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スキャニングとは

スキャニング(scanning)とは、簡単にいうと「拾い読み」のことで、大量の文章から特定の情報を探し出す技術を言います。

母語による日常生活での使用頻度はとても高く、例えばインターネットで調べ物をしているとき、あるいは書籍の中から必要な情報を探し当てるときによく行われます。
調べ物をするときには、文全体を一語一句読んでいくのではなく、キーワードを頭の隅に置きながら、その単語をさがすようにして読み進めていくのではないでしょうか。

スキャニングではそのように、英文をスキャンする(ざっと見る)ように読みながら必要な情報だけを抜き取ります。

日常での英語の文章の読み取りや、各種の英語のテストなどにおいて、かなり長い英文を読まなければならないことがあります。そんなとき、いつでもたっぷりと時間があるわけではありませんよね? そんな時に、スキャニングを使うことによって、必要な情報を特定することができます。例えば試験なら、設問に対応する情報を素早く抜き出すというようなことです。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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スキャニングの方法

では実際に、試験問題を例として関連箇所の特定の方法を見てみましょう。

<設問例1>
1. When did Amanda go to the West Station? (アマンダはいつウエスト駅にいきましたか?)

このような場合、固有名詞の、Amandaやthe West Stationを文章の中から探します。固有名詞は言い換えが比較的起こりにくいため、同じ固有名詞が使われている場所は、設問と絡んでいる可能性が高いと言えます。もちろん、sheやthereなどの代名詞に置き換えられることはありますが、Amandaやthe West Station を見つけてしまえば、その直後の文章を追えばすぐに情報が拾えるはずです。

<設問例2>
2. What did Amanda do after coming to Japan in 2000?

この設問で、固有名詞であるAmandaやJapanに注目するのも良いですが、場合によってはこの2つが文章の中心であり、たくさん出て来るということもあり得ます。そのような場合は、in 2000という「数字」に注目してみましょう。数字も言い換えられることはありますが、キーワードになることがよくあります。

<設問例3>
3. Why did the number of hurricanes increase?

この場合、hurricaneがキーワードと考えるべきです。このような特定の分野の文章にしか出てこないような単語は目印となることが多いのです。そういう意味で、numberやincreaseはキーワードと考えません。ただし、気を付けたいのは、文章全体がハリケーンに関する話題であれば何度もhurricaneという単語が登場しているかもしれません。
英文を読んだときに繰り返し出てきた単語と、1、2回しか出てきていない単語の区別ができるようになると、スキャニングする場合に役に立ちます。

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スキャニングの効果

スキャニングを活用することによって長文問題を効率よく問題を解くことができるということがわかりましたか? 大学入試改革によって英語4技能が重視されるようになると、英検やTEAP、GTECといった各種英語検定試験が重要性を増してきます。

このような検定試験のリーディング問題は、内容一致問題が中心となっていることが多いため、スキャニングが使いこなせるようになると有利になることでしょう。

ただし、一つ気を付けていただきたいのが、スキャニングと適当な飛ばし読みは違うということです。スキャニング以前に、一文を正確に読めるようにならなければならないことは言うまでもありません。

一文一文を正しく読めることが前提で、スキャニングの手法もマスターしてしまえば、長い文章の中から効率よく自分の欲しい情報を探すことができるようになります。

監修:田浦 秀幸
シドニー・マッコリー大学で博士号(言語学)取得。大阪府立高校及び千里国際学園で英語教諭を務めた後、福井医科大学や大阪府立大学を経て、立命館大学大学院・言語教育情報研究科・教授。伝統的な言語手法に加えて脳イメージング手法も併用することで、バイリンガルや日本人英語学習者対象に母語や第2言語習得・喪失に関する基礎研究に従事。その研究成果を英語教育現場に還元する応用研究も行っている。