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みなさんは「論理力」の重要性をどれほど感じているでしょうか。

あれば便利というくらいの認識でいる方、そもそもどんな場面で役に立つのかわからないといった方もいるでしょう。しかし論理力は、学習面において大きなメリットがあるのです。

今回のコラムでは、そんな論理力の身につけ方、そしてその活用法などについてお話しいたします。

論理力とは

論理力とは、論理的思考力(ロジカルシンキングスキル)とも呼ばれ、辞書的には、論理に基づいて思考する能力という意味で用いられます。 道理や筋道に則って思考を巡らせて結論を導いたり、あるいは、複雑な事柄を分かりやすく説明したりできる能力を指します。

これは生まれつきセンスや感覚がいい人だけが持っている特殊な才能なのではないか、と錯覚してしまいがちですが、決してそうではなく、定石とも言える技法を学んでそれを利用していくことによって蓄積されていくものなのです。

論理的思考力を身につけることで国語力を飛躍させる新機軸の国語力・論理力を養成する「論理エンジン」を開発した、東進ハイスクールの講師・出口汪氏は、論理の基本は「イコールの関係」「対立関係」「因果関係」の3つだと言います。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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論理力を身につけることのメリット

では、論理力を身につけると、学習面で一体どのようなメリットがあるのでしょうか?

論理的に読むことは、さまざまな教科の学習に役立ちます。現代文や英語の読解が得意になる、数学や理科の文章題の問題に強くなる、小論文における課題文の読み取り及び作文が得意になる、日本史や世界史の資料問題の読解ができるようになるといったメリットが挙げられるでしょう。

筆者も受験生時代に、論理力を鍛えることによって、現代文のみならず数学の点数をも伸ばすことができました。また、受験勉強だけでなく、その後の人生においても論理力は様々な場面で役に立つこと間違いなしです。例えば、問題解決、プレゼンテーション、文章作成など、社会人に必要とされる多くのスキルの前提となる基礎スキルとも言えます。

そんな論理的思考力を身につけるには、どんな方法が効果的なのでしょうか。

1.文の構成を意識する

論理エンジンでは、主語・述語・接続語を、文の要点を識別する読解のためのツールとして捉えており、これらを意識しながら文を読むことが必要とされます。

例えば、「突然赤ん坊がかわいらしい声で笑い始めた」という文では、主語は「赤ん坊が」、述語は「笑い始めた」ですから、文の要点は「赤ん坊が笑い始めた」となります。

論理力を身につけていない学生の場合、「笑い声がかわいいこと」を強調したい文だと勘違いしてしまうかもしれないでしょう。しかしここで本当に伝えたいのは「赤ん坊が笑い始めた」という事実。文というのは修飾語がなくとも主語と述語さえあれば成り立つはずなので、まずはそれらを抽出しながら読むことが大事になってきます。

すごく単純な作業に見えますが、この作業は論理力を身につける上でベーシックになります。長い文章を読むときにも、まずは1つ1つの文の主語および述語を意識しながら読んでみてください。

2.文章全体の構造を意識する

1つの文で伝えたいことが何であるか把握できるようになったら、今度はそれを一文の集合体である文章の読解に応用してみましょう。

一文の要点の集合が段落の要旨になり、段落の要旨の集合が文全体の要旨となる以上、間違った要点を一文レベルでつかんでしまうようでは、文章全体の要旨把握問題を解けないことになってしまいます。

また、文章の中には、因果関係、説明付加を意味するような接続詞が含まれていたり、指示語なども多くみられます。これらが果たす意味をきちんと押さえられたかどうかもまたカギになってくるのです。

実のところ、英語や国語の入試問題では、文の要旨を把握させる問題がとても多く、なんとなく解くのと、以上のように文の構造、さらには文章の構造にきちんと注目できたかどうかで解答も随分と変わってくるのです。

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実際に「論理力」を使ってみた

・国語
高校1年生の夏休みに、初めて「論理エンジン」なる言葉に出会うまで、私の国語の成績は学年でも最低レベルでした。文章を読んでも何が言いたいのかさっぱりわからないという状態は小学生からずっと続いていました。読書が趣味だったら多少違っていたのかもしれません。

そして、論理エンジンを身につける努力を始めてから、少しずつですが結果が出始めるようになったのが1年後でした。まずは、小学生でもできそうな文の主語および述語の読み取りから始め、学校で取り扱った文章や模擬試験で扱った文章の要約や要旨のまとめを、意識的に行います。

すると、学年で最低レベルだった国語の成績は少しずつ伸びて、理系でしたが、センター試験で現代文はほぼ満点のスコアを取ることができました。

・数学
数学でも論理力は必要なのか、と疑問を抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん必要になってきます。導いた答えを答案用紙に書くだけなら必要ないですが、その答えを導いた方法を答案用紙に説明するプロセスでは必要になるのです。

例えば、「問題文に与えられた情報から1、2がわかった。1から3が導けた。2と3から4を導けた。以上1、2、3、4より、答えは○○となる」といった体系立てて答案用紙を書く力が必要とされます。その答案を初めて見た採点者でも、書いた内容が瞬時に理解できるよう、わかりやすく且つロジカルに記載する必要があるのです。

東大の2次試験では答案用紙は白紙。自分の言葉で答案を埋めなければ当然ポイントはもらえません。つまりそれは、勘で答えを導けたところでそれは点数には全くならないということです。以上のような論理力を身につけることで、本番の試験では以前よりも点数が取れるようになりました。

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筆者も受験生時代にずっと伸び悩んでいた現代文を、論理力を正しい方法で身につけることによって得意科目へと導くことに成功しました。文章問題を解くのが苦手な方も、諦めることなく、まずは論理エンジンを身に付けることから始めてみませんか?

(参考)
出口汪(2015),『出口のシステム現代文 ベーシック編』〔改訂新版〕,水王舎.
DEGUCHI HIROSHI.com
論理.jp