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シャドーイングとは

シャドーイングとは、音声を聞きながら1、2語遅れで音声の後を追いかける練習方法です。影(シャドー)のように音声を追いかけることから、このような名称で呼ばれています。

このシャドーイングは、もともと通訳者を目指す人のための訓練方法のひとつでしたが、最近ではこの方法の効果が一般にも広く注目されていて、学習書も数多く出版されています。

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シャドーイングの方法

シャドーイングの練習方法はとてもシンプルです。英語の音声を聞くことができる環境さえあれば、どこでも行うことができます。

①英文が聞こえてきたら、1、2語遅れくらいで同じように口に出します。
②それを終わりまで続けて行います。それだけです。

自分の声が邪魔になって音声が聞こえにくくなるかもしれませんが、音声を聞くことに集中すれば聞き取れるはずです。どうしても聞き取れない人は自分の声のボリュームをすこし落として練習してみましょう。

連続してまとまった音声をシャドーイングするのが難しければ、短く区切って(途中で一時停止を押して)取り組んでみましょう。

英文のスクリプトを見ずについていくのが難しい人は、初めのうちは英文を見ながらやっても構いませんが、最終的にはスクリプトなしでシャドーイングができるようにしましょう。途中でついていけなくなる部分がわかってきたら、その部分だけを繰り返し何度かシャドーイングしてみて、ついていけるようになったら、前後を含めてシャドーイングしてみてください。以前よりもついて行くのが簡単になっているはずです。

また、シャドーイングをしていると、ついて行くことだけに意識が集中してしまい、発音やアクセントが疎かになりがちです。だいたいスピードについて行けるようになったら、携帯の録音機能を使って自分のシャドーイングを録音して聞き返して見て下さい。ネイティヴ音声と比べて差を体感できるはずです。次の段階は、より正確な発音でついていけるように録音音声を活用していきましょう。

ある程度正確な発音で、スピードについて行けるようになった後は、内容をイメージしながらシャドーイングできるようにしていきます。

音声認識に重点をおいたシャドーイングを「プロソディ・シャドーイング」、意味の理解に重点をおいたシャドーイングを「コンテンツ・シャドーイング」と言います。リスニングの最終的な到達目標は当然、聞き取れて、かつその文章の内容が分かっているということですから、すらすらとついて行けたというところでストップせずに、意味をスムーズにキャッチできるところまでやってみましょう。

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シャドーイングの効果

シャドーイングの効果としては、以下のようなものがあげられます。

①リスニング力の向上

音声を聞くだけだとわかったような、わからないような微妙な場合、スルーしてしまうことが多いのですが、シャドーイングの場合は実際に口を動かすので、曖昧な部分があればつまずいてしまいます。つまり、自分が聞き取れていない部分が明確になります。

②発音・アクセントの上達

シャドーイングでは、聞こえた通りに発音しなければならないので、慣れてくると発音やアクセントがネイティブに近づいていくという効果が得られます。特に文の抑揚などに効果があります。

ちなみに、ネイティブと英会話をすれば、発音が良くなると信じている人も多いのですが、大抵のネイティブスピーカーはいちいち発音が間違っていても指摘しないため、思いの外、改善しないということがよくあります。

ネイティブと英会話をするのは、言ってみれば「練習試合」のようなものだと思ってください。実力を上げるためには、練習試合よりむしろ基礎的なトレーニングが重要ですよね?

一方、意識的にネイティブの発音を真似るシャドーイングは、発音・アクセントを伸ばす良い練習方法になります。

シャドーイングの注意点

次に、シャドーイングをする際の注意点についてお伝えします。特に初級者の方ですが、シャドーイングの題材選択に注意しましょう。音声が速すぎるもの、また読解が難しいものはシャドーイングに向いていません。よく英文読解の問題集にCDがついていますが、英文構造が複雑で読むのも一苦労と思うのであれば、シャドーイングには使わないようにしましょう。ゆっくり話されているスピーチ、英語学習者向けにゆっくりとした速度で提供しているニュース記事などは適した素材だと言えるでしょう。以下、お勧めのサイトを提示しますので、ご参照ください。

VOA Learning English(英語学習者向けのニュース記事です。ゆっくりとした速度なので、シャドーイングに向いています。)

また、最近ではシャドーイング用の参考書も数多く出版されているので、取り組んでみてはどうでしょうか。

・『決定版 英語シャドーイング[超入門]

・『新ゼロからスタートシャドーイング 入門編

また、シャドーイングを行う際は、聞いた英語とできるだけ同じように自分の発音やリズム、息遣いを合わせましょう。カタカナを読み上げるような、いわゆるジャパニーズイングリッシュのままシャドーイングをしていても、効果はありません。正しく発音する意識がないと発音は改善されません。

シャドーイングは特に英語初級者には難しく感じられることがあり、学習方法として反対意見を持つ人もいるのですが、題材に難しすぎるものを避け、上記の正しい方法で取り組むことによって非常に効果的な学習方法となります。何よりも場所を選ばずにリスニング対策ができるのが大きなメリットと言えるでしょう。電車内など周りの目が気になるようでしたら、マスクを着けて、口パクをすることでも効果があります。あまり堅く考えずに、普段の日課の一つにシャドーイングを取り入れてみてはどうでしょうか。

監修:田浦 秀幸
シドニー・マッコリー大学で博士号(言語学)取得。大阪府立高校及び千里国際学園で英語教諭を務めた後、福井医科大学や大阪府立大学を経て、立命館大学大学院・言語教育情報研究科・教授。伝統的な言語手法に加えて脳イメージング手法も併用することで、バイリンガルや日本人英語学習者対象に母語や第2言語習得・喪失に関する基礎研究に従事。その研究成果を英語教育現場に還元する応用研究も行っている。


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