。100個くらい覚えても、翌日には20個とか30個くらいしか覚えていないということもあって、それで心が折れてしまうことも少なくありません。

でも、よく考えてみてください。そもそもどんな覚え方をしても、単語はだいたい同じようなスピードで記憶から消えていきます。一生懸命覚えても、さらっと覚えてもどっち道忘れてしまうのです。

だったらインプットにかける時間はできるだけ短い方が良いに決まっています。

ものを覚える時に効果的な方法は、大きく分けるとたったふたつ。ものすごく情動に訴えかける印象的な出来事とともに覚えるか、または繰り返し反復するかのどちらかです。

単語ひとつひとつ覚えるのに、ものすごく印象的なことを毎回引き起こすのはあまりにも骨が折れますね……。身が持ちません。

つまり、現実的にはなんども繰り返していくしかないのです。

そして、反復を前提にするのであれば毎回のセッションが短時間で済むことが必須ですね。毎回1時間もかかるようなことを何度も繰り返すのは不可能に近いのですから。面倒すぎる。

その意味では、毎回単語を書いて覚えるという方法は極めて挫折しやすいのです。ひとつひとつ書いていたら、30個くらいの英単語を覚えるために下手をすると1時間くらいかかったりします。それで翌日5個くらいしか覚えていないってどうですか・・・・・・心が折れませんか。心がとても強い人でなんとか一週間くらい頑張っても、ずっと続けられるということはないはずです。

だからあくまで、毎回のインプットはさらっとやること。その上で、何度もそれを繰り返すことがたいせつです。

100個単語を覚える、それで翌日20個だけ記憶に残っている。 そしたら100個丸ごと覚え直す。その翌日に覚えている数は50個くらいだと思います。 3日目もしつこく100個まとめて見直してください。今度はその翌日に80個くらい覚えてるでしょう。 こういうことを繰り返すと、トータルではかなり短い時間で単語を記憶に定着させる、つまり忘れない記憶として英単語を頭に残すことがことができますよ。

***
いかがでしょうか。すぐ忘れてしまう! と嘆く前に、忘れてしまうことを前提に、記憶のメカニズムにのっとった科学的な方法を試してみてください。キーは「覚える」のではなく、「引き出す練習をする」というところと、「しつこく繰り返す」というところにあります。書いて覚えちゃだめですよ! スペルは後回しでどんどん進めてください。

ちなみに、語呂合わせで覚えるというのも「たまには」ありです。どうしても覚えられないものもありますからね。個人的にお気に入りは「あれすっと(arrest)、逮捕する」です。

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