数学Ⅲの基本事項と入試基本問題をセットで網羅

大学への数学シリーズから、数学Ⅲの基礎固めができる参考書兼問題集が登場しました。数学Ⅲの教科書は一通りやり終えたので受験準備に入りたいという人、必読です。講義編と演習編の2部に分かれており、入試基礎レベルの内容を絶妙な量と質で学習できます。普通の問題集のように量が多いわけではなく、さくっと1ヶ月から1ヶ月半でこなせる分量となっているので、受験勉強開始直後にはじめて、網羅系問題集や1対1対応の演習にスムーズにつなげていくことができます。

講義編でクイックに基本事項を習得

明確に姉妹書と設定されているわけではありませんが、それにあたる「大学への数学 入試数学基礎演習」では事項の解説なしで、シンプルに精選された問題が集まっている構成でしたが、本書の場合、問題に入る前に「講義編」というコーナーが設定されており、関数、極限、微分法、積分法、面積・体積・弧長、式と曲線、複素数平面と7項目についてコンパクトに解説してくれています。
内容も、教科書のように定義や定理についての硬い説明がなされているのではなく、語り口調で、問題を解くときの考え方についてしっかり言及しているので、読みやすく、また具体的にどんな作業を行えばよいのかということが明瞭になります。例題もありますので、ただ読み流すのではなく、紙と鉛筆で手を動かしながら読むようにしましょう。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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演習編は2セット分の問題を収録。計算問題も充実

演習編には教科書章末問題レベルの問題が並んでいます。講義編で学習した内容をさっそく問題演習してみましょう。特に極限・微分・積分については計算問題が充実しており、入試の標準・発展レベルへの橋渡しのための基礎固めを十分に行うことができます。教科書だけでは手法がわかりにくいものも含めて、講義編と合わせてしっかり体系化していきましょう。
なお、2セット分含まれていますので、セット1で学習した内容が根本から理解できているかどうかの確認をセット2で行うことができます。「大学への数学 入試数学基礎演習」でもそうでしたが、例題を1つ紹介したらすぐその下に練習問題が配置してあるというよくある構成ではなく、一通り15問ほど問題を載せてあるページが2つ続いている構成なので、ヒントなしで取り組める点で教育的配慮があるといえます。

精選公式集は簡潔にまとまっており、直前の確認にうってつけ

巻末には数学Ⅲの公式集が掲載されています。6ページで完結していますので、試験直前にぱぱっと確認するにはうってつけです。特に極限はlim[θ→0]sinθ/θ=1など覚えておかなければどうしようもない(もちろん証明は教科書で確認してください)公式が多く、ど忘れなどはあってはならないことです。2次曲線(放物線、楕円、双曲線)も定義や焦点の座標などを覚えていないと苦しいことが多いでしょう。
試験直前に初めて見るというのではあまり頭に入ってこないかもしれないので、事前に一つ一つ丁寧に目を通し、チェックペンを入れておいてください。

取り組む前は一度教科書をやってから。そしてやるなら短期間で。

基礎固めとはいえ、完全未習の人や、定義・定理・公式・性質もろもろほとんど忘れてしまったという人が読むと、ちんぷんかんになってしまうのではないかと思います。あくまで教科書を一通り終えて、教科書練習問題のような簡単なものは一度手を付けたことがあるという状態で取り組んでください。
そして、取り組むなら短期間で終了させましょう。1ヶ月で終了を目安にしてください。講義編・演習編ともに6章構成なので、毎週1.5章分のペースで進められればきれいに1ヶ月で終了できますね。その後は1対1対応の演習や網羅系問題集(Focus Goldや青チャート)に進み、入試標準レベルの学習に進んでください。