(株)大学通信が調査した「就職に力を入れている大学ベスト10」で6年連続1位を獲得している明治大学。この調査は高校の進路指導の先生を対象に行われており、現場の先生方からの高評価が2010年〜2013年の志願者数トップや、10年連続受験者数が10万人を超えるという明治大学人気につながっています。今回は明治大学就職キャリア支援部長の福田 敏行様に、明治大学の就職支援など幅広くお話を伺いました。

face to faceを重視。就職に関する面倒見の良さは明治大学に脈々と流れる文化

編集部:20年くらい前から、「明治大学は就職に強い」という印象があります。
現在も、就職満足度6年連続1位ですが、就職活動に関して明治大学独自の取り組みがあるのでしょうか?
福田氏:私も明治大学の卒業生ですが、20年どころか30年前から就職に強い、というか、手厚いという印象がありました。明治は全体的に面倒見が良い大学ですが、特に就職に関する面倒見の良さは、明治大学に脈々と流れる文化なのです。「就職は挑戦だ!」というのが、本学のスローガンですが、これは学生への叱咤激励はもちろん、私たち職員にとってもどこまでサポートできるか、どこまで個人の希望に寄り添って結果を出せるかという挑戦でもあるのです。

現在明治大学は、文系学部の3、4年生が通う駿河台キャンパス(お茶の水)、文系学部1、2年生が通う和泉キャンパス(京王線明大前駅)、理工学部と農学部がある生田キャンパス、そして国際日本学部・総合数理学部がある中野キャンパスの合計4つのキャンパスがあります。各キャンパスに「就職キャリア支援センター」があり、どのキャンパスにおいても1年生から利用できます。

就職活動は10人いれば10パターンあり、大規模大学だからといって大雑把に行うことはできません。どの学生さんにとっても初めての経験なので、一人一人にきめ細かく、face to faceで向き合うことを何よりも大切にしています。

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就職活動開始3年10月の取り組みと独自の就活手帳

編集部:具体的な就職活動のへ取組みは、何年生の何月頃、どのように始まるのでしょうか。
福田氏:2017年卒の就職活動については、3年生の3月1日に企業側の広報活動開始、採用選考活動については、4年生の6月1日開始です。
ところが昨年は、3月に広報活動開始、採用選考開始は8月だったため、今年活動する学生は、先輩の体験談などが役に立たたないところもあります。

3月の広報活動開始以降、企業説明会だけではなく、書類選考・筆記試験も始まります。
6月の「選考開始」は面接の開始ということになっているのですが、これを額面通りに受け取って、6月から動き出したのでは全く間に合いません。面接を6月以前に行う企業もあり,この時点でほぼ内々定を得ている学生がいるのが現実です。

採用活動の時期については、先輩の経験とは異なるため、大学側が主導し、正しい情報を提供することが大切です。
本学では3年生の10月から就職ガイダンスを始めますが、この就職ガイダンスには約9割の学生が出席します。茶髪から髪が黒くなるのもこの時期で、学生も「就活は人生の中でもとても大切」ということがわかっています。

就職ガイダンスでは、本学独自の「就職活動手帳」を配布します。これは3年10月から4年生3月までの1年半のしっかりとしたスケジュール帳です。今の学生はスマホなどで全てを管理していると思っていましたが、就職活動に関しては意外とアナログだということがわかったので、それならこの手帳一冊に就職活動の全てが詰まっていたらいいのではないか、と。以前は「就職活動の手引き」として冊子を配布していましたが、会社訪問時でも就職活動でわからないことがあればいつでも確認できるよう、2011年からスケジュール帳型にしました。

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これは合計250ページを超える本格的な手帳ですが、後半には自己分析の方法から業界・企業研究、エントリーシートの書き方など、具体的な就職活動のアドバイスが100ページ近く掲載されています。一般的なスケジュール帳として使うことで普段から色々な注意事項を気にかけて欲しいし、面接など緊張する場面でもこれを読んで気持が落ち着けば、と考えています。こちらは大変評判が良く、そのままほぼ同じ手帳を配布している大学もあります。

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明治大学伝統!? 3キャンパスをつなぐ就職活動出陣式

編集部:明治大学としての就職活動のスタートは解禁より半年も早い3年生の10月に始まるのですね。
福田氏:就職ガイダンスを皮切りに、その頃からいろいろな支援行事が始まりますが、明治大学の特徴のひとつとして、3年生の1月末開催の就職直前セミナーがあります。かつては、就職活動解禁日に合わせて出陣式を行っていましたが、現在は「就職活動直前セミナー」と名前を変えて3キャンパスを中継でつないで大規模な激励会を開催しています。(2016年は1月29日開催。約1,500名が参加)
総合大学としては、なかなかない企画だと思います。
学長や就職キャリア支援センター長、そして私からのメッセージ、就活を終えた4年生からのアドバイスなどがあり、最後は応援団によるエールが送られます。 全キャンパスの多くの3年生がここで「いよいよ就職活動が始まる!」と気持を引き締めています。

