10分以内で解くべき数学の問題集

大学入試の数学の勉強で、多くの方が大事にするのが「解法」「考え方」です。確かに数学の教科書を読めば、いくつかの基本的な定義からはじめて、定理ないし命題を導いて世界を構築していくストーリーを、ベクトル、数列、微積分といったいろいろな単元で体験できます。当然、道中にある「考え方」が重要であって、公式や解法を闇雲に覚えていくという姿勢はその対極にあるといえるでしょう。

しかし、実際の入試本番では、まさに「時間との勝負」。いくら考え方がわかっても、無制限に時間がかかってしまっては、解答を書ききる前に試験終了の合図がなってしまいますね。入試の対策には、時間制限の中で素早く的確に解法を見抜くトレーニングが必要不可欠といえます。

本書は、その時間制限をテーマとした問題集の10min.バージョン。数学ⅠAⅡBⅢ全分野から、まさに小問集合で出題されそうな、即座に手を動かして答える問題群が収録されています。

他にも1問に対して掛けられる時間に応じて20min., 30min.とシリーズが用意されており、まさにアウトプットに適した問題集といえます。医学部志望の人は日大医学部など最初の小問集合対策にももってこいといえます。

基本的な公式や定番の解法ですぐに手が出る問題が満載

基本的な公式や定番の解法が確認できるように、各章には各単元に登場する定義・定理・公式等が網羅的にカバーできるように編まれていますので、入試対策の一冊目にピッタリといえます。ただし、問題自体は、教科書章末問題や網羅系問題集と比べると多少ひねってあるように見えるものも存在するので、完全初学者の人にはおすすめできません。本書に入る前に、最低、教科書の章末問題までは全範囲取り組んでおきましょう。

tonaki-mjtp-ec
受験にこそパーソナルトレーナーを。4年間、一次試験すら通過できなかった僕が『医学部合格』を勝ち取れた理由
人気記事

解説編のページ数は問題編の5倍以上! 計算過程までみっちり紹介

問題集を使って自習をしていて、「解説が何を言っているのかわからない」というのは誰でもぶつかる壁でしょう。無視して一旦先に進むというのはどうしても心理的に抵抗があって、そこで立ち往生してしまう人も多いハズです。周りに質問できる相手がいればよいですが、独学の状況だとなおさら難しいといえます。
本書は、著者の配慮から、解説ページが相当分厚くなっています。計算過程を丁寧に書いてくれているので、読者が行間を埋める必要がありません。疑問が生じないように丁寧に式変形などしてくれているので、読むだけでスッキリ理解できることでしょう。

解説にある”POINT”と”CHECK”で問題の本質を効率的に学習

それぞれの問題の解説の冒頭には”POINT”として、「この問題にはどういう思考をすれば良かったか」という着想部分についてヒントが書かれています。解答を読む前にまずはここの文章を熟読して、理解に努めてください。”POINT”の内容を頭に入れながら、後に続く解答を読みましょう。
そして、解説の最後には”CHECK”という項目があります。この問題を通じて、できるようになったことがリストになっていますので、チェックマークがつけられるかどうかを必ず確認してから次の問題に進みましょう。チェックが付けられるかどうか心配になったら、関連事項や関連問題を教科書や教科書傍用問題集で探したりしてみてくださいね。

制限時間の意識を養おう

序文で「時間意識をもって問題を解くこと」「解答までの所要時間を見抜くこと」が時間配分の感覚を養う上で気をつけるべきことだと著者は述べています。これまでの問題集には、時間配分にまで言及したものはほとんど存在しませんでした。「実力をつける」というのは「時間内に合格点を取れる答案が書ける」ということは、案外、受験生の皆さんにとってそこまで重要視されてなかった点かもしれません。センター試験でも数学Ⅱ・Bなどは特に試験時間に対して問題量が多く、手際よく捌く力が求められます。
本書の収録問題数は合計166問。1日1時間ほど時間をとることができれば、5問ペースで、およそ1ヶ月強で終了させることができます。医学部受験生が小問集合対策に秋あるいは直前期に一通りやってみるのも良いでしょう。