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スキミングとは

スキミング(skimming)とは、文章の中で重要な情報をすくい取り、文章全体の大まかな内容を理解することです。英語のskimは「すくう」という意味で、そのing形、「すくい出すこと」が名前の由来です。
今日、私たちが生活している世の中には情報があふれています。情報は山のようにあり、全てを熟読している時間はありませんよね。細かい情報はいったん置いておき、文の大意、あらすじを把握するためにこのスキミングという方法は役に立ちます。
ですから、一文一文の構造が複雑で、しっかりと読まなければ誤解をしてしまうような英文に対してはあまり向いているとは言えません。
スキミングでは、要点を押さえながら読んでいくことになるため、そもそも「どこが要点なのか」ということを判断する力が求められます。この能力が低いままスキミングを行うと、単に情報を断片的に拾っているだけになり、結局何が書いてあるのかわからないということになってしまいます。
もちろんこれでは内容を把握できませんし、結局何度も読み返すことになるなど、初めから丁寧に読んだ方が良かったということになりかねません。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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スキミングの方法

では具体的に、どのようにスキミングを行えば良いのでしょう。要点をつかむということを中心に解説していきます。

実は、これがスキミングの難しいところ。明確なルールが存在するわけではないのです。
ただ、基本として抑えておきたいのは「段落構成」と「段落毎の『トピックセンテンス』」に注目するということ。この2点について、順に説明していきます。
段落構成
日本語で書かれた文章と比較すると、英語で書かれた文章では、段落や段落ごとのはたらきが重視されます。
日本の学校では、1段落目の役割、2段落目の役割といったことは普通教わりません。せいぜい、起承転結を意識しましょうと言われたくらいだと思います。
しかし、英語圏では小学校からすでに段落構成を意識した文章の書き方が教えられます。論理的な文章を書くための訓練が早くから行われているのです。
エッセイライティングでは、一般的に第1段落で自分の主張を書きます。次の第二段落では、主張を支える一つ目の理由とその具体例を挙げ、さらに第3段落で二つ目の理由とその具体例を再び挙げるのです。このように、主張に対する理由と具体例が続き、最終段落で結論を述べます。最初にあげた主張と結論が一貫していなければならないのは当然のことです。
スキミングをする際に特に注意を向けて欲しい段落は、第1段落と最終段落の二つ。とりわけ、最終段落にはその文章全体の結論が書かれているため、エッセンスが凝縮されています。第一段落には「そもそも何の話をしているのか」ということが書かれるのが普通ですから、同様に重要なのですが、本題への「振り」も多く含まれているため要点をつかみ取りながら読む必要があります。
ですから、最終段落はいちどしっかりと読み込み、最終的に何が語られるのかということを把握してから、頭に戻ってスキミングをするとずいぶんと時間の節約になります。
多くの論文にもこの形式が用いられますし、新聞や雑誌のコラムなどでもよく見られます。そのため各種検定試験などでも、基本的にこうした構成の英文が用いられます。

「1パラグラフ1アイディア」という重要な考え方をまず覚えましょう。英語の文章ではふつう、ひとつの段落についてひとつの主張しか述べることができません。段落ごとに言いたいことはひとつだけ、ということですね。
そのため、段落の「アイディア」が述べられたセンテンスをキャッチすることができれば、段落をすべて読むことなく段落の要旨を理解できます。このキーセンテンスのことを、『トピックセンテンス』と呼んでいます。
トピックセンテンスはこの位置にある、という明確なルールが決まっているわけではないので、見つけるのは簡単なことではありませんが、おおむね段落の第1文目にある場合が多く、一つの目安になります。もちろん、絶対に段落の第1文目がトピックセンテンスだというわけではないので、注意してください。

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スキミングの効果

一文、一単語を正確に理解することはもちろんたいせつなこと。
でも、今後は各種試験においても「それほど複雑ではないけれど長い」というタイプの英文を素早く読み取るという能力が求められることが増えてくると予測されています。
そんなとき、大意をすばやく読み取るスキミングをテクニックの一つとしてもっておいて損はないでしょう。

監修:田浦 秀幸
シドニー・マッコリー大学で博士号(言語学)取得。大阪府立高校及び千里国際学園で英語教諭を務めた後、福井医科大学や大阪府立大学を経て、立命館大学大学院・言語教育情報研究科・教授。伝統的な言語手法に加えて脳イメージング手法も併用することで、バイリンガルや日本人英語学習者対象に母語や第2言語習得・喪失に関する基礎研究に従事。その研究成果を英語教育現場に還元する応用研究も行っている。


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