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第二言語習得研究とは

第二言語習得研究(Second Language Acquisition(SLA))とは、母語でない言語をどのようにして学習するかということについてそのプロセスなどを研究する学問領域を指します。誰でも簡単に言語が習得できる、という方法はありませんが、それでも、どのように学ぶことが結果に繋がりやすいのかということについてはさまざまなことが分かっています。

例えば、文法やリーディングは得意だけれどもリスニングやスピーキングは苦手という人もいるでしょうし、その逆もあります。そうなると、人によってやるべきことが異なるため、ひとつの方法ですべてがカバーできるというわけではありません。したがって、自分の弱点と目標を明確にすることから始めなければなりません。

先ほど、自分の弱点によって、行うべきトレーニングが異なるということを指摘しましたが、多くの日本人の悩みは、文法や読解がある程度できる一方で、リスニングやスピーキングに自信がないというものではないでしょうか。そこで次項からは、リスニングとスピーキングを効果的に伸ばす方法について説明していきます。

英語を習得するには、知識面と技能面の両方のスキルが求められます。近年では、英語の試験も4技能化する動きにはなっていますが、これまでは文法や読解といった知識力を求める内容でした。そこで、このような人が英語を自在に使いこなせるようになるためには、その知識を瞬時に使えるように、トレーニングする必要があります。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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第二言語習得研究に基づいたリスニングの伸ばし方

リスニングをスピーキングと近いスキルだと考えている人が多いように感じます。確かに、両方とも音声のやりとりであるという点では同じなのですが、第二言語習得研究において、リスニングはリーディングと共に「インプット」スキルだと考えられています。

リーディングをしてきた人なら心当たりがあると思いますが、最初のうちは一単語ずつ訳しながらでなければ読み進めることができなかったものが、だんだん長文読解の演習を重ねていくうちに、スムーズに読めるようになってきます。同様に、海外に住み始めると、最初のうちは周りの会話、テレビの音などが速くて聞き取れないものの、しばらくするとだんだん慣れてきます。

このように、リーディングもリスニングも、視覚や聴覚から得た情報を「理解する」という点では同じことをやっているのです。したがって、これらの技能を伸ばすためには、インプットした情報の処理速度を上げなければなりません。

すなわち、英語を上達させるために最も重要なことは、リスニングやリーディングを「自動的に」できるようにすることです。リーディングは、つい頭の中で日本語に訳しながら読んでしまう、という人が多いようですが、それだとうしろから前に戻って読む「返り読み」をしてしまうことになります。これだとなかなか英語の語順のまま素早く読めるようにはなりません。リスニングの場合も同じです。音が聞こえたそばから英語の語順のまま理解していくことができなければ、スピードについていけませんし、理解することもできません。そのため、リスニングができるようになるためには、単に音が聞き取れるだけではなく、聞き取れた単語を文頭からすばやく処理していくスキルも必要ということです。

ではまず、音そのものを聞き取れる状態にするにはどのようにすればよいのでしょうか。巷には色々な方法論があふれていますが、中でもディクテーション、シャドーイング、オーバーラッピングなどがおすすめです。いずれも、別記事で詳しいやり方を解説しているので、ご参照ください。

そして、聞き取れた音を「頭から理解していく」スキルを鍛えるためにはどうすればいいか。これにはチャンクリーディングやサイトトランスレーション、暗唱などが効果的だと言われています。

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第二言語習得論に基づいたスピーキングの伸ばし方

スピーキングの効果的な伸ばし方は、学習者のレベルによって異なります。例えば、リスニング力の低い初級者がいきなりスカイプ英会話などを始めたとしても、そもそも相手の言っている内容がよく理解できずに会話にならないでしょう。また、文法や語彙の知識が少ない状態の人も、自分が言いたいことがうまく表現できないため、無駄な時間を過ごしてしまうことになります。

そのような場合は、まず文法、単語、リスニングの基礎を固めておきましょう。したがって、この初級レベルの学習者は、ネイティブの講師よりも日本人講師から習ったほうが効果が高まります。

基礎力がある程度ついてきたら、スカイプなどを活用してアウトプット量を徐々に増やすという方法が効果的です。また、英語で独り言をつぶやいたりするのもおすすめです。独り言を言うと、自分が言いたいことがうまく英語で表現できないことがあると思います。「自分が言い表せないこと」に気づき、その表現をインプットするというサイクルを通じて、アウトプットのスキルも高まると言われています。

最後に

このように、知識と技能を正しい方法で伸ばせば、リスニングやスピーキングを伸ばすことができるということがご理解いただけたでしょうか。特にスピーキングはネイティブスピーカーがいないとできないと思っている人も多いかもしれませんが、自分の力でやれることも数多くあります。

普段、英語学習をする際も、インプットにどのくらい、アウトプットにどのくらい時間をかけているのかをチェックしてみることをおすすめします。初級者ほど、「大量のインプットと少量のアウトプット」という比率を意識するのがポイントです。


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