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オーバーラッピングとは

オーバーラッピングとは、自分の声を英文にかぶせて、音源と同時に発音する練習法です。その際に、英文のスクリプト(英文原稿)を読みながら練習します。
シャドーイングと似ていますが、シャドーイングは英語を聞きながら(基本的にはスクリプトは見ないで)少し遅れて追いかけるように発音するトレーニング法ですから、それに比べると難易度はぐっと下がります。
初心者の方でも比較的取り組み易いトレーニング法だと言えるでしょう。

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オーバーラッピングの効果

では、オーバーラッピングにはどのような効果があるのでしょう。

ディクテーションの項目でもご紹介したように、ネイティブスピーカーは英語をスムーズに発音するために、単語をつなげて発音したり(連結)、一部の音を発音しなかったり(脱落)、連結した上で違う音として発音したり(変形)したりと、「省エネ」で発音をすることがあります。

私たちが学校で習ってきたような、教科書的な発音と、ネイティブが話す英語の音が違うことがあるということですね。ディクテーションでは、そのような音声の変化の法則をつかむことができました。

オーバーラッピングでは、ネイティブが話す音声とまったく同じタイミングで英語を発音していきます。
多くの場合、脱落や連結などが起こった「省エネ」発音で読まれると、その分だけ、一文を読む時間が短くなりますから、教科書通りの読み方でそれに重ねると「一緒に読み始めたのに、同じタイミングで終われない」ということになります。

つまり、オーバーラッピングを正しく行えるようになれば、音声変化を含めた発音、文の抑揚、アクセントなどを身につけられると言うことです。

ただ、こういった音声変化などは学校ではほとんど教えられていないので、いきなり独学でそれに気づくのは難しいかもしれません。そういった場合は、音声変化のルールを身につけることに特化したアプリや書籍で、まずひととおり学習をしてみるとよいでしょう。

【おすすめアプリ】
『Listening Hacker』
リスニングが苦手、ネイティブの英語がどうしても聴き取れないという人のために、短期間でリスニングスキルを飛躍的に高めるトレーニングアプリです。
iOS版
Android版

【おすすめ書籍】
『英語舌のつくり方』――じつはネイティブはこう発音していた!

また、自分で発音できるようになった音は、聞けるようになると言われていますので、英語を口に出してマネをし、正しい発音を身につけることで聞き取りの能力の向上も期待できます。

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オーバーラッピングの方法

では次に、オーバーラッピングの手順について説明します。まずはオーバーラッピングをする英文を読み、内容を理解します。意外と知られていませんが、意味がわからない英文を音読しても効果は全くないのでかならず意味は分かるようにしてください。
次に、音源を流しながら、同時に自分も英文を読んでみます。これを2、3回繰り返します。うまくついていけなかった箇所がわかったら、その部分だけ集中的に練習してみましょう。その箇所についていけるようになったら、今度は初めからCDを流してもう一度チャレンジしてみてください。

オーバーラッピングを行う際の注意点について

オーバーラッピングの際には、必ず音声を忠実に真似ましょう。当たり前だと思うかもしれませんが、やってみると日本語的な、「カタカナ発音」のままオーバーラッピングをしている人が多いものです。

ついていくのが大変になってくると、つい慣れた発音が出てしまうもの。でも、自己流の発音は封印してください。トレーニングの効果が薄くなるだけでなく、先ほど説明した「音声変化」のせいでついていくのが余計に困難になります。

オーバーラッピングは主に、リスニングの中でも主に「音」を理解するために有効なトレーニングです。声に出すのでスピーキングの練習になると考える人もいますが、あくまでインプット系のトレーニングだと考えてください。

リスニングは、「①音を聞き取る」→「②文の意味を理解する」→「③文ごとの意味を短期的に覚えておいて、文脈を理解する」という順番で脳内で処理されています。オーバーラッピングは主に①に有効なトレーニングだと言えます。

*どうしてもついていけない人は

音声スピードを調整して練習してみましょう。0.7倍、0.8倍くらいで練習してみて、耳や口を慣らしていくとよいでしょう。教材の中には、もともとゆっくり読み上げてくれている音源が収録されたものもありますが、ゆっくり読まれたことによって音声変化がなくなっているということもあります。その状態だと練習できませんから、ソフト側で調整するとよいでしょう。
Windows なら windows media playerでスピードの調整ができますし、Macでも VLC メディアプレイヤーなどスピード調整ができるフリーソフトがあります。

監修:田浦 秀幸
シドニー・マッコリー大学で博士号(言語学)取得。大阪府立高校及び千里国際学園で英語教諭を務めた後、福井医科大学や大阪府立大学を経て、立命館大学大学院・言語教育情報研究科・教授。伝統的な言語手法に加えて脳イメージング手法も併用することで、バイリンガルや日本人英語学習者対象に母語や第2言語習得・喪失に関する基礎研究に従事。その研究成果を英語教育現場に還元する応用研究も行っている。


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