みなさんこんにちは、英語職人・時吉秀弥です。

今回は、other(s) と the other と another の違いと、その具体的なイメージについてお話をします。これらの区別に苦労する学習者はたくさんいます。どれもこれも「別」とか「ほか」という日本語訳がつきやすいからですね。しかし、実際には明確なイメージの違いがあります。ここをつかんでしまえば、使い分けは容易です。

others

others は「2回目の some 」です。といってもそれだけではわかりませんよね。そこでまずは some の基本的なイメージから確認です。

1. some:全体の中から適当に、サンプルとしていくつか取り出したイメージ。
2. others:「2回目の some」。頭の中に抽選箱をイメージしてください。

A)まず、抽選箱に手を突っ込んで適当にいくつか中身を取り出します。これが some です。
B)次に、さっきの some で取り出したのとは別に、もう一度同じ抽選箱に手を入れ、再び適当にいくつか取り出してみましょう。これが others 。つまり「2回目の
some 」です。
C)したがって、other は some と同じく「適当にいくつか取り出す」ことなので、可算名詞では必ず複数扱いで、others か、other ~s という形になります。other 単独で使われることはありません。
D)また、others / other ~s は some とはペアでよく使われます。

例:Some students go to school by bus, and others go by train.
「中にはバスで学校に行く生徒もいるし、電車で行く生徒もいる。」

この文のイメージは以下のようになります。

「生徒がいっぱい入っている抽選箱に手を突っ込んで、適当に生徒を何人か取り出してみたよ(=some)。この生徒たちはバスで学校に行くんだよね。これとは別に、もう一度抽選箱に手を入れてまた何人か適当に生徒を取り出してみたよ(=others)。この生徒たちは電車で行くんだ。」

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the other

1. 必ず「2つのうちの残りの一方」というイメージを持つこと。
2. the が other の前についているのには理由があります。the は「ほかのではなくて、それ」というのが根っこの意味です。別の言い方をすれば、「ほかにはない、それしかない」というふうに「決まってしまうこと」です。すると……。

(a)目の前にボールが2つあると考えてみましょう。
There are two balls.
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(b)そのうち1つは黒いボールで……
One is black.
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※「黒いボール」の説明は済んだので、黒いボールの話題はここで終了という意味の「×」印です。

(c)残りの1つは白です。
The other is white.
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このように、「黒+白」の状況から黒を引けば、残りは白しかないわけで、the other を直訳すると、
白と黒の2つのうち、すでに述べた黒とは別のヤツ(other)といったら、もうそれは白しかない(the)でしょ。
ということになります。ですから the other には the がつきますし、必ず「2つあるうちの」という世界になるわけです。

ちなみに、the others というのもあります。the others は「2つのグループのうちの残りの一方のグループ」ということです

There are a lot of balls. Some are black, but the others are all white.
「たくさんのボールがあります。いくつかは黒ですが、残りは皆、白です。」
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黒と白の2つのグループのうち、黒以外は皆、白(他の色のボールはなくて、白しかない= the )。そして白は複数個存在するので the others となるわけです。

another

1. 「お代わり」が根っこのイメージです。
2. another = an + other 。つまり、「さっきのとは別に(other)、何でもいいから、ひとつ(an)」というのが another の直訳です。
3. 先ほどの others で出てきた「学生のたくさん入った抽選箱」を思い出してください。この抽選箱から誰でもいいから適当にひとり取り出したのが、a student 。その生徒とは別に、誰でもいいからもうひとり適当に取り出したのが、another student 。つまり「生徒をもうひとりおかわりした感覚」です。

例:I asked one student, but he didn’t know anything. So I asked another student.
「ある学生に聞いてみたが、彼は何も知らなかった。そこで、私はもうひとり別の学生に尋ねてみた。」

a が単数形の名詞と一緒に使われるように、another も an + other の世界ですから、「another + 単数名詞」で使われるのが原則です(実は例外があるのですが、それはあとで説明します)。ここらへん、some と似たイメージである other が others / other ~s という複数形で使われるのと対照的ですね。

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練習問題で理解を深めよう

それでは、ここまでの内容を確認するために、いくつか練習問題に取り組んでみましょう。

Some people think Japan is still competitive enough, but (  ) don’t.
「中には日本はまだ十分競争力を備えていると考える人もいるが、そうでない人もいる。」
1. others  2. the other  3. another  4. other

→ some との対応関係から、答えは 1. others だとわかります。適当に何人か取り出すイメージなので複数扱いです。だから4の other は不可。

There were two men in the room. One was tall, and (  ) was portly.
「2人の男がその部屋にいた。ひとりは背が高く、そしてもうひとりは太っていた。」
1. other  2. another  3. others  4. the other

→「2人」の世界ですから、「残りの一方」は 4. the other です。

I have three brothers. One lives in Okinawa, and (  ) live in Fukuoka.
「私には3人の兄弟がいる。1人は沖縄に住んでいて、残りの2人は福岡に住んでいる。」
1. the others  2. others  3. the other  4. another

→ 3人の兄弟を「沖縄に住んでいる」のと「福岡に住んでいる」という2つのグループに分けています。2つのグループのうちの残りの一方で、しかもそのグループは2人で構成されていますから複数扱いで、1. the others が正解です。このように、「2人/2つ」が出てくると、the other(s) が答となります。

Would you care for (  ) cup of coffee?
「もう1杯コーヒーいかがですか?」
1. other  2. another  3. others  4. anothers

→「おかわり」のイメージは 2. another です。another は an が含まれる単数イメージの言葉なので、4. anothers というのはありえません。

実はanotherの後ろには複数形の名詞が来ることもあります。いったいどういうときでしょう?

We have to wait for (  ) 30 minutes.
「私たちはもう30分待たなければいけない。」
1. other  2. another  3. others  4. the other

→正解は 2. another です。今回は 30 minutes という複数形の名詞が来ています。

実は「another + 単数形名詞」というのはルールではありません。another で守られるべき唯一のルールは「おかわりをもう1回」ということなのです

例:another cup of coffee
「おかわりのコーヒー」

これは、「さっき飲んだのとは別に、またもう1杯のコーヒー」ということを表します。すると、これと同じ感覚で「これまで歩いたんだけど、もうひと歩きしよう。ちなみに歩く距離は3マイル」というとき、

I’ll walk for another three miles.

となるわけです。ここでも「もうひと歩き(つまり「歩く」のおかわりをもう1回)」という another のルールが守られているわけです。ただその「もうひと歩きの中身」が3マイルなので three miles となっているだけなのです。上記の問題でも「これまで待っていたのに加えて、もうひと待ちする」という「おかわりをもう1回」という感覚が another を使わせているわけです。