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“説得できる英語力” のためのトレーニングプログラム。「理由」をすぐに言えますか?

“説得できる英語力” のためのトレーニングプログラム。「理由」をすぐに言えますか?

みなさんこんにちは、英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」の英語職人・時吉秀弥です。



前回『ビジネス英語力は「説得できる」英語力。ほんとうに仕事でつかえる、英語力の鍛え方。』は、「人を説得するための英語」に特化することで、短期間で効果的に『話す・書く』の英語を練り上げていくことができるというお話でした。今回は「人を説得するための英語」を身につけるためにどんな訓練をすればいいのか、というお話をします。

「自由に話す」は難しい

何でもいいから自由に話せ、ではかえって何を話せばいいか、わかりません。大事なのはきちんとした「型」をつくり、何を言うのにもその型を出発点にし、困ったらその「型」に戻る、という訓練を繰り返すことです。

「人を説得する」ことの基本の型は「意見(~するべきだ)+理由(なぜなら~だからだ)」です。一見するとこんなにシンプルなのですが、これは日本人にとってとても大事なのです。なぜならここには実は、「英語話者が得意とし、日本語話者が苦手とするポイント」が隠れているからです。それは一体何だと思います? それでは動画をご覧ください。


英語では「理由」を尋ねることで「あなたの話に興味があるよ。もっと深く知りたいな。」という意思表明をすることになるのですが、日本語では理由をやたら尋ねるのは「問い詰める」感じに聞こえたり、相手を詮索している印象があって、はばかられるのが普通ですね。このため、日本語話者は英語話者に比べて、理由を考えることにあまり慣れていないのです。

これに気づかないまま日本語話者が英語で会話をするときに、相手に理由を尋ねられて「え? いや、何で、って言われても……」と絶句してしまうわけです。そこで何も言えなくて、「あー、何も言えなかった。英語って難しいわ。」と勘違いしてしまう人が結構いるのですが、実は単純に理由が思いつかなかっただけである場合も多いのです。こういうのも、普段から「反射的にうまく理由を思いつく」訓練をすれば簡単に力がつくものです。その訓練の仕方をご紹介しましょう。

「理由」じゃなくていい、「連想」でいい

反射的に理由を思いつく訓練をしてみましょう。例えば、「一人で過ごす休日 対 友だちと過ごす休日」で、思い浮かぶこと、つまり連想するものを書き出してみてください。

一人で過ごす休日:「寝て過ごす」「すきな映画を見る」「ピザを丸ごと独り占め」「ずっと本を読む」…… 友だちと過ごす休日:「パーティをする」「カラオケに行く」「ピザをみんなでシェアする。」「みんなで映画を見に行く」「スポーツをする」……

そんなに難しくありませんね。そしてこれはそのまま「理由」に転用することができるのです。


連想で浮かぶことはそのまま理由にも使える、ということがわかりますね。ここで言いたいことは、理由というのは大したものじゃなくていい、ということです。どんな質問が来るのか予測できない面接試験で、とっさに「意見+理由」を述べるには、大げさに考えていてはいけない、ということなのです。

「でも、そんな薄っぺらで適当なものじゃ、説得力なんか出ないよ!」と思うそこのあなた。「だいたいそこから先、どんな風に話を広げればいいのさ?」と思っていることでしょう。

では、こんな軽い理由がどうやったら説得力を持った意見になるのか? そして、一つの段落を構成することができるようになるのか? それを成立させるためのゲーム形式の訓練を紹介しましょう。

Whyゲーム

そもそも「意見が薄っぺらい」とか、「説得力がない」というのは、「根拠に深みがない」というのが原因で起きるものです。では根拠に深みを出すにはどうすればいいのか? 解決法はこうです。

「一つの理由に対して、最低3回『なぜ?』を問いかけ、深く掘り下げていけば良い。

例えば、「一人で過ごす休日の方がいい。だって好きな映画が観れるから。」では、確かに大した議論は作れないように思えます。そこで、これに「なぜ?」を問いかけてみましょう。


さぁ、こうしてwhyを数回投げかけてみました。結構意見が深まりました。

例えばですね、仮に今回、英語の資格試験の2次試験の面接とか、会社の面接で指定されたトピックが「動画ストリーミングサービスをどう思うか」だったとして、先ほど動画で述べた内容をまとめるとあら不思議、説得力のある段落(パラグラフ)がひとつ、出来上がりです。


***
できるだけ単純な英語で、例えば、8歳の子供にわかるように話すつもりで英語を紡ぎ出すことがポイントです。難しくて長い文を無理して作ろうとせず、シンプルで短い文をたくさん作る、ということですね。このような訓練を積み重ねることで「人を説得するために文章を組み立てる」思考回路が体の中に出来上がってきます。思考回路ですので、これは日本語でも英語でも活用できます。

気をつけてほしいのは、スポーツ感覚で訓練するべきだ、ということです。体を使い、実際に口を動かしましょう。お勉強感覚ではいけません。頭でわかっていても、口から自然に言葉が飛び出さなければ意味がないのです。イメージが浮かんだら、それが即自動的に言葉に変換されるレベルまで行きつくまで、何度も口を動かして、身振りもつけて(これ結構大事です!)、リアルな気持ちでしゃべりましょう。

今回ご紹介したメソッドは全体のほんの一例にすぎませんが、こうしたやり方で今、ENGLISH COMPANYでは「英語で人を説得できるアナタ」を生み出すプログラムが進行中です。シンプルな型に基づいた、シンプルな「運動訓練」を積み重ねることで、アナタの体から、人を説得する英語が発信されるようになるのです!



→連載第1回「時吉秀弥が解説! 英語で『ここはどこ?』が “Where is here?” にならないわけ」

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