場合の数と確率の超基本レベルから大学入試の最難関レベルまですべてのパターンを網羅

文系・理系問わず入試頻出でありながら意外と苦手な人が多い「場合の数・確率」。数え上げのときに、区別したり区別しなかったり。Cを使ったりPを使ったり。高校1年の早い時期から習う代わりに、根本の部分を勘違いしたまま進んでしまう可能性のある、とても厄介な単元です。
「合格る確率[+場合の数]」は、そんなあなたのもやもやを段階学習と図解で徹底的に取り去ってくれます。超基本レベルから大学入試の最難関レベルまですべてのパターンを網羅した革新的な一冊です。
1学期や夏休みのうちにじっくり取り組んで、苦手だった「場合の数・確率」を一気に入試発展レベルまで引き上げてしまいましょう。

鍵の1つは「段階学習」

取り上げられるテーマは合計で100個。とっても多いように感じますが、これらは5ステージに分かれており、しっかりと基盤を作り上げていくところから始めていくことができます。特に最初のステージは「原理原則編」と銘打ち、場合の数の基本である「数え上げ」など、教科書ではさらっと流してしまう項目でも、補足や注意事項をこれでもかというほど入れ込んで、丁寧に解説してくれています。
もちろん、後半のステージでは上級者にとっても読み応えのあるテーマがたくさん。「ランダムウォーク」「ポイヤの壺(ポリアの壺)」「巴戦(2016年東大で出題)」「カタラン数」など、数学が得意な受験生でもたじたじなタイトルばかり並びます。漸化式や極限との融合問題も扱われているところも難関大を目指す受験生にとって価値あるポイントの一つでしょう。

mtp-ec
苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
人気記事

もう1つの鍵は「図解」

「場合の数・確率」の問題の特徴に一つが「問題文が長い」。文章で説明されてもイマイチぴんと来ないことが多く、そこが他の単元よりもさらにとっつきにくくしている原因の一つでもあります。本書では解答に至る前に、まず問題文で与えられた条件を図や表を使ってひと目でわかるようにまとめます。ベン図やカルノー図も頻繁に使って、とにかく明快な理解を心がけています。
ベン図は知ってるけど、カルノー図って何? と思う人はこの本を読めば、明日にでも意味がわかるだけでなく、使いこなすことができるようになりますよ。

暗記カードで典型手法をがっつり習得

問題を解く際に必要な「現象の理解」「基本手法の選択・適用」が他の単元と比べて重くなるのが「場合の数・確率」。まずは与えられた条件を視覚化をしてしっかり現象を捉える。これができても、どの手法を適用していいかわからない、となってはおしまいです。
著者の広瀬和之氏の「合格る」シリーズではおなじみの「カード」を利用して、しっかり典型手法を暗記しましょう。巻末には、教科書レベルの問題が「典型手法」として一問ずつカードの形で掲載されています。この「暗記カード」を全部切り離して、まるで単語帳を見るかのように移動中に使えば、しっかりこの単元の基礎を確立することができます。

実は参考書界トップレベルに面白いコラム

随所に織り込まれているコラムが非常に面白いものになっています。例えば、降水確率や打率など身の回りの一見確率と思われるものに筆者がツッコミを入れていくコーナーがあります。いろいろ混同しがちな確率をこのコラムを読んで一度整理してみてはいかがですか? 他にもギャンブルでの確率に焦点を当てたものなどいろいろな話題が取り扱われますが、いずれも数学的あるいは数学史的な背景を含むもので、とても有意義な息抜きばかりあります。

短期間に集中して終える

筆者が大事にしているのは「短期集中学習」。短期間にどっぷり「場合の数・確率」の世界にどっぷり浸かって、一通り基礎的な内容をおさらいしてみましょう。
ステージ1やステージ2は、基本中の基本なので、ある程度確率に慣れている人は読むだけでも構いません。
ステージ3およびステージ4は、入試問題の確率で聞かれることが多かったり、これらを応用して問題を解くことが多いので集中して取り組むべきです。1ITEMにつき20~30分程度かけて、1日3ITEMは取り組むようにしましょう。そうすれば、1ヶ月で終わります。
毎日1時間以上かけることは億劫かもしれませんが、確率が入試で出題される頻度を考えると、これくらいやって当然でしょう。
余裕のある人はステージ5にも取り組んでみてください。そのうちの一つのテーマである「巴戦」は2016年の東大で出題されたばかりです。このステージまで読破できれば、場合の数・確率でコケることはもうなくなるでしょう。