みなさんこんにちは、英語職人・時吉秀弥です。今回は、一見ややこしい as ~ as の構文を簡単に、そして確実に作る方法をお伝えします。

as ~ as をはじめとする「比較」の文を苦手とする英語学習者は多いと思います。なぜなら、文が長くなるからです。そしてなぜ長くなるのかというと、ひとつの文の中に「比較するもの」と「比較されるもの」というふうに、ふたつも情報を入れなければならないから。そのため、こういう文をいっぺんに作ろうとすると必ず頭が混乱します。でも、小さな部分をひとつずつ順番につけ足していくようにすると、割と楽に、そして正確に作れるんです。

as ~ as の文を習うときに、ほとんどの方は「as ~ as …」=「…と同じくらい~だ」というふうに習っていると思います。このときに、as ~ as の文が苦手になるひとつの原因が発生するのです。それは「as ~ as …」が「ひとつのセットなんだ」と思いこんでしまうこと。もうちょっと正確にいえば、1回目の as と2回目の as がそれぞれ何をやっているのかをあまり考えずに、とにかく「as ~ as …」というかたまりだけで考えてしまう、ということです。逆に言えば、1回目の as の役割と2回目の as の役割をそれぞれきちんと理解すれば、文が長くなっても、きちんと組み立てられるということなんです。

比較の文は「普通の文」から考える

as ~ asの文の作り方を説明します。冒頭で、「比較の文はいっぺんに作ろうとすると頭が混乱する」と述べました。スタートはいつも単純であることが大切です。

例えば、これくらい単純な文を作ってみましょう。

He speaks English well. 「彼は英語を話すのがうまい。」(直訳:彼は上手に英語を話す。)

【1】では、この文の中で「様子」を表している言葉を探しましょう。he と English は人や物の名前ですから名詞です。speaks は「話す」という動作を表していますから動詞。well はどんなふうに英語を話すのか、speaks の様子を説明しています。つまり、well が様子を表す言葉です。

【2】さて、様子を表す言葉が見つかったら、その前に「1回目のas」をつけましょう。

He speaks English as well. 「彼は同じくらい英語を話すのがうまい。」(直訳:彼は同じくらい上手に英語を話す。)

このように、1回目の as は様子を表す言葉の前につき、「同じくらい~」という意味を持ちます

【3】次に、「彼は同じくらい英語を話すのがうまい」と聞けば、「え? 誰と同じくらい?」という気持ちがわいてきます。英語は結論になるような骨組みの情報(軽い情報)が先にやってきて、それを補足する詳しい情報(重い情報)は後に来ますから、「誰と同じくらい、うまく」なのかを説明するための重い情報は、2回目の as を使ってこの後につけます。では、つけてみましょう。

He speaks English as well as our teacher does. 「彼は私たちの先生と同じくらい英語を話すのがうまい。」

これでわかる通り、2回目の as の意味は「基準」です。「誰を基準に考えて同じくらいうまいのか」を表しています。as の後ろの our teacher does は our teacher speaks English がもとの形です。なぜもとの形がそのような形になるのかといえば、比較には、「比べるものと比べられるものは同じ形になる」という重要なルールがあるからです。

He speaks English.
Our teacher speaks English.

同じ構文の形をしていますね。このふたつの事柄を比べているのです。

Our teacher speaks English. がなぜ our teacher does という組みこまれ方をしているのかを説明します。He speaks English. の中にすでに speaks が出ているので、繰り返しを避けるために代動詞 does で言い換えています。そして、English も繰り返されるので省略されています。does も省略して our teacher だけでも間違いではないのですが、our teacher does というふうに S + V の形をはっきり見せたほうが聞き手がわかりやすいので、does を残すほうがより一般的です。

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「2回目のas」をどこに置くか、の意識

ここで大事なポイントがありますので、よく覚えておいてください。as ~ as の文を作るとき、2回目の as は「文末」につける、という意識を持ってください。なぜこんなことを強調するのかというと、以下のような間違いがよく起きるからです。

I make as much as money she does. 「私は彼女と同じくらいお金を稼いでいる。」

どこがおかしいかわかりますか?
そうです。2回目のasの位置ですね。中学で習う as ~ as の基本例文が、

She is as tall as I.
He can swim as fast as Jeff.

というようなパターンが多いせいで、知らず知らずのうちに「as 形容詞 as」「as 副詞 as」という語順に慣れてしまっているのです。ですから上記の問題文でも、“何も考えずに” as much as money とやってしまう人がかなりいるのです。そこで、今回覚えた文の作り方をもう一度試してみてください。まずは I make much money.(1*)という基本の文を思い浮かべて、それから、

I make much money.I make as much money.

とまでやったら、2回目の as はどこに置くんでしたっけ? そう、「文末」です。ですから money の後に as が来なくてはいけません。

I make as much money as she does.

となるのです。

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「as ~ as の間が長い」文の読み方

それでは最後に as と as の間が長い文の読み方を確認しましょう。受験問題をはじめ、少しレベルの高い英語の文章になると、こういうパターンが出てきます。

There are as many and various wild animals around here as ten years ago.

as と as の間にこれだけたくさんの言葉が挟まっています。これを「後ろから訳しあげる」なんてことをしていては、いつまで経っても自由に英文など読めるようにはなりません。先ほど習得した as ~ as の「それぞれの as の意味」を意識しながら順々に前から読んでいきましょう。前から英文を読んでいくコツは、区切りの良いところで自問自答しながら読んでいくことです。

【1】There are 「いますよ」(何が?)
【2】There are as many and various … 「同じくらいたくさん、そして様々な~がいますよ」(同じくらいたくさん、様々な、何がいるの?)→ 1回目の as は「同じくらい~」
【3】There are as many and various wild animals 「同じくらいたくさん、そして様々な野生動物がいますよ」
【4】There are as many and various wild animals around … 「同じくらいたくさん、そして様々な野生動物が~のあたりにいますよ。」(どのあたり?)
【5】There are as many and various wild animals around here 「同じくらいたくさん、そして様々な野生動物がこのあたりにいますよ。」(何と同じくらいたくさん?)
【6】There are as many and various wild animals around here as ten years ago. 「10年前と同じくらいたくさん、そして様々な野生動物がこのあたりにいますよ。」→ 2回目の as は文末につけ、何と同じくらいなのかの基準を表す。

この文も、
There are many and various wild animals around here. 「このあたりには多くの様々な野生動物がいる」
という基本の文を as ~ as 構文で拡張したものなのです。

(1*)正確に言えば、この I make much money. という文は不自然な文です。なぜなら、肯定文で so も as も too もつけずに much を「裸」で使うのは自然ではないとされるからです。本来なら much の代わりに I make a lot of money. とするところなのですが、今回は as ~ as 構文を説明する便宜上、このようになりました。