入試レベルまで踏み込んだ理論化学の解説参考書

受験化学の学習の基本は、教科書を読み込むこと。入試の出題者も教科書を見て問題を作成しているから。作問者が見ているもので勉強することが合格までの最短距離であることは言うに及ばずでしょう。しかし、果たして化学の教科書は、誰にとってもわかりやすく書かれているでしょうか? 非常に表現が固く、理解に苦労する方もいるのではないでしょうか。

本書は、生徒と先生の対話であったり、カラフルな表やグラフをふんだんに用いて、教科書の内容をわかりやすく噛み砕いて説明してくれます。それだけでなく、入試レベルまで踏み込んで深い解説のおかげで教科書を読み込むよりも高いレベルに到達することができます。問題演習に入っても知らない知識だらけで全然解けないということも減るでしょう。

理論化学の知識に不安を感じている受験生にぜひ使っていただきたい1冊です。自習で教科書と合わせて読むもよし、学校の授業と復習として読むのもよし。夏休みが始まるまでに、この1冊をしっかり読み込むことができれば、夏休み以降の問題演習が非常にスムーズに進むことでしょう。ただし、全くの初学者が読むには少しハードルが高いかもしれません。学校の授業やある程度独習した経験をお持ちでない方は、『岡野の化学が初歩からしっかり身につく』などでまずは基本中の基本事項を頭に入れてから本書を読んでいきましょう。

カラフルで見やすい解説

化学の参考書の定番である「解法カードシリーズ」の理論編です。全ページフルカラーで、色文字、下線や太字など色を活かした見やすいレイアウトが特長的です。もちろん見やすいだけでなく、難しい内容も丁寧にわかりやすく解説されているので、同じ時間教科書を読み込むよりもより多くの内容を深く理解することができるはずです。
ちなみに、重要単語には英訳も振ってあるので、大学に入ってからも折に触れて参考にできる作りになっている点もGOODポイントですね。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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読者の「なぜ?」を解決してくれる対話形式

事項を説明するのに、先生と生徒の対話形式を採用している点も特長の1つです。まずはそのテーマにまつわる問いかけを冒頭で与えます。その解答を、理由、背景、それぞれの理論の関連性を絡めて、先生と生徒の対話を通じて解説してくれます。途中、会話の中で生徒が発する疑問が、我々読者の多くが学習時に抱くものであり、特に化学を独習している人にとっては非常にありがたいポイントといえます。著者も、まえがきで、読者の抱く疑問を解決したい思いで本書を著したと述べており、学習者のことを思って書かれていることが伝わります。
なお、これらは記述問題で最も聞かれるところですから、きちんと理解して記述問題で高得点を狙えるようになっていきましょう。

なんといっても「解法カード」

なんといってもこの参考書の最大の特徴はタイトルにもなっている「解法カード」。テーマごとに重要ポイントがまとめられている別冊付録のことで、わかりやすくポイントをまとめたノートを想像してもらえればわかりやすいでしょう。理論化学の最重要点を、56枚のカードにぎっしりと詰め込み、本文で解説した事項を改めて覚えやすいように整理してくれています。
コンパクトで携帯性に優れているので、通学時の電車など空き時間を使って復習できるのがとても便利です。

おすすめの使い方

内容を読みながら理解するとともに、特に赤枠の部分をノートやルーズリーフに写して覚えましょう。そして、通学時の電車などで「解法カード」で復習します。本文だけでいうと400ページ強あり多少分厚いですが、その分読みやすく書かれていますから、最低1日10ページは読破していきましょう。1ヶ月半で1周読み終えることができます。特に投げかけられている質問と解答には注意を払ってくださいね。

なお、本書には最低限の例題しか収録されていませんので、読み終えたら、『エクセル化学総合版』『化学[化学基礎・化学]基礎問題精講』『化学[化学基礎・化学]の良問問題集』などしっかりした問題集で演習を行ってください。