国公立・難関私大入試で高得点を目指そう

「難関校突破を約束」と謳う本書は、東大・京大・一橋大をはじめとする難関国公立大学の2次試験対策や、早稲田・慶應・上智など難関私立大学の個別試験対策に向いています。一言で言えば、教科書と用語集と資料集を合体したもの。テーマ史学習や論述対策など発展内容に進みたい人が手に取るべき参考書の一つです。「説明が簡潔すぎてイメージがつかめない」「用語集の説明が長すぎてよくわからない」「図説・資料集は図ばかりで説明がない」こういったイライラを一冊で解消してくれます。
高1・高2の定期テスト対策から使用することもできますが、内容がやや高度なので、教科書を用いた通史の学習が一通り終わった段階で、本書に進むのがよいでしょう。難関大学受験生の中でも日本史で差をつけたい人にお勧めします。

内容の理解と問題解法の両面を意識した見開き構成

本書は見開き2ページを1つの単位とする構成で、左ページには歴史の流れの説明が書かれています。説明は教科書より詳しく、ちょうど、用語集で補うべき情報が最初から教科書本文に織り込まれているのをイメージしてください。索引が充実しており、また章立ても教科書より細かく区切っていて、段落ごとに「守護の権限強化」「半済令」「守護請」のような小見出しがついているので、用語集のように使うこともできます。右ページは「入試の視点」と題され、難関大学の入試に役立つ発展的内容を扱っています。教科書には載っていないが入試ではよく出題される史料とその読み方、受験生が混同しがちな事項の区別、盲点となる事柄への注意喚起、知っていると印象に残る周辺知識など、実践的な観点からのアドバイスが豊富です。

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頻出論述テーマを教えてくれる一言メモ「入試」

難関大学の受験生のうち、多くの人が論述問題の対策をどうしたらよいかわからなくて困っているのではないでしょうか。論述問題を解けるようになるためには、無論、教科書や参考書の精読が必要です。しかし、ただ漫然と読むのではなく、何かテーマを決めて、問題意識を持ちながら読まなければ重要な視点は身に付きません。
とはいえ、テーマを決めるといっても、どのようなテーマを設定したらよいのか、自分ではなかなか見当がつきにくいですよね。そこで頼りになるのが、本書の右ページの「入試の視点」に記載されている一言メモ「入試」。この一言メモでは、難関大学の入試出題例を踏まえ、大学入試の論述問題で問われやすいテーマを教えてくれます。たとえば、「議会政治の進展」の単元では、「超然主義を要点をおさえてまとめ、さらに、超然主義が困難になった理由も論述できるようにしておくこと。」といったアドバイスが書かれています。このようなアドバイスを踏まえて教科書や参考書を読み直す過程で、ただ漫然と読んでいるだけでは見過ごしていた歴史的事象の意味が浮かび上がってきます。

テーマ史学習で差をつけよう

本書のもう一つの目玉は、第1編から第4編に収録されている通史に加え、第5編で扱われているテーマ史解説です。大学入試では、古代史や近現代史といった時代別の出題以外に、一つのテーマに沿って複数の時代にまたがる内容が出題されます。このテーマ史という出題形式は、日本史が得意で定期テストでは満点近く取れるような受験生でも苦手とする人が多く、したがって上位受験者層のなかでも差がつきやすい形式です。本書では、法制史や社会運動史、仏教史など24のテーマを網羅しており、これを通読することでテーマ史の流れをつかむことができます。定番問題集の1つである『実力をつける日本史100題』(Z会出版編集部・編)と本書では、テーマの設定が共通しているので、本書でテーマ史のインプットをしてから、『実力をつける日本史100題』で問題演習を行うとより効果的です。

発展問題を解く前のインプット用に

本書の1つ目の使い方は、『実力をつける日本史100題』(Z会出版)や『日本史B 1問1答 完全版』(東進ブックス)など、発展内容を含む問題集に取り組む前に本書の該当範囲を熟読する、という使い方です。いまあげたような発展問題集を解いていると、「こんなの教科書に書いてあった?」と戸惑うことがよくあると思います。教科書よりずっと詳しく説明している本書を熟読しておけば、そのような戸惑いを解消することができるでしょう。ただし、初学者が最初から本書や発展問題に取り組むと消化不良に陥るので、教科書を中心とした通史の学習を終え、センター試験で8割程度取れるようになった段階で取り組むことをお勧めします。

論述問題を解く際の調べ学習用に

本書の2つ目の使い方は、本書を参考にしながら論述問題の答案を作成する、という使い方です。過去問や問題集の論述問題を読んで、問題の趣旨までは理解しても、どのような答案を書いたらよいのか自力ではなかなか思いつかないものです。そこで、その問題と関連する単元を本書のなかから探して熟読してみましょう。論述問題の答えになりそうな記述に逢着するはずですから、その記述を参考にして自分なりに答案をまとめてみましょう。論述問題が解けるようになるには、一定の問題意識をもちながら教科書や参考書を熟読するという経験が必要です。その経験の積み重ねによって、それまでは気がつかなかった、個々の事象の歴史的な意味を発見し、あらゆる論述問題に対応できる力がついてきます。そのような訓練のため、本書は限りなく豊富な材料を提供してくれるでしょう。