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多読とは

多読とは、文字通り大量に読むことを意味し、近年見直されているトレーニング法です。英語に対する慣れや感覚を養い、抵抗感をなくすこと。表現や語彙などに大量にふれ、インプットを増やすことなどを狙います。

一般的な日本人学習者が高校3年生までに読む英語の量を考えてみても、1年に1冊のペースで教科書を読み、問題集や入試の過去問等で断片的な英文に触れる程度。おそらく、中学高校の6年間を全て足し合わせでも、ペーパーバック1冊にも満たないのではないでしょうか。

多読はそのような状況を背景に、英語に触れる量を増やすことを大きな目的にしているのです。

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多読の効果

たくさんの文字を読むことそのものを苦手とする人は意外と多いものです。しかし、試験や学習において文章を読みすすめられることは最低限の技能であるとも言えます。

たくさんの文字に触れることで、リーディングスピードの向上はもちろん、単語や言い回しについての知識、英語のロジックの組み立て方についての感覚が養われていくことが期待できます。

多読の方法

多読は 「とにかくたくさんの英語の本を読む」ということです。これは読書に慣れない人などは特に苦痛を感させることがあります。ここからは苦痛に感じることなく、無理なく多読を実践できる方法をご紹介します。

では、実際に多読の方法を見ていきましょう。

①自分の好きな分野について読む

自分の趣味や仕事などに関連した分野であれば、多少知らない単語があっても推測できますし、読んでいても楽に感じます。これは、背景知識の力が英文読解力を補っているためです。また、興味のある内容であれば、楽しんで取り組むことができるので、無理なく継続することができます。

②辞書をできるだけ引かない

正確な意味を知るために辞書を引きたくなる気持ちはわかるのですが、読むリズムが崩れてしまったり、引くのが面倒になってきて、多読が続かなくなる可能性が高まったりするので、できるだけ辞書を引かないようにしましょう。

初めのうちは、辞書を引きたい衝動に駆られてしまうかもしれませんが、そこはグッとこらえてください。完璧主義を捨てることが継続のコツだと覚えておきましょう。

③自分の実力よりも簡単なものを選ぶ

これも大切なことで、よく張り切って難しい本に挑戦したものの、挫折してしまったという話を聞きます。辞書なしで読むのにストレスがかかるレベルであれば、そもそも多読の素材としてはレベルが高すぎると考えてください。

簡単なものを読んでいて実力がつくのかと思うかもしれませんが、多読の目的は難解な英文を理解できるようになることではありません。簡単なものをたくさん読むうちに、読解のスピードを上げることが目的なので、むしろたくさん読める簡単なものの方が良いのです。

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なかなか自分に合った多読の素材が見つからないという人は、下記をご参照ください。

・語彙制限のある洋書

ペンギンリーダーズ、ラダーシリーズなど、英語学習者が無理なく読めるように本文中に使用される語彙レベルが制限された本が大型の本屋やオンラインショッピングで手に入ります。

ペーパーバックと異なり1冊あたりの分量、価格ともに安いので、手軽に読むことができます。自分の実力が上がれば、上のレベルの本を読めるようになるので、達成感を味わうこともできます。

・対訳本

先ほど辞書は引かずに読むように書きましたが、そうは言っても訳が気になって仕方がないという人は、対訳本をおすすめします。左のページに英文、右のページに和訳が載っていることが多く、その場で意味がわからない文の意味を確認することができます。

また、最近はジャンルも多岐にわたり、普通の物語だけでなく、外国人向けに日本の文化を紹介する本などいろいろ揃っています。

・英字新聞

新聞は価格の割に分量が多いという面で多読に向いていると思います。『The Japan Times』や『The Japan News』のような日刊紙は、わずか200円足らずで膨大な量の英文を読むことができますし、定期購読をすればさらに安くなります。

本とは異なり毎日新しいものを読むことができるので、新鮮な気持ちで取り組むことができるのも良い点です。

ただし、一つ注意点があります。上記の日刊紙は国内在住の外国人向けの新聞なので、英検準1級以下の英語学習者にとっては難しく感じるかもしれません。

そのような方には、英語学習者向けの『The Japan Times ST』などといった週刊の英字新聞をおすすめします。

毎日新聞や朝日新聞も同様の週刊紙を発行しており、興味深いコラムもついています。また、インターネット上でも読むことができます。

海外のニュースを読みたい人は、『VOA Learning English』がおすすめです。英語学習者を対象としており、海外の様々なジャンルの記事を読むことができ、語彙レベルが抑えられています。また、ナチュラルスピードよりも遅めの音声を聞くことができます。

いくつか多読の素材を紹介しましたが、もちろんこれらすべてを使う必要はありません。むしろ、あれもこれもと手を出すと、途中で挫折してしまうので、自分が興味を持ったものを気軽に取り組んでください。

また、本を読むにしても、途中でつまらなくなってしまったら、すぐに止めましょう。せっかく買ったのだから、最後まで読み切らなければと思う必要は全くありません。

辞書を引かないようにと助言したことからもおわかりだと思いますが、多読において完璧主義は禁物です。肩に力を入れずに楽しく続けてみませんか。

監修:田浦 秀幸
シドニー・マッコリー大学で博士号(言語学)取得。大阪府立高校及び千里国際学園で英語教諭を務めた後、福井医科大学や大阪府立大学を経て、立命館大学大学院・言語教育情報研究科・教授。伝統的な言語手法に加えて脳イメージング手法も併用することで、バイリンガルや日本人英語学習者対象に母語や第2言語習得・喪失に関する基礎研究に従事。その研究成果を英語教育現場に還元する応用研究も行っている。


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