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パターンプラクティスとは

パターンプラクティスは、文法を文の型(パターン)を通して身につけ、瞬間的に使えるようにするための練習方法です。身に付けたい文法表現が入った例文を少しずつ変化させながら、繰り返しトレーニングします。

英文法を頭で理解することと、実際に正しい文法を使って話す、ということはまったく違うことです。話す際には、ゆっくりと文法について考えていては会話は成り立ちませんから、言いたいことがほとんど自動的に口をついて出てくるようにしなければなりません。

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パターンプラクティスの方法

では、実際に具体的な練習方法を見てみましょう。たとえば、現在形の一般動詞を使った英文を使えるようになりたいとします。
下記の例文を基本文と考えてください。

I play soccer every Sunday.

この文で、主語の I をShe に変えてみるとどうでしょう? IがSheに変わることで、動詞も変化させる必要がありますね。She plays tennis… と、動詞に三人称単数現在の -s をつけて、plays としなければ文法的にあやまりだからです。

She plays tennis every Sunday.

となります。先生やペアのクラスメートに、「She」「We」などと指示をだしてもらい、瞬間的に反応できるようにしていくとよい練習になります。

では、every Sunday を last week にすればどうなるでしょう。next Monday にした場合は? それぞれ、過去や未来の話になりますから、動詞の形を変えなければなりません。

このように、他の時制や助動詞を学習する練習にすることもできます。

文中の単語を変えるのに合わせて、時制とそれに伴う動詞の形、名詞の単数形と複数形、能動態と受動態などを変えていくことで、基礎的な文法をすばやく運用する力をつけていきます。

上記の例では簡単すぎると思うかもしれませんが、関係代名詞や現在分詞を含む文だと、難易度が上がってきます。肯定文だけでなく、疑問文や否定文に挑戦してみるのもいいでしょう。

また、学習したい文法項目を含んだ英文の和訳を見て、瞬時に英文を発話してみるのも有効です。例えば、関係代名詞であれば、「英語で書かれた手紙」「髪が長い少女」という日本語の文を見て、

a letter which is written in English
a girl whose hair is long

と瞬時に言えるか実際にやってみましょう。似たようなパターンの和文を見て、リズムよくたくさん発話していくと効果的です。

Beautiful happy couple standing and talking over blackboard background with blank speech bubble

パターンプラクティスの効果

英語で会話をしているときに、瞬時に反応でき、しかも文法ミスのない正しい文を作れるとすばらしいものです。そのための練習として、パターンプラクティスは避けて通れないものです。

母語を習得中の子どもや、いきなり外国語環境に放り込まれた人はことばをチャンクで理解し、そのまま使います。

たとえば”don’t know”を「doとnotの短縮形がknowの前についている」と分析的に考えるのでなく、「わからない」= “don’t know”と理解し、使用するのです。

どの言語も有限個のチャンクを組み合わせてコミュニケーションを取っているので、その最もシンプルな形がpattern practiceだと言えます。

まず、外国語である英語を「口で言ってみる」、「考えて少し変えて言ってみる」ところから始められるので、敷居の低い練習でありながら、実は英語でコミュニケーションを取るのに最も大事な練習法のひとつです。

パターンプラクティスの注意点

やり方次第では単調なトレーニングになりがちなパターンプラクティス。そのため、一度に長時間行うより、勉強に取りかかる際のウォーミングアップとして、あるいは勉強の合間に気分を変えるために行うなど、タイミングを工夫してみましょう。

徐々にスピードをあげて難しくしていったり、友達と一緒にゲーム感覚で取り組むのも楽しいものです。

慣れるまでは、あまり難しい英文だとスムーズに進めることができずにストレスがかかってしまいます。普段よく使う表現を中心に扱うと、実際に英語を話す際にも直接役に立ち、効果を感じやすくなるでしょう。

監修:田浦 秀幸
シドニー・マッコリー大学で博士号(言語学)取得。大阪府立高校及び千里国際学園で英語教諭を務めた後、福井医科大学や大阪府立大学を経て、立命館大学大学院・言語教育情報研究科・教授。伝統的な言語手法に加えて脳イメージング手法も併用することで、バイリンガルや日本人英語学習者対象に母語や第2言語習得・喪失に関する基礎研究に従事。その研究成果を英語教育現場に還元する応用研究も行っている。


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