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写真提供:明治大学広報課

明治大学就職キャリア支援センターの一番の財産 先輩からの数々のアドバイス

編集部:応援団からのエールももらい、いざ就職活動がスタートすると、学生さんはどのように就職キャリア支援センターを利用するのでしょうか?
福田氏:就職活動中の学生が就職キャリアセンターに足を運び、いちばん役に立ったと言ってもらえるのは、先輩たちが残してくれた「就職活動報告書」だと思います。

これは「どのようなスケジュールで就職活動を行ったか」「最終的に決まった企業では、第一次から最終まで、面接でどのようなことを聞かれたか」など、同じ業界/同じ会社を目指す後輩が分かりやすいように具体的な動きが書かれています。また、それと同時に「この企業が求める人材はどういう人だったか」ということがわかるように、資格やインターンシップ経験、学生時代に力を入れたことなども記入してもらっています。こちらは業界ごとにまとめて製本しており、就職活動中の学生にとってはバイブルになっています。中には「明大らしさを出していけば大丈夫!」など、後輩へのエールも書かれていて、読んでいるとこちらもジンとしてしまうことも多々あるんですよ。

また、学生さんには気軽に就職キャリア支援センターを利用してほしいと思います。基本的な就職活動の方法やスケジュールなどは、3年の10月に配布する手帳に書かれていますが、どの学生さんにとっても就職活動は初めての経験。エントリーシートの書き方や服装など、どんな些細なことでも良いので足を運んで尋ねてもらいたいです。ここ就職キャリア支援センターには、学生さんだけではなく本学の学生を欲しいと言ってくださる多くの企業も来てくれます。そこで企業と就職キャリア支援センター職員が、お互いに情報交換し、より詳細な企業情報や、本学の学生に向けたメッセージなどいただきます。学生さんが思っている以上に幅広い情報がありますよ。

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明治大学就職キャリア支援部長の福田 敏行様

企業の人たちは学生のこんなところを見ている!

編集部:明治大学とはちょっと離れた質問なのですが、3年の秋に急に「こんな経験がある学生が良い!」と言われても、ちょっと手遅れかな、と思ってしまいます。今企業は学生のどんなところを見ているのでしょうか。
福田氏:どんなに不況と言われていても、学生の中には内定をいくつももらう学生がいます。こういった学生を見ていると充実した学生生活を送っていて、3年半の自分の大学生活を自分の言葉でしっかりと語ることができています。数年間の学生生活を語るためには、何かしらの経験をしていないと難しいかもしれません。ゼミ活動やサークル活動だったり、心底打ち込んでいれば何でもいいと思います。以前、20カ国を旅したという学生は、どこの面接でもその話ばかり聞かれて、学生の活動自体にとても興味を持ってもらえたそうです。

海外における就職については、「財務経理」「経営管理」「○○研究職」というように職種内容が明確なので、スキルがあるかどうかがしっかり見られます。ところが日本は、職種別の採用は少なく、人間性を見て内定を出すので、企業としてもその人の学生生活を通して、「本当に頑張れる人間なのか」を見ているのですね。

また、確かに3年後半になってからいろいろ言っても、ここからできることは限られます。
そこで本学では、2年生の4月に「明治大学キャリア手帳」の配布も始めました。こちらは2年生の4月から3年生の9月までのスケジュール帳で、3年10月に配布する本格的な就職活動手帳の前段階のものです。ここには、「学生のうちにやるべきこと」としてボランティア活動や資格取得、アルバイト等知らない世界をのぞき体験してみることが大事であるといった内容を掲載しています。
これらを参考に充実した学生生活を送ってもらいたいと思います。

全国57カ所の父母会のちから

編集部:2年生の4月から就活に関する手帳を配布するとは、明治大学の面倒見の良さに驚かされます。他にもたとえば新入学生に向けての情報発信など、何か明治大学独自の動きはありますか?
福田氏:入学当初も就職キャリア支援センター職員が各学部ガイダンス等で話すことはありますが、まずは大学生活に慣れてもらうのが最優先と考えます。もう一つ特徴的なことは、明治大学は父母会が盛んで、全国に57カ所も支部があります。北海道だけで4カ所もあり、子どもを東京に送る親御さん同士の結束がとても強いのです。

大学は、5、6、7月の3ヶ月で学長、副学長、教員そして私たち職員総出で全57カ所に出向き、明治大学の取組や成績に関すること等、お伝えするのですが、やはり親御さんは就職に強い関心をお持ちですね。そこで、父母の方々に対しても、就職状況や支援行事、就職活動への心構え等お伝えしています。また、父母会は、父母どうしの情報交換もでき、父母の結束の強さがとても大きいと思います。
本学の卒業生じゃない親御さんも、強い愛校心を持ってくださり、校歌まで覚えてくれます。

<編集後記>
はるか昔から「就職課が強い明治大学」という印象がありましたが、その強さの秘密をかいま見ることができました。一番印象的だったのが250ページ以上にも及ぶ就職手帳の存在。あまりに評判が良いため他大学からの問い合わせも多く、手帳の中身や就職活動を成功させるためのノウハウを惜しげもなく他大学へ伝えているそう。「ノウハウを本学で独り占めするよりも、様々な大学全体で学生の就職活動を応援したい」という言葉に全ての大学生への強い愛を感じました。これは10年連続10万人以上が受験というのも納得ですね。
福田様、お忙しい中ありがとうございました